変面の里
本部長「ここの所毎日のように変面を装って
いたずら手紙が本部へ来る。私には特別な
情報源があるのでこれは間違いない」
出羽「そうですか。しかし公表できないとなると、
やはり私と亀山とが張り込むしかありませんな」
本部長「そうだ。申し訳ないができるだけ
応援はするから探ってみてくれ」
出羽「は、了解しました」
本部長「ところで広隆寺のほうは?」
亀山、手帳をめくり、
亀山「広隆寺の国宝はこのままなら文化庁が再建する
そうです。来年の今頃には新しい半跏像が
安置されているかもしれません」
本部長「変面はどうやって仏像を金に変えるんやろな?」
出羽と亀山、顔を見合わせてうなづく。
○原田のアパート、内
6人が地図を広げている。
山本「去年の祇園祭の32台の山車の位置を
示した地図と作業日程だ」
高田「ぎょうさんあるんやねえ?」
原田「各町内で1基。釘を1本も使わずに、
約1ヶ月で組み立てる」
高田「京都に住んでてちっとも知らなんだわ」
木村「四条通の大丸前にあるのがひと際大きな長刀鉾」
山本「この緞子、鉾、山車、雅楽。
全てが国宝だ」
木村「祇園祭は実は7月1日から始まってて、
山鉾巡行が15日」
高田「その前の日が宵山。その又前の日が宵宵山。
夜店と人とコンチキチンで一杯。浴衣浴衣浴衣!」
4人浮かれている。
山本と原田、神妙な顔で、
山本「どうやってこの長刀鉾を?」
原田「消すというんやろか?」
○イメージカット
宵山の風景。
長刀鉾が見える。
○イメージカット
静かな山奥の景色。
○山奥の峠
『変面の里』の矢印と標識が見える。
横に地蔵がある。
○山間の盆地
川が流れている。
変面一味が作業をしている。
大型クレーンが見える。
○同、建て屋、内
3階建てくらいの建屋で変面一味が、
変面オリジナルの山車を作っている。
長刀部分は変面人形である