雪に埋めた君のこと
残酷ではありませんが見る人によって嫌な気分になる可能性がないとは言えません。
それと直接的な表現は使っていないので分かりづらいかもしれないです…(><)
気づくと目で追っていた。
授業中暇そうに外を見てる君のこと、お昼前お腹が鳴って恥ずかしそうにしている君のこと、あいつを目で追う君のこと。
君と僕が初めて会ったのは2年前
この地域では珍しく積もりそうな勢いで雪が降っていた日だった。
僕と同じ制服を着た女の子が僕の目の前ですべって転んだ。
あの時声をかけなければ今こんな気持ちにはならなかったんじゃないかって何度も後悔している。
あの日から僕の日常には必ず君の存在があった。
初めは転んでいた子だと思って目で追っていた。
でもコロコロ変わる君の表情、僕のことを覚えてて恥ずかしそうにあの時のお礼を言った君の声、そんな君を知ってから気づくと僕は目で追っている。
君があいつを見だしたのはつい最近だった。
きっかけはなんてことないことだったんだろう。
君とあいつの席が隣同士になった。授業中でもクスクス楽しそうに2人で笑っていた。
それが変わり始めたのはあいつが怪我で試合に出れなくなったと落ち込んでいる頃だったと思う。
いつも元気で爽やかなあいつが捨てられた子犬みたい!ギャップ萌え!って女子が言ってるのがうるさいほど耳に入ってきた。
君も結局周りの女子と同じだったんだね。
2年かけてやっとそれなりに仲のいい友人になったと思っている僕はあまりにあっけない負けに絶望した。
あいつの悪いところなんて考えても出てこない。
それに比べて僕なんて良いところの方が出てこないような人間だ。
君があいつを好きになるのは当然なんだろう。
でも僕は戻れない、君を知らなかった頃の僕には戻れそうにない。
教室には君がいる、僕と君の唯一の共通の話題であった趣味にも君がいる、何かを考える僕の思考にも君がいる。
僕から君を引いたら2年以上前の僕が残るはずなのに、何故か僕まで消えちゃうような気がするんだ。
まるで僕のすべてが君になったみたいだ。
僕が君なら君は僕?いや違う、君は君のままだ。
じゃあ君が2人いるの?この世界に君が2人?
それも違うよね、僕は君であり僕なんだ。
僕は君をとっくに手に入れていたんだ。
なんで今まで気づけなかったんだろう。
今なら2人っきりになれる。
この雪の下2人で春を迎えよう。
題名から想像してたのと違った結末になるといいなぁと思って書きました!
いい意味で裏切れてるといいのですが…
これを書き始めた時いろんなことで悩んでだいぶ暗くなっていたのでお話まで暗くなってしまいましたが、これはこれで結構いいかなって自分で思ってます笑