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僕、探検する。

 丘陵を越えて森から視線が切れたところで僕らは通常行動に戻り先程の結果を考察したり萌黄の職設定をどうするか話し合う。結局萌黄の希望で銃兵にすることになった。どれもこれもメリットデメリットはあるが射程で活動量を抑えたり、武器を調節することでスキルを活かしやすいという点、活躍度と活動可能時間の多さが決め手となった。

 

 萌黄  護衛 銃兵Ⅲ

 STR:354 VIT:357 DEX:422

 INT:342 WIZ:341 MND:351 LUK:44

 MV:20 ACT:1.5|3 Load:1115 SPR:773

 HP:774 MP:683 ATK:535+92|599 MATK:693 DEF:155+28 MDEF:138+19

 スキル:先制、索敵、危機感知、活殺

     銃Ⅴ、体術Ⅳ、隠密Ⅴ、捜索Ⅳ、速射Ⅳ、狙撃Ⅳ

     貫通射撃Ⅴ、障破射撃Ⅴ

 装備:冷魔式スナイパーライフル、剣歯蛇レザー

 

 当面狙撃銃だけになるがいくつか作ってやる必要があるだろう。防御のこともあって実験できてはいないが徹甲弾メインにして活殺の制御範囲内に納められるようにしたい。または衝撃だけでダメージを与えられるようにするかだけど。また体術などスキル構成の問題からか近接能力は急襲斥候兵に比べると見劣りする面が多く、ここは萌黄に頑張ってもらわないといけない。護衛が仕事になるとある程度接近を許すケースが多くなるだろうし。午後からは近接向けの萌黄用に銃の研究作成に取り掛かり、菫には森の斥候をお願いし、萌黄にはそのまま拠点周辺の警備を任せる。何か桔梗から恨みがましい視線をちらほらもらったので後でかまってやろうとは思う。これもシステムだとは思うのだがミーバ達は基本創造主が大好きなのである。

 近接といえばショットガンという短絡的な思考があったのだが、なにせ弾が体に残りやすく障害を残しやすいということも聞くのでスキルと相性が微妙に悪い。魔導銃なら放射状に撃つという動作が簡単なのだが、負荷が生じる関係で中、長期戦には向いていない。あれは多人数で制圧するための武器だと思うので個人で無双する為の武器ではない。やはり身体的リソースは僕たちが持てる物理的リソースに比べると遥かに少ない。銃はそういう意味では便利なのだ。一般人はこんな便利な収納を持たないからだろうけど。短、中距離向けにニードルガンを作って弾の素材を調べている時に扱いづらい金属の存在を思い出す。地獄土(ヘルソイル)である。以前検索した鉄より硬くてそこそこの価値というざっくりとした条件で構築された金属?だが、性質的には地球で言うマグネシウムに近く、しかもハンマーで殴打する程度で燃える、爆発する。世界の分類では石よりは金属に近いようなのだが発見されたときは粘土質のような状態で発見されたので土とついているらしい。粘土のようにこねると固くなり、鍛造しようと叩くと爆発する。鉄よりは硬いが武器としては扱いに困るということでお蔵入りしていた素材である。色々体を張って試してみると叩くとまず加熱しある程度の温度に達すると爆発するといったことが分かる。銃弾にすると薬莢から射出、加熱、物体に当たって衝撃、再加熱、爆発というぱっとみ当たると爆発するように見えるが大きさや硬度を調節することで爆発までの時間を調整できることに気がつく。普通に使えば被害甚大だが三秒以内(・・・・)に調節できるなら萌黄の制御範囲内ともいえる。

 

 地獄弾(ヘルブリット) ATK+177 爆発時追加で457のダメージ。230%で火傷を与える。

 

 通常の鉄銃弾でATK+98のようなので弾丸が使える場合は79ダメージが増える。だけど金属コストは約三倍で重量は三割増し。乱射するには若干苦しい数字ではあるけどこれからの採掘量を考えれば無視できる量であると判断してそこは無視する。状態異常の確率表示は百を超えると一段階の状態異常は確定であるということである。通常この弾の場合火傷Ⅱまでが確定で三十%の確率で火傷Ⅲになるといった具合である。萌黄が極大化すれば火傷Ⅳまで確定で六十%でⅤに至るのである。秒間ランク分のダメージを自動的に受けるこの辺りの、いわゆるスリップダメージと言われる状態異常はこの世界では凶悪といえる部類ではある。だからこそその対応策も低レベルで普及はしているので過度な期待はできないが、与えられるというプレッシャーはかなり大きい。こういった被害増幅すれど短時間で消失する弾が作れたことにより棚上げしていたショットガンを下ろしてくることになる。地球の規格を参考にして単発弾、近距離拡散用のS、中距離での実用集弾性を期待したMタイプを制作。100mを超えるようならもっと連射性の高い武器で単発を当てたほうが

便利そうなのだが取り敢えず運用してみようという実験でもある。正直狙撃銃単発を防いだり避けたりするようなやつかいなければこんなもの考える必要がなかったのだが。正直名ばかりの狙撃銃だけで反動がない、弾数も思考が追いつく限り問題なく、連射性も問題ないとなると類似の武器を作る理由もあまり無い気がしていた。

  

 冷式ショットガンS 

 冷式ショットガンM 

 

 スラッグ ATK1500 射程500m

 ヘルスラッグ ATK1880 +E564 火傷320%

 バックショット32 ATK56 射程300m

 ヘルBS32 ATK70 +E21 火傷140%

 バックショット64 ATK+33 射程240m

 ヘルBS64 ATK+41 +E12 火傷90%

 

 狙撃銃に使う弾と比較しても製造コストは4倍近い。

 

「思わず作ったけど・・・維持費が高いなぁ。」

 

 ただ維持費が高いなら生産量を増やせばいいだけだとコストについては無視することにする。運用自体がうまくいけばいい。そして修練場に響く阿鼻叫喚。むちゃくちゃ痛い豆まきの鬼をさせられた気分である。逃げ回る皆にテンションを上げて散弾を撃ちまくる萌黄。泣きわめくミーバと悲鳴をあげる僕。100発の試作弾を撃ち尽くす萌黄は物足りなさそうな顔でトリガーをかちかち引いている。よーし君にもちょっと体験してもらうかね。

 萌黄にお仕置きした後総評を行う。一番のメリットは回避不能空間が作り出せることだった。散弾の中心部本人の通常回避範囲内に同密度の弾幕がある場合AGIベースのDEFが著しく低下する。密度が濃ければ濃いほど低下するが現状では三割から六割ほど低下が見込まれる。範囲魔法でも同様かと思ったがMDEFには全く関係なかった。あくまでその攻撃に対して防御要素を使えない場合に限り低下するようである。体がない・・・ということはそうそうないのでVITやWNDに干渉は難しいが、酒や寝不足で判断力WIZが低下ということでペナルティは発生するかもしれない。

 

「萌黄も気に入っているようですし、能力を補いやすい運用は可能かと。味方にさえ気をつけていただければ。」

 

 ちょっと怒り気味の菫が言う。騒ぎを聞いて駆けつけてきていた桔梗などはものすごい負のオーラを発している。その場を納めて仕事に戻るように指示して、僕は追加で150発の散弾を作ってショットガンの開発を終える。萌黄にはショットガン二種類を二つずつ渡し、菫には神涙滴の小剣と短剣、桔梗には竜眼石の籠手を与え、防具として龍布の装備とコート、龍鱗レザーを与える。今後はまた生産性を増やし、ミーバ軍の編成を始める。桔梗には生産方針とミーバの増産指示を行わせて、資源収集係はY型に切り替えていくように指示する。

 

 翌日は朝から菫は森の探索に出ていき、桔梗の様子を見ながら魔法の訓練に勤しむ。合間をみて未建築建物を建てていき、中級拠点で上限の上がった職業ランクの上昇に着手。以前はいない間に朱鷺がやってた作業だったので気が付かなかったが研究所であげる手間がある模様。休憩中に桔梗にかまってやってやりながら時間を進める。日が傾き始めた頃に菫が戻ってくる。

 

「ご主人さま戻りました。森の奥になりますがやはり森ゴブリンが集落を作っていましたね。百と少しくらいの規模です。武装はさほどではありませんでしたが、周辺の木材や植物が資源となるのか交易をしている気配が見られました。森ゴブリンの能力不足からか森の生態なのか食料が不足しているようです。」

 

 菫の報告を聞きながらどうするか少し悩む。あと菫は足元でしがみついている桔梗に威圧を送るのをやめなさい。菫が気を落とすので頭をわしゃわしゃしながら近くに寄せる。菫がおとなしくなった所でまた考える。

 

「ずるーい。わたしもかまってほしー。」

 

 甘い空気に誘われたのか萌黄が不平をいいながら体当たりしてくる。なんというか世話が大変な子らだな。朱鷺ができていたのか、ライバルがいなかったせいなのか・・・

 

「明日見に行ってみるか。交易をしているということは別の集落があるということだろうし。以前の事を考えたら把握しておきたい。」

 

「かしこまりました。」

 

 そう言って菫が了承の意を向けると萌黄がじっと見つめてくる。桔梗のしがみつきにも力が入る。

 

「わかったわかった。みんなで行こう。」

 

 萌黄は声を上げて喜び、桔梗の手にも力が入る。菫が若干呆れているがしょうがないといった風でもある。それから明日の探索準備、といっても弾薬の確認くらいなのだが適当にやっておいて寝る。

 

 翌日起きて朝ごはんを食べた後拠点前に萌黄と桔梗が待っている当りどれだけ楽しみだったのか。一応遊びじゃないんですけどね。菫の案内で森を進む。桔梗は途中から静音の魔法を使って僕らの出す音を軽減する。萌黄はピクニック気分だが君が護衛ができるかどうかもかねてるんだからね?昼前になる頃に件の森ゴブリンの見回りらしいのが歩いてくるのがみられ僕らは姿を隠す。桔梗は雑に伏せているだけだがこれだけ草が生い茂っていればそうそう気が付かれないとはおもうが。森ゴブリンはノリの良い鼻歌を歌いながらキョロキョロしながら歩いているが何を言っているかはわからない。

 

-異言語:鬼語を検知。構築を開始します。-

 

 本が勝手に仕事を始める。たぶん他とかぶらないからなのだろうけどちょっとだけ納得いかない。少なくとも彼?から情報を得るのは難しそうなので隠れたままやり過ごす。そう言えば最初に出会った人から普通に会話が出来ていたが、この世界の人間は全員同じ言葉で話しているのだろうか。森ゴブリンがいなくなった後反対方向に進みながら集落を確認し様子を見る。少し緊張状態のようにも見えるがこんなところで生活していれば常に警戒せざるをえないだろう。一旦遠間に引く事を思考してその場から離れる。

 

「菫は交易がどの方向から来ているか把握しているかい?」

 

「集落の北側。私達が来た方向のほぼ反対側に轍の跡を確認しています。」

 

 僕の質問に菫は速やかに答える。轍のある道をさかのぼってみるかと思った頃に鬼語の構築が完了する。

 

「言語構築が終わったか。予定を変更して菫には集落に行ってもらってもう少し詳しい情報を集めてもらおう。僕らは轍の道をさかのぼってもう少し調べてみる。」

 

 菫は頷いて気配を殺しながら集落の方へ移動する。僕らはその姿を見送ってから移動を開始する。だいぶ集落から離れた所で轍の様子を見てみる。何本もの轍の跡が見られ何度か往復していることが伺える。森の土がガチガチに固まっていない所をみると長期間頻繁に交流があるわけではないのかと思わせる。ただ草も木も生い茂る森の中で比較的なだらかな直線で道が構成されているのが気になる。密集しすぎている森ではないが遠くを見ようとすればそこそこの距離で木に視線を止められる。その道の上では相当先まで視線を通すことが出来る。道の様子を大体確かめてから茂みに戻って道に沿って移動する。やはり意図的に道が作られているように草も木も無くなっているように思う。考え込みながら移動していると僕達が出している音以外の木がこすれるような音が聞こえてくる。桔梗のことも考慮して道を監視できる茂みに移動して待機する。十分と少したったころ、森の暗がりの奥から荷台が三台ほどガタガタ音を立てながらやってくる。遠目にみると荷台だけが動いているようにみえたがすぐに引いているものの正体に気がつく。ここで僕は自分が管理しているミーバ以外のミーバを見ることになった。

 

「明らかに他の選定者のミーバ・・だよね?」

 

 小声で桔梗に確認するとうんうんとうなずく。現在管理している桔梗も指示した覚えもない存在ということになる。脳内マップを確認すると僕が管理するミーバ以外である為か橙色のマーカーが動いているのが分かる。観察者に対して中立の意味を示すがこの色は姿を見せると比較的敵対しやすい。攻撃的中立と判断している。多くの雑食野生動物にも見られる。ゲーム的に見たらサーチ&デストロイでもいいんだけど・・・あのミーバの管理者を確認しないことには悪戯に敵対するのは無駄な労力になる。防具として革鎧らしいものを着込んでいるのが分かる。赤と黄色の混成である。というか何の為に荷台を引いているのか。ミーバなら大抵のものは収納できるだろうに。そう思いながら輸送隊をやり過ごして見つからないように集落近くに戻るルートを取る。利用している道からしても森ゴブリンの集落に行くことはほぼ確定であるからだ。集落にある程度近づいた所で桔梗に菫を呼び戻してもらう。萌黄の頬が膨らんでいるがそれをつっついてごまかしておく。萌黄に重要な仕事を頼むのはなんとも不安なのだ。許せ。僕の信用のない感情を読み取ったのか萌黄の頬は中々元に戻らない。そうこうしている内に菫が戻ってきて側に控える。

 

「ご指示ということで戻ってきましたが、交易の者が来たせいか集落が盛り上がっていましたね。」

 

 菫が少し残念そうに集落の方を振り返っている。

 

「大体分かってる。僕らが途中でその輸送隊を見かけたからな。知らないミーバが荷台を引いていたよ。」

 

 僕の言葉に菫がふむと考える。

 

「集落に足りないのはおそらく食料。それと木材と薬草を交換しているんじゃないかと思うけど。」

 

「それで集落の開けた所に木材が準備されていたのですね。他にも毛皮、骨、なんらかの植物を確認しました。」

 

 僕の予想を菫が見た情報で補完する。

 

「輸送隊の帰りを菫に追いかけてもらおうと思う。基本交戦は無しの方向で。相手の位置と規模、そして選定者の種族を確認したい。」

 

「かしこまりました。あと集落の様子ですが・・・」

 

 僕の指示を聞き、輸送隊が引き返す前に集落で見聞きしたことを話し始める。全体的に食糧難であること、若い雄が少なくけが人が見られ、雌比率が多いことから最近大きな集団戦があって敗北したか辛勝だったかと思われること。もしかしたら交易相手かもしれないし、また交易相手に助けられたのかもしれない。僕らが片足を吹き飛ばしてしまった森ゴブリンが保護されており森の外へ出ることを警戒しており食料が減っているということ。きのこ等山菜の備蓄も僅かでおそらくこの交易がなければかなり苦しい状態であることが伺えること。

 

「そうするとちょっと悪いことしたなと思わなくはないけど・・・」

 

 僕は少しだけ同情するがゴブリンが敵性存在という先入観から保護するまでのものでもないかなとは思ってしまう。菫の話を聞いている内に輸送隊が移動を始めたので、僕はよろしくと声をかけて菫を送り出す。これ以上ばれずに調べるのは大変だしリスクも大きいので残留組はそのまま拠点に戻ることにする。変える前に遠目に一匹だけ鑑定目的で視認し続ける。

 

 成年森ゴブリン 283/283

 

 召喚された当時の僕なら絶望する数字ではあるけど、正直今の能力なら苦労することもなさそうである。装備環境からしても防御が百に至っているかも怪しい。当面の驚異ではないと認識してそのまま拠点に引き返す。帰り道に携帯食をつまみながら昼過ぎに拠点に着き残りの時間は訓練に充てる。

 

 翌日ミーバ軍の編成するのに数を確認する。

 

 木183000布278200石351000金属384200魔石2000燃料200000食料103700財貨23200

 中級拠点1 畑49 麻畑36

 木材大型6 布大型6 石材大型8  金属大型8 食料大型4 燃料大型4 財貨大型2

 細工所1 木工所1 石材所1 金属加工所1 魔導構成所2 

 戦士訓練所1 弓兵訓練所1 騎馬訓練所1 魔術師養成所1

 教会1 鍛錬所1 学問所1 溶鉱炉1

 錬金術研究所1 軍事研究所1 魔法研究所1

 M型226 C型220 Y型826 B型69

 

 想定よりだいぶミーバが増えているきがする。桔梗に聞いてみる。

 

「以前のように食料を外に出していませんので全力で増産にまわしています。現在は日に拠点製造限界の200体と追加100体で増強しています。」

 

 日に13万もミーバに使うわけだが十分食料供給がおいついているのか・・・これは編成が大変だな。Y型の構築を素材収集に必要な分だけとして他のミーバも均等に振り分けて構築するように指示する。Y型が悪いわけではないが重装兵として使い潰すことを前提にはしたくはない。B型は医療術師にして各研究所に少しでも時間の短縮になればと二十体ずつ入れてしまう。畑が八十五枚で二百五十五体。四百体を露天掘りに入れて、六十体を伐採に回す。弓兵は研究用にM型を五十体だけ編成し長距離は銃兵に任せる方針にする。重装兵用に足止めスキルを検索しつつ、Y型は重装兵の予定で進める。M型は軽装兵と軽装騎兵で半々に構成する。C型は現状役割が多いので多めに構成所で構築してもらう方向にして、急襲斥候兵を四、魔術師三、医療術師一、戦術師二の割合で割り振る。伝令斥候騎兵の役割を隠れやすい急襲斥候兵に担ってもらうことにする。B型は銃兵と医療術師で研究員を除いて半々に分ける。重装兵を足止め、防御展開し、軽装兵、軽装騎兵で撹乱補助。急襲斥候兵を連絡役と搦め手に。銃兵と魔術師を攻撃に据えて、一部の魔術師、戦術師、医療術師を防御と後方補助に回す。方針が決まったらあとは素材集めと装備制作に取り掛かる。僕自体は基本訓練で、桔梗は拠点で生産管理、萌黄には拠点の警備と軽装騎兵をつれて周辺の生態調査と討伐を行ってもらう。

 

 翌日昼前に菫が帰還する。特に怪我もなく一安心である。

 

「ただいま帰還致しました。」

 

 ニコニコしながら報告してくる菫の無事を喜びながら撫でておく。

 

「輸送隊の帰還先は想定通りこちらと同じような拠点でした。規模としては四百体くらいでしょうか。それほど大きな拠点では有りませんでした。おそらく下級拠点ではあろうかと思いますが。長は戦闘系のコボルトであるようです。頻繁に共をつれて外に出て狩りを行っています。やり方の違いかもしれませんがご主人さまほど拠点の発展が行われていないように思えました。」

 

 僕は菫の報告を聞いて少し考える。実は死んで復活したばかりで拠点を発展中の可能性もある。もしくは周辺生物が凶悪で拠点を広げること事態にリスクが有る場合。ゲームと違って敵対選定者以外の第三者のほうがよほど厄介で強力な世界であるがゆえに、下手にそれらに睨まれるとひどい目に合うというのは自分で実証済みである。

 

「ミーバの武装がそれほど強力でなく一部鉄器と多くの骨を用いた武器が見られました。防具は革が中心でした。」

 

 ヴィルバンが驚異に思っていた具合と、そして報告されたコボルト達の武装。僕はおそらくこの盤面の中では異質な速度で進化させているのではないかと推察する。もう少し様子を見てみないと確定とはいえないが状況がそうだと言っている気がする。

 

「菫の疑問も最もかもしれないけど、おそらく僕らが異質だと考えたほうが良さそうだ。コボルトはたぶん脅威足り得ない。」

 

 脅威足り得ないならさっと駆逐するか共闘するか。盤面の意義を考えたら共闘の意味は少ないかもしれないが、同盟していおくことは今後大きな意味を持つかもしれない。正直駆逐するなら一瞬で済みそうなのでこちらの戦力を整え、出撃と防衛が出来る程度になったら平和的(・・・)に会いに行ってみよう。


「こちらの準備の具合次第でまた偵察に行ってもらおう。おそらくは問題ないと思われるので森ゴブリンに情報が漏れないように注意しながらこちらの戦力を整える。」

 

 菫には森ゴブリンがこちらに来る必要がないように森の資源の誘導や最悪好奇心の高い探索者の討伐をお願いする。こちらの情報が漏れないようにするのは短期間でいい。整ってしまえば見つかったところ脅威足り得ないのだから。僕は見つけた選定者をどうするか考えながら手駒を整理し進める。

最初の選定者との遭遇になります。地元民から手痛い打撃を受けてはいますが、相手が思いの外弱そうだったのでちょっぴり余裕、油断といった具合です。


紺野遊一郎 グループなし 戦術師Ⅳ

 STR:233[↑7] VIT:285[↑15] DEX:307[↑22]

 INT:297[↑34] WIZ:312[↑27] MND:302[↑22] LUK:11

 MV:9 ACT:1.3|1 Load:801 SPR:625

 HP:690 MP:723 ATK:406+97|418/1105 MATK:677+346 DEF:131+116 MDEF:140+96

 スキル:木造建築、貴石研磨、装飾品作成、皮革加工、魔獣皮革加工、髭加工

     騎乗Ⅳ、強行Ⅳ、隠密Ⅱ

     魔法陣作成、魔導変換、魔法物質化、魔石加工、魔石付与、魔力付与

     弓Ⅱ、軽盾Ⅱ、銃Ⅳ、体術Ⅳ、貫通撃Ⅰ、貫通射撃Ⅳ

     攻勢魔術Ⅲ、守勢魔術Ⅳ、強化術Ⅳ、回復術Ⅲ

     条件発動Ⅲ、並列発動Ⅱ、詠唱短縮Ⅳ、消費軽減Ⅳ、貫通術Ⅳ

    (剣Ⅲ、軽盾Ⅳ、守勢魔術Ⅳ、強化術Ⅴ、回復術Ⅲ)

 装備:冷石剣、冷魔式狙撃銃、冷式ショットガンS、龍眼魔法増幅腕防具、龍布防具、龍鱗鎧、真銀円盾

 特典アビリティ:本

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