思い出の記憶と愛情
久しぶりに丸一日の休みがあり
母をデイケアーに送り出した後
母の部屋を大掃除する事にした。
部屋を開けると
どこからか拾ってきたであろう
空き缶やペットボトル、タバコの空き箱や
鳩の羽、木の枝…
いろんなゴミが沢山あり
それも1日で溜まるので
すぐにゴミ袋が満タンになる。
全てのゴミを片付けたあと
母の衣類を洗濯機に入れ
散らかったチラシや机の上
タンスの中と掃除をしだしたら
だんだんと止まらなくなってきた。
そこで僕は今まで滅多に開けた事がなかった
引き出しなどを片付け始めた。
芸者さん時代の扇子や香水
新品の財布などが沢山出てきた。
しばらくすると大切そうにくるまれた袋が
出てきて開けてみると
僕の初めて散髪した髪や
今までに抜けた乳歯などが入っていた。
『こんなんとってたんや』
と驚いていると次に大きな宝石箱を見つけた。
興味本位で開けてみると
その中には高級そうなものはひとつも無く
僕が母の誕生日毎にお小遣いを貯めて
プレゼントしていた安物のブローチが
綺麗に並べられていた。
『ずっと大事にしてくれてたんやなぁ』
と感慨深く思った。
だんだんと懐かしい気持ちで掃除と言うより
思い出の品巡りみたいな気分で
探索をしていると
籐の頑丈て大きな箱を見つけた。
中を見てみると
そこには僕の写真や母へ書いた手紙
通知表、無くしてしまったと思っていた
調理師免許の合格証などが
丁寧に保管されていた。
そして今は15歳になる
僕の息子の優希の写真も…。
そこにはずっと仕事が忙しく
どこにも連れて行ってあげられなかった
僕の代わりに母がいろんな所に
遊びに連れ出してくれていた
とても楽しそうな幼い優希が沢山写っていた。
僕は嬉しさと申し訳なさで涙がこぼれた。
そしてより一層母と息子への愛情と
感謝の気持ちを忘れず
なるべくみんな笑顔で居られるように
頑張って行こうと心に誓った。




