とある転移系冒険者の苦悩・・・
ほんと会話主体って言っていいかも。
もう少し、もう少しで・・・自分の型が、書き方が見えそうなんだ・・・
とある冒険者ギルド内の酒場
「あぁ~もうやってられねぇ~」
そう言ってエールを煽る一人の冒険者
「どうしたんだ?」
と、このギルドでよく顔御合わせる馴染みの冒険者の一人が隣に座ってきた。
「うち馬鹿族【馬鹿+家族】共、
ギルドに貯蓄していた新しい装備用の有り金を全部持って行きやがった!」
「はぁ!?ちょっとまて、どうやって持っていくってんだよ?
本人しか出せないだろ?」
「どこからか正規の委任状を手に入れて、それを信じた受付が全部渡したんだよ!
その後の補填も無しだ!」
「マジかよ・・・。」
本来ならギルド側の確認ミスで出るはずの、補填金が発行されなかったのである。
【ギルド側のミスを隠すためである】
「今後の依頼受けるのにも支障が出るし、
今の装備状態で採取のみとか無謀だぞ・・・
馬鹿族のせいで、剣や鎧も修理に出せない。
それにこう公言しやがった!」
「なんって言ったんだ?おめ~の家族。」
「『あんたは、私達二人の奴隷だ。家族の世話をするのが当たり前だろ!
一体誰のおかげでここまで大きくなれたと思ってるんだい!』と、
まあこう言いやがった。
今はもう居ない祖母に育てられた覚えはあるが、母親に育てられた覚えは無い!
まあ、あの馬鹿族含めてだが・・・、勝手に転移でこの世界に連れてこられて、
なれない土地で頑張ってるのにだ。
状況対応できたのは俺だけwあの足で纏い二人は俺に寄生してグータラ生活だ!
そして俺が上位ランクに上がるために稼いだ装備費用も、
自分たちの娯楽に使うと来た・・・」
「お前さん良くそれで生きてこれたな・・・」
「本当に良く、今まで生き抜けてこれたって思うよ。
しかもアイツ等の酷い所は・・・」
胸元の焼印を見せた。
「マジかよ!?そんな事までしやがったのか!?」
「あぁ・・・俺の食事に薬入れ込んで眠らせて、翌朝起きたら胸元にコレだよ。」
そこに押されていた焼印は、隷属印の焼印だった。
「護衛依頼や、討伐依頼でもやらなきゃ厳しいのに、
採取探索だけだぜ・・・此れのせいで・・・
採取探索だけで上位ランクに上がれとも言って来やがる!」
「そりゃ無理だろ!?採取探索だけじゃあ、何年かかると!?」
「それが判ってないんだよ。現場の事なんて理解もしない。
自分達の懐と俺という道具が壊れなければ良いって考えなのさ。」
そう言った後、二杯目のエールを頼むのだった。
「ちなみに、偶然だがな・・・
この隷属の焼印を押した奴に会えたんだけどな・・・
これ死なね~と消えない種類の隷属印らしいんだわ。」
「ちょっと待て!?死なないと消えないって・・・
例えばだが抉り取ってもか・・・」
「焼印を押す際に、特殊な魔法薬と染料を使う事でそうなるらしい・・・
しかも自殺防止機能付きだとよw笑えちまうぜ!」
「いや、笑えないぞ!?」
そしてお互いエールに口を付け、
「まあ、ギルドの1ランク上の依頼を受ける事が出来る仕組みを利用してな、
Cランクの採取を受ける予定だ。」
「その装備でか!?危険すぎる!」
その言葉に驚いた周りが一瞬静かになった。
「本来なら例の件でギルドが補填金をしなければ行けないはずが、
それをしなかったんだ。補填金があればもう少しマシだったんだがな・・・」
「だがそれでも・・・、危険すぎるだろ。」
「まあ場所は近場のヴェルハインド山だが、死ぬことは無いだろw
余程めぐり合わせが悪くない限りはなw」
「まあ、彼処なら何かあっても直ぐに帰っては来れるか・・・」
「明日、行く予定だ。戻ってきたらエールぐらい奢ってくれよw」
「エールじゃなく、刹那の闇夜亭の一番高い飯でも奢ってやるさw」
半月後の冒険者ギルド内にて・・・
「そういえば、在れからあの転移者の兄ちゃん見てないが・・・
どうしてるか知らないか?」
と、エールを飲みながらギルド内のバーにいるバーテンダーに聞いていると・・・
「アンタ、あの子の知り合いかい?あの子なら山で採取中に亡くなったよ・・・」
「亡くなったって・・・え?
なんで採取のはずなのに死ななきゃならないんだ!?」
「出された依頼の場所にたどり着いて、採取していたまではよかったんだ・・・
あんなのが現れるまではね!」
「い・・・一体、何が現れたって言うんだ?」
「アンデッドナイト・・・しかも黒のアンデッドナイトだ・・・」
それを聞き、思わず口に含んだエールを吹き出してしまった。
「な・・・なんでヴェルハインド山にそんな上位のアンデッドナイトが!?
なんで逃げなかったんだ彼奴は!!」
「アタシのパーティーもあの子と同じ依頼を受けたんだけどね。
あの子からどういう事情が有るのかは聞いたさ・・・、
アタシらを逃がすためにあんな装備で殿に出てね。」
「だったら、何で死ななきゃ・・・まさか・・・」
「そのまさかだよ。
あの子に付けられた隷属紋は死なないと・・・
消えない種類だってね・・・。」
「だが彼奴・・・、自殺はできないって・・・」
「自殺は出来なくても、死の相手が自然災害や、怪物相手だったらどうなる?
その時点で、自然災害による事故死、
怪物相手による戦闘死になるから自殺ではなくなるさね。」
「まさか、それを狙ってCランク依頼を受けたのか彼奴は・・・」
「こう言ったら、あの子への冒涜になるかも知れないけど、
奴を見た瞬間、柔らかな笑顔だったよ、ようやく自由になれたんだよ。
依頼に関しては純粋に、美味しい仕事だと思っていたみたいでね、
黒のアンデッドナイトに関しては、天の配剤に見えちまったんだろうさ。」
月明かりの指すとある日のヴェルハインド山
『あれ?俺なんで生きてるんだ?あの時アンデットナイトに刺されて・・・
あぁ~もしかして、この手ではよくあるアンデッド化したのかw
って、さっきからカタカタカチャカチャ音が五月蝿いな・・・
確か水辺が近くにあったはず、行ってみるか。」
仰向けの体制から不安定な足取りで、月明かりに照らし返される水辺までたどり着き、
『アハハハハw通りでカタカタカチャカチャと音が五月蝿いわけだw
スケルトンになってやがるwでも剣や鎧は生前の身につけてるから・・・
さしずめスケルトンソルジャーか?」
辺りを見回して気配が無い事を確認し、その場で仰向けに倒れ込んだ。
『あぁ~・・・これで陽光浴びたら灰になるとかだったらマシなんだけど。
陽光耐性なんて付いていよう物なら、念話の技能とか欲しくなるよな。
まあ、隷属印は無くなってるみたいだし・・・
・・・ん?まて?今スケルトンソルジャーなんだよな?生前の装備付けた?
骨になるまで放置されてたってことか!?」
ちょっと落ち着いて考えれば直ぐに分かることだった。
『まあ、アンデッドナイトのいる山なんて怖くて来んわなw
・・・まて?今は俺がいるから・・・?
ハァ~・・・、まあアンデッドに成ってしまったものは仕方ないか。
暫くはこの山を拠点に、冒険者達や教会関係に見つからないように、
生活するしかないか。』
そしてスケルトンソルジャーになった冒険者の第二の人生?が始まる。
主人公たちにまだ名前はありません。
考えてもなかったので……
連載版は作るか不明です。
ほんと最近はうちの家族も、本文の馬鹿族と似たような感じでね・・・
おっと愚痴っても意味ねぇ~やなw