表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

前編



二人の対談は固い握手から始まった


猫男爵「やあやあ、会えて嬉しいよ」


えびふらい「こちらこそ光栄です」


猫男爵「憔悴しきってるって聞いたけど案外元気じゃない」


猫男爵はえびふらいのために

ロッキンチェアーを用意していた


えびふらい「あはは(苦笑)赤子じゃないんですから」


猫男爵「まあ楽にして、ビールでいい?」


えびふらい「あ、ありがとうございます」


猫男爵「煙草も吸って」


えびふらい「じゃあ失礼して」


猫男爵は白のワインとビール

ブルーチーズにクラッカーを持ってきた



ではでは、乾杯!



猫男爵「神殿を裸足で歩いた

この後君ならどう書く?」


えびふらい「え⁈いきなりですか⁈

そ、そうですね、

神殿を裸足で歩いた

泳ぐのに夢中の僕は…

だめです、上手く書けません

うーん、神殿を裸足で歩いた

泳ぐのに夢中の僕は

それが神殿だと気付かず

悲しい地上に降り立った…とかですかね」


猫男爵「僕はこうだ

神殿を裸足で歩いた

蜂の巣はあるか、蜂の巣はないか」


えびふらい「はぁ…すごい、

掴みが大事ですよね」


猫男爵「以前の君ならこう書いたはずだ

神殿を裸足で歩いた

石像の君に恋をした

違うかな?」


えびふらい「あはは、そんな感じですね

嬉しいです、なんか変な感じ」




えびふらい「ほんと怠け者だと自分で思いますよ

こう…木の上で」


猫男爵「要はスランプを拗らせちゃったわけだ」


えびふらい「あの、聞いてください

木の上で…はい、こじらせました」


猫男爵

「ほとほと疲れた君にハタハタのグラタンを作ったよ」


えびふらい「わあ、ハタハタですか?いいですね

ありがとうございます」


猫男爵「なぜ活動休止宣言した後、きちんと休まなかったの?」


えびふらい「木の上で…パジャマが一組しかなくて

もうしわくちゃで洗い替えがほしいけど

…え?わかりません」


猫男爵「もっと言えばジャンの回くらいからでしょう?」



えびふらい「一日中葉っぱを食べてたいですね

あーそうです、その通りです」



猫男爵「もともとは肉食でしょ?

僕はそう思うよ、それが最近怖くなっちゃったんだ」


えびふらい「猫先生は?」


猫男爵「魚好きって思われがちだけど

最近シリアルにハマってる

ドライフルーツとか

種類も豊富で楽しいよ」


えびふらい「なんだかこわいなぁ

あーそれもあるんです、傷つけてしまわないかという

パラノイアに陥って」


猫男爵「絵よりマシなんじゃない?言葉は

多少は仕方ないよ、読む側のトラウマとか

今現在の生活とかで変わってくるから

僕なんか惰性で書いてる、だから続くの

傷つけてもいいじゃない、もっと人がいっぱい死んじゃうのとか、

絶望的なの書いたらどうかな?楽になるんじゃない?」


えびふらい「えー、スカーフェイスみたいなやつですか?」


猫男爵「ううん、人情を一切挟まないやつ

ひとつ爽快なやつをさ」


えびふらい「ははは、書けませんよ」


猫男爵「書けるさ」


チーン


ハタハタのグラタンができあがりました


後編に続く












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ