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俺、眺める。

 「野は枯れ、森も消え、天の炎は大地を焦がす。」

 

 萌黄の語りに魔力が乗り声が地声から周辺に響くナレーションのように変っていく。剣奴の英雄譚は物語としては『名前だけなら知ってる』というくらいの概要だけが有名なこの世界における古典の物語である。当時は人気があったのか途中が若干違う改編、作者の違う模倣、派生などを多く生み出している。物語をなぞらせるせて役を奪い合うこの《人形劇》というスキルにおいて相手に知られていると言うことは不利な点ではあるが、名があるということがスキルに力も与える。この物語はどのオチに行くか誘導出来る点で採用され、俺や菫、蘇芳のような単騎で戦える一体を超強化するのが目的である。数ある話も始まりは概ね同じ、干ばつにより強くも無い少年がしかたなく家族に売られてしまう。売られた先は数あれど行き着く先は虐殺を見世物とする闘技場である。

 

『力も無く見目麗しくも無い子供の行く先では最も過酷な終端の地』

 

 劇の途中で段階的に役割に応じたバフ、デバフを発生し、そのバフを奪い合うのがこの能力の骨子である。ここで発生する強化バフを受け取るのは「萌黄以外の肉体的弱者」である。肉体的弱者を計るのは肉体的なステータスの総合値である。今回選ばれるのは死霊になる。本来ならクロも選出なのだが「強者の庇護下」にあることで対象から除外されている。瘴気がいくらか強化されるが今のところ問題はない。なぜか強化されて死霊も困惑しているだろう。最序盤で逃げられなければもう劇の虜になるしかない。

 

「これより哀れな子供と殺人鬼の決闘を執り行う。」

 

 俺は大声で叫ぶ。こう宣言することで劇中の「王」という役割を得る。攻撃的なバフは得られないが「子供」に対して絶対的な防御力を得る。「王」が庇護する「観戦者」にも類似のバフを与える。そして宣言に合わせて萌黄が大型の人形を出し「殺人鬼」としての役割を負わせる。二足歩行で相手より大きければ強さは関係なく役割を負わせられる。この役割は身体的能力に強化を得るが持続的にダメージを負う。そして前回バフを得て、何もしていない死霊が「子供」に割り振られる。幸運値に大きな強化が成される。前の段階で役割を得た場合、役割を不適合に出来るような動きが無ければそのまま役割を受け継ぐ場合が多い。まぁ動かない事が不適合になる場合もあるので何もしないことを徹底されると本来困るが、今回の用途であればさほど問題は無い。「子供」と「殺人鬼」を囲うように結界が展開される。一時的な捕縛の完成である。結界は「闘技場」という役割により発生したものであり、決闘を行う者達はここから出ることが出来ない。萌黄があらかじめ指示を出した人形がのそのそ動き「闘技場」の外で結界柱を立て始める。これは役割外の行動である。囲われた事でようやく嵌められた事に気がついたのか瘴気が更に澱み、動く。毒を飲まされ苦しむ殺人鬼が勝者となるべく血眼になって子供に襲いかかる。子供は持たされた鋭利なナイフを投げだし恐怖で逃げ回る。そんな場面である。萌黄が操る殺人鬼は萌黄の直感に導かれ死霊を追う。死霊は闘技場の外壁に沿って動くが、その行為が逆に役割としての存在を強化する。

 

「そんなに逃げ回ってどうすんだ?」

 

「その声は・・・貴様の仕業かっ。」

 

 瘴気の濃さが近寄ってきたのであえて声をかけてやる。戦いに変化があったことで何かを感じ取っていた死霊がなお激昂する。その声に向かって死霊は攻撃を放ったのだろうが闘技場の壁に攻撃を阻まれる。

 

「私に攻撃を仕掛ける勇気は買ってやるが・・・今のお前のはあいつだ。」

 

 俺は役割に則って戦いには手を出さず言葉だけで誘導する。

 

「あー、そうだな。お前の名を聞いておこう。慰霊碑に刻んでおかなければならんのでな。」

 

「そこに名を刻むのは貴様だっ。」

 

 あわよくばと死霊に声をかけたが、その甲斐も無く死霊は少し先に語りそうな事を叫びながら迫り来る大きな人形に対して攻撃を放った。

 

「ちょ、ちょっとドキドキしました。」

 

 神谷さんが大きく息を吐く。

 

「期待していた手はこれですか?」

 

 クロがつまらなそうに聞く。

 

「あれで答えたらそれはそれで話が早かったけどな。流石に・・・」

 

 萌黄の人形にさほど耐久力が無かったのか殺人鬼は二度棍棒を振り回し死霊に叩きつけた後死霊の反撃により崩れ去った。

 

「おお、まさかの番狂わせ。お前の次の戦いもそうであると良いな。此度の褒美を受け取るがいい。」

 

 俺は小馬鹿にするように拍手しながら声をかける。

 

「何を仕掛けているかしらんが呪術の類いか。この強化も舞台も貴様の手なのだな。」

 

 死霊も何か仕掛けられていることに気がつくがもう手遅れの段階だ。英雄たる子供が王にくらいつくのはまだ先の話。死霊がどんなに命を捨てて闘技場を越えても子供と王の間には隔絶した防御差が発生している。

 

「次はそうだな・・・荒ぶる獅子を放て。」

 

 萌黄が収納から四足の絡繰り獣を捕りだし走らせる。死霊も動き出し霧の中から喧噪だけが聞える。喧噪がやめば俺はまた次の駒を指定する。萌黄がそれを送り出し、死霊がそれを倒す。その間に結界柱の設置は進んでいく。

 

「それにしても気がついていたようですがすんなりはまりましたね。」

 

 クロが少し疑問に感じて声に出す。

 

「勝てば強くなると同時に徐々に戦意が高揚していくからな。ヤツの瘴気と同じだ。バフと思って受け入れれば過度にハイテンションになって冷静さを奪われる。」

 

 八度目の挑戦者を倒されまた結界内が静かになる。

 

「行くか。」

 

「え?」

 

 俺が一歩前に踏み出し障壁を越えて進む。神谷さんが疑問に満ちた声を上げる。

 

「あと少しで結界柱が建ち終わる。俺は王としてヤツに対峙する。神聖結界を張ったら後は任せる。」

 

「えぇ?」

 

 神谷さんが驚く。あまり強化しすぎると俺が相手しても面倒なヤツになってしまう。片手間に相手できる程度で収めて対峙し時間を稼ぐ必要が出てきた。

 

「よくぞここまで生き延びた。すぐに死ぬと疑わなかったがお前にはどうやら才があるようだ。我が配下になり我が力となって働くが良い。」

 

「ふざけるなぁ。」

 

 俺もそう思う。しかし役割上仕方ないじゃんよ。どんな話でも悪役たる貴族はろくでもない奴しかいない。死霊は強化を受け、俺は弱体化を受ける。それでも一周も二周も高かった俺のステータスは死霊に追い抜かれる事は無い。俺は盾を出して死霊の攻撃を弾く。

 

「もう一度チャンスをやろう。我が軍門に降れ。」

 

「大人しく引っ込んでいれば良かったものを、のこのこ降りてきた自分の浅慮を悔やめぇ。」

 

 死霊の行動も物語の期待を裏切らない。ここから相手が有利であるように間を引き延ばしながら戦う。相手を圧倒すると追加で強化されてしまうからだ。それでも剣奴の英雄となった死霊は徐々に強化されあまりにも引き延ばすと余裕が無くなってくる。しかしそれも織込んで俺は降りてきている。剣を振り死霊の動きを制限し、盾で押しやりながら一進一退を演出する。

 

「ここに来て時間稼ぎとはどういうつもりだ。」

 

 前回圧倒しすぎていただけにのらりくらりでは一瞬でばれる。死霊を強化しているのも俺達の仕業と理解しつつ、勝ち筋の一つとして受け入れている。

 

「お前に勝つためさ。」

 

 予測した時間が過ぎ俺は役割を捨てる。クロの放つ浄化が瘴気を打ち払う。

 

「させるかっ。」

 

 死霊が浄化された空間を染め返すように瘴気を吹き出す。予定と違う行動に俺も少し驚いているが、澄んだ空気の中からあふれ出る瘴気を魔力の塊で吹き飛ばし霧散させる。死霊はそれでも更に体内から莫大な瘴気をあふれ出させる。流石にそれを即座に吹き飛ばすのは難しく、俺は弓を構え消し去るつもりで弦をつまむ。

 

-神の名の元、一切の不浄を許さず、全ての悪を否定する-

 

 なんか遅いと思ったら結界のランクを上げたのか。どんだけ死霊が嫌いなの。神の断ずる悪を排除し、神の定める不浄を消し去る。あがめる神の理想状態に作り替える、結界を越える創世魔法。

 

【至高天】

 

 立てた柱が共鳴しその内部を明るい光が包み込む。寒くも暑くも無い守られた温もり、枯れ果てた大地は若草に覆われ柔らかな姿へと変える。

 

「やりすぎだろ。」

 

 こちらに歩いてくる神谷さんの気配を感じて声をかける。

 

「クロが浄化を受け持ってくれるって言うから、はりきっちゃった。」

 

 防術聖としての術式を《借受》てそのまま展開したらしい。光の中で瘴気が即座に浄化されていく。神聖結界で閉じ込めるどころか、ここにいる限り常に浄化し続ける。俺は解呪を使用して周辺の濃霧を解除する。光の中から小さな闇が現れては消え、現れては消えと繰り返している。

 

「んー、なんだ・・・」

 

「やりすぎちゃったねっ、えへ。」

 

 交渉もしくは殴ってでも情報を引き出す方向性だったはずだがこの状態では話も聞けないのではなかろうか。テヘってる場合ではない。

 

「しかし、この状態でも消滅しないとは・・・本当に悪霊なのかと疑いますね。」

 

 クロが小さな闇を見つめてつぶやく。

 

「消滅して瘴気を吹いてるから少なくとも神谷さんにとって浄化対象であることには変らないけど。これでも倒せないってのは中々・・・。」

 

 秒で死に秒で復活する。そんなことを延々と繰り返しているのだ。

 

「これも一種の封印と言えなくもないのですが・・・」

 

「そもそもこの状態が長く維持できないからね。」

 

 流石の神谷さんでもこんな大がかりな改変魔法を一日維持するのもぎりぎりだろう。それでは死亡条件に該当する封印とは見なされない。ここからどうするか解決しない話をしていると、ピシピシと何かがはじけるような感覚を肌に受ける。

 

「まじか。」

 

「そんな・・・」

 

 そこに無限の存在がいるということがどれだけ世界に負担をかけているのか全く考慮に入れていなかった。かつて見た絶断された世界の裏側が小さな闇を中心にひび割れていく。システムのバグが疑似とはいえ神の世界を凌駕していく。その魔法がシステムによって成り立っているなら、そのバグがシステムの()を行くのは当然だったのかもしれない。

 

「全員分散しろ。まとめて倒れたらしゃれにならん。」

 

 その声で皆が走り出した。

 

「遊一郎さん・・は?」

 

「押さえる。」

 

 厚みを現さない闇から立体的な闇が吹き出る。

 

「キサマラハ」

 

 闇が形を取りながら音を紡ぐ。

 

「我々ヲ悪ト断ジ」

 

 巨大な球体を型取り。

 

「貴様らを喰らう我らを悪とするなら。」

 

 球体が収縮しながら人型をかたどり始める。

 

「他者を、我らを奪う貴様らも悪。」

 

 揺らめく人影から無造作に拳が放たれるのを俺は素早く回避する。

 

「そうさ。俺達は奪う側だ。正義と言った覚えもないし、正義の対が悪と高らかに謳うつもりも無い。」

 

 俺は答える。伸びた拳の先からさらに拳が生えて俺を襲う。反射的に腕で防ぐがぶつかった腕から生命力を吸われていく。冷たくなる腕で拳を振り払い腕を治療しつつ、闇の拳を《白炎》で焼く。厚みの見えない影が蒼い炎を上げて燃えながらちりぢりになっていく。

 

「「ならば生き残るのはより強い悪。」」

 

 声と想いが重なり人型の影から無数の手が俺達を同時に襲う。

 

「萌黄は引け、相性が悪すぎる。」

 

「ああ・・うう。はいぃ。」

 

 俺は萌黄に撤退を促す。萌黄は万能だが有限である。近くにいることで危機回避しやすくなるが、非実体には手数がぐっと減ってしまう。俺がやられる算段が無いうちは萌黄だけが一方的に狩られ兼ねない。最後まで付き合わせてやりたいが、ここは引かせる。萌黄もわずかな躊躇で対霊体武装を一気に展開し即座に撤退する。自分が残ることが足手まといになることを一番理解していることに他ならない。障壁を逆に抱え混むように俺達を閉じ込めるかのように闇の手が間断なく俺達を襲う。多少は人形劇の強化が残っているのかもしれないがしばらく受け流す分にはさほど問題ない。死霊に特攻がある神谷さんのほうが守るだけならたやすい。クロとユウと一緒に固まっているのが若干不安だが組み合わせ的に仕方が無い。黒い触腕に対処していると突如闇の中に無数の目が現れる。

 

「げ。」

 

 思わず声が出た。目が瞬きすればフラッシュを焚かれたかのような明滅感のイメージと共に呪いの護符を二枚破損させられる。当然のように呪いのを放ってきた。神谷さん達も同じようだった。ただ来ると分っていれば彼女は対処出来るはずだ。問題は俺だが。俺はより積極的に腕を破壊し始める。伸びる腕を接近前から消し去っていく。銃で、弓矢で、剣で。

 

「朱鷺!金糸雀!顕現しろっ。」

 

 浮いていた剣と盾が少し離れて実体を持ち始める。

 

「おそうございますよ。」

 

「ほんにもう、ねぇ。」

 

 手数を増やすために短時間ながらも朱鷺と金糸雀を呼び出す。彼女らの剣と短剣が踊るように闇を削り始める。防御陣が完成した神谷さんも闇を駆逐し始める。じれた闇の人型の腹に目が現れる。

 

「おいたはいけませんえ。」


 金糸雀が塔盾で目線を遮り呪いを不成立させる。しかし有限とも思えぬ触腕の数にいずれ追いつかなくなることは目に見えていた。

 

(どうする?)

 

 処理に手がいっぱいで思考まで回せない。死霊もそうなのかにじり寄るように動き出す。そして走り出す。触腕の数は減ったが動きが不規則になり出所が読みづらくなる。金糸雀が盾を飛ばし呪いの目線を警戒する。金糸雀が守勢に入ったことで手数は落ちたが問題はなかった。触腕に加えて闇がこぼれるように飛んでくる。触れれば命を奪われる性能は変らないようで大地の若芽を瞬く間に枯死させていく。なおかつ闇がうごめいて無くなるまでしばらく時間がかかる。こちらの移動も制限され始める。お互いが縦横無尽に動き条件が悪くなったその瞬間に呪いの視線が放たれ朱鷺とクロのHPが奪われる。

 

「えげつな・・・」

 

「ご主人様。私はどうでもいいですが・・・どちらにせよ稼働限界が遠くありません。決め手が無ければ・・・」

 

 朱鷺が俺の側に来て助言を求める。

 

「流石に対処しきれん。逃げ道を作るくらいか・・・」

 

 視線防御ように濃霧を展開しようとしたが死霊もこの呪いにかけているのか濃霧の発生を無理矢理にでも押さえ込みにかかっている。今から展開するのは難しそうだ。周囲に残っていた霧でさえも闇が食い散らかしている。

 

「お前をお前をおままままま。」

 

 重なり合う死霊の声が大きな決意を感じさせる。相手も無理をしているには違いないようだ。

 

「金糸雀、止めろ!」

 

「無茶を承知ですぇ。」

 

 金糸雀が盾を、鞭を短剣を飛び回らさせて死霊の動きを封じ込める。 

 

-六、十複合 成仏-

 

 非実体に効果の高い六技と絶対攻撃の十技を複合させて放つ。闇の人型の足を残し綺麗に消し去る。

 

「お先ですえぇぇ~」

 

 金糸雀が蓄積魔力を使い切って盾に戻る。そんな状態で作った時間もわずかなうちに修復されていく。それでもそれが元の完全な状態にになるまでは時間がかかる。連続で六技轟咆を放ちながら時間を稼ぐ。手を、手段を導くために。しかし思いつかないまま死霊がまた闇の塊となり周囲を舞う。闇が手を伸ばし弓を構えた俺に飛来する。

 

「なめんなっ。」

 

 速射に轟咆。触腕を消し去るが本体までは削りきれない。黒い塊が近づく前に神谷さんからの支援である壁が闇を受け止める。

 

「急がないでっ。」

 

 神谷さんが叫ぶ。いやいや、流石にもたん。急ぎたくもなる。加速しながら突撃に切り替えてきた死霊を神谷さんが時折壁を出しながら防いでいく。

 

「正面放って。」

 

 神谷さんの声に従って来るかどうかも分らない正面に轟咆を重ねる。しかし死霊の闇は左側面から飛んでくる。闇から現れる視線が俺の動きを止める。

 

「堕ちろぉぉぅぅぅ」

 

 死霊の奇妙な声と同時に闇の塊が大きな口を開く。絶妙な角度をつけた神谷さんの壁が死霊を弾き飛ばす。舞い上がった死霊を神谷さんが光を放って削る。外側から順に削っていく。死霊は細く鋭利な棘となり上から俺を襲う。小さくなったなら一度リセットすべく弓を構えて放つ。現れた闇が轟咆を散らし、棘は俺に迫り来る。ミスったと思った瞬間には目の前に壁が宙に現れる。支えの無い壁は押しつぶされると回避するように飛ぶ。

 

「ゼゼフィルスルス?」

 

 死霊が突如意味不明な言葉を紡ぐ。お互い意味不明な言葉に空虚な瞬間が訪れる。

 

-汝ゼフィルス、我が神の名においてその罪を悔い改めるまで悠久の時の狭間へと落とす-

 

 神谷さんの静かに響く声と共に死霊を指さした時、死霊は世界から姿を消した。突然すぎた現象とオチに俺は呆けたまま神谷さんを見た。神谷さんは真剣な表情で、その後大きなため息をついてにっこり笑いながら親指を立てた拳を出した。クロなんかはそんなことでなどと悩ましい顔をしている。激戦とも言える死を覚悟した戦いがよく分らない形で終わったことが妙に胸のなかでもやもやしていた。しかし、先が無いと思っていた戦いが無事終わったことに安堵したのも事実だった。俺は神谷さんに合わせるように親指を立てて拳を突き出した。突然始まった戦いは、当事者である神谷さんの機転をもって突然終了したのだった。

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