鶴の恩返しのぱろでぃ
なんだか、胸糞悪い話になってしまった。そう言うのは好きじゃないのに。
簡単に読めるようにめっちゃ端折りました。
鶴を助けた心優しいお爺さんは、決して戸を開けず、綺麗な織物を作ってくれる心優しき鶴に日々感謝をしながら生活を続けました。高値で売れる精巧な織物はたちまち村中に広まってゆきました。生活はとても豊かになりました。鶴は、お爺さんとお婆さんの優しさに触れ、ずっとここで住みたいと思っていきました。
お爺さんとお婆さんはどんどんお金が貯まっていきました。その為、二人は、お金で困っている人たちに貸してあげたりしていました。その姿を見た鶴は、お爺さんから始まった恩が私の恩に繋がって、私のあげた恩が色んな人に広がっていくように感じて、とても嬉しくなりました。しかし、世の中は不穏な空気が立ち込め始めました。
そんな事など知らない鶴は織物に強いやりがいを抱き、日々お爺さん達の為に頑張って織っていきました。そんなある日の事、噂を嗅ぎつけた一人の男が山を一つ越えた大きな村からやってきました。なんとも、恩を仇で返された可哀想な男であった。恩というものを大事にするお爺さんにとってなんともプンスカプンプンな内容で、同情したお爺さんはお金をあげました。それも大金です。男は何度も頭を下げました。
「この恩は必ずや」
そう言って帰っていきました。
お爺さんは晩秋の空を見上げ、全てを見守るお月様を見つめました。鶴は織物を見つめていました。
そして、大金をこしらえて村に帰った男は、村一番に発展している織物生産工場に話を持ちかけていました。工場長は志の高い人で、異国の織物機を欲しがっていました。しかし、異国の織物機は大変高価であったため、とにかくお金を集めていました。そして、そんな人に大金をこしらえた人がなんだか話を持ちかけている。工場長は大歓迎でした。
「お金を貸します。その代わり、二割増やして返して下さい」
工場長は異国の織物機という未知の可能性への好奇心からこの話を受け入れました。
一方、お爺さん達はと言うと、お金を貸した人達が姿を見せなくなりました。お爺さんはショックを受けました。バサバサと一生懸命に織物を織っている音が部屋を包み込みます。
お爺さんは、自分を責め、自らの行いを反省しました。
その後、織物機がやってきました。とんでもない速さで織物が織れることを目の当たりにした工場長は両手両足をバタバタさせて喜びました。
そこからは生産性がとても高くなり、村の人たちは色んな布製品を使うことができて豊かになりました。工場長は借りたお金を返す為、製品の値段を少し高く売りましたが、今までにない布製品に買ってくれる人は沢山いました。
そして、なんとかお金を返すことができました。
お金を返してもらった男は、村二番の農家にお金を貸しました。そこでも二割増しで返すのが条件でした。村二番の農家さんはずっと一番になりたかったのでその条件をのみ、大金を手にしました。借りたお金で農地を拡大し、機械を導入しました。効率が良くなって安価での大量生産が可能になりました。ずっと二番だった農家はあっという間に一番になっていました。ですが、借りたお金を返さないとならないので利益を高める為に、高い値段で売りました。それでも買う人はいました。
そして、月日は流れ、やっと返すことができました。しかし、他人の土地を借りて農地拡大をしたので月々のお金がかかることや、機械の整備などに定期的にお金が必要になりました。
そして、お金を返してもらった男はかつて村一番の農家であった人にお金を貸しに行きました。そこでも同じ条件を出し、農家は承諾しました。
その後、すべての物の値段が上がり始めました。ほとんどの人達がお金を借り、目まぐるしい発展を見せる一方、乗り遅れる人々はお金を借りてこの流れについて行くか、この村を出て行く道しか、わからなくなっていきました。
男はその後、自身の会社を作り、この手の話をあらゆる人に持ちかけ、お金を稼いでいきました。
村は強制的に発展し、豊かになりましたが、足音がやけに聞こえる賑やかな村にもなりました。
ある日の事、男は大金を持ってお爺さんのもとへ向かいました。お爺さんに恩返しとして、以前もらったお金を二割増でプレゼントしました。お爺さんはびっくりした表情を浮かべ、どうしてこんなにお金を持っているのか聞きました。そして、男は包み隠さず教えました。
「人に恩を売って、お金を稼ぐのです。相手からの恩返しの際に少しばかり増やして返してもらいますが、恩を売っているのですからそのくらいは...」
「それに、経済は発展するし、暮らしは豊かになるし、良いこと尽くめですよ。」
お爺さんは鶴さんに恩返しが出来るかもしれないと思い、この村でもやってみることにしました。
お爺さんは鶴さんに大金をこしらえ、鶴さんの前にサプライズで見せてあげました。
今までの自分のお金の使い方を恥じ、考え、なによりも鶴さんに恩返しがしたいと言う気持ちが形になった物でした。
「もう織物なんて織らなくていいよ。もう隣の村で大量に作られているから。今までありがとう。これからはこの大金で楽しく暮らそう。君の稼いだお金で恩を売る事で、織物よりずっと楽にお金が稼げるんだ」
お爺さんは労いの言葉を語りかけました。
鶴はその大金を前に、視線を下にし、ひび割れた指を眺め、作りかけの織物を眺め、そしてこう言いました。
「なんか、よくわからないけど、腹立つ...」
すると、お爺さん達の前で本当の姿になり、どこかへ飛んでゆきました。
飛んでゆく鶴の姿を見て、お爺さんは飛行機の着想を得ました。
お爺さんは鶴の気持ちが理解できませんでした。
お爺さんは恩返しに失敗してしまいました。
その頃、お婆さんは十三匹の犬とドックランで遊んでいました。
うーん。やっぱ小説書くのむずかしい。