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オタマジャクシズ!!!  作者: 三箱
第二章 「夏から秋の騒動」
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『遭遇』

 少し前。

 夜中の公園前の通り。


「あら。あなた達」


 私の前に見えるのは、一人は青年、一人は女性。姿形は見覚えのある人。

 でもその人はそうであって、そうではない。


「戻る気になったの?」


 二人は一緒に首を縦に振る。


「どうして」


 その質問に二人は首を傾けていた。


「何故かわからない。けど戻ったほうが良いと感覚的に思った」


 コクンと頷いた。


「じゃあ何で抜け出したの?」


 すると二人はちょっとだけムスッとした表情になる。


「なるほど。寂しくなったのと、拗ねたのね」


 二回程早く頷いた。


「ふふ。可愛い。じゃあ何で一緒にいるの?」


 すると二人は、首を傾けたあと、互いに見つめ合った。そして何度も何度も首を捻るが、二人の中で答えは出ていないみたいだ。


「分かっていないのね。そっちの感情は持ち合わせてないのかな?」


 言っている意味がわからないのだろうか、パッとしない表情だった。

 

「それは今後ね。早く戻ってあげなさい。あなた達の主人が心配していると思うから」


 コクンと頷いた。

 そしてペコリと一礼したあと、ササッと走っていった。


 面白い人達……。人ではないか。 


「フフ」


 面白い。今までこんな状態を見かけるのなんてあまりなかったからね。


 けど早いね。特にカゲル君。

 モノに宿るのはもっと時間がかかるはずなのにね。

 これは面白いかな。

 どうなるかな。

 まだ真実を話していないカスミと、真実を知らないカゲルとオタマジャクシズのメンバー。

 さてさてどうするのかな。

 退屈しのぎにはなりそう。


「フフ」


 傍観者は口元を緩ませ、久しぶりの感情に胸を震わせながら、歩き去っていった。

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