母が亡くなった日のこと
落ち着いてきたのでお店を始める前に人生の区切りとして書きます。
母の最期の日
その日は夕方来客があった。
話しに花が咲いて終わるタイミングが分からずその方が帰られたのは17時30分を過ぎていた。
その日はそれで予約が最後だったのでお店の片付けをしてふとスマホに目をやった。
約20件の着信
母の入院している病院からだった。
お店からの帰路
未だ走れない足を少しでも早く歩こうと道中を急ぐ。
合間に病院に電話した。
「すみません仕事で電話出ること出来ませんでした。なにかありましたか?」
ここ数週間は胃瘻の問題や次の施設の受け入れ先などでほぼ毎日病院とやり取りしていたのできっと施設の受け入れ先が見つかり急遽サインが必要なんだろうと考えていた。
「お母さんの容態が急変し恐らくもう保ちません。今からすぐに病院へ来て下さい」
思ってもみない言葉だった。
僕はすぐに電話を切り最速で病院へ向かう方法を考えた。
とっさに掛けたのは高校からの親友ちょんちゃんだった。
いつも忙しい彼だがその時はすぐに電話に出てくれ母の事を話すと
「今からすぐに向かうから待ってて」
と言ってくれた。
しばらくするとマンションの一階についたちょんちゃんからラインが入りすぐに車へと乗り込んだ。
まだ実感は無くあくまで想像で母との思い出話を車中でしていた。
少し涙が流れるのをマスクで隠した。
病院に入り2人無言のままエレベーターを上がりナースステーションで母の名前を告げると病室へと通された。
ちょんちゃんは気を遣ってくれたのか扉の前で止まった。
一人病室に入った瞬間に聞こえてくるピーっと鳴り続ける心電図の音。
医師に促され母の顔を覗く。
急遽付けられたであろう呼吸器の袋が一向に動かないのを見て母の死を実感した。
途端に抑えられない嗚咽と共に大声を出して泣いた。
医師が
「、、では死亡確認をとります。19時58分心不全の為お亡くなりになられました」
後ろで数人の看護師さんが手を合わせてお辞儀をする
なんとか呼吸を整えて
「ありがとうございました」
と伝えるのが精一杯だった。
「ではゆっくりとお別れをして下さい」
と医師達は病室を後にする。
そのまま扉を開け外で待つちょんちゃんを迎えいれる。
2人でソファに腰掛ける。
未だ心電図は鳴ったままだ。
「なー死んだわーおかんー」
「うーんそやなーお疲れさん大変やったやろ」
「まーまだ実感ないけど、、、まーめちゃ泣いたけどな」
そこからは毎回泊まりにきた時の母の作るご飯の話しになった。
「あれめっちゃうまかったなー焼き飯カレー」
「あーあれなー手が治ったら俺作るわ」
「約束な!」
帰りの車中でも終始思い出話をした。
そのまま涙も出ず実感もわかないまま眠りにつき
夜勤明けで帰宅した優希におばあちゃんの死を報告をした。




