運命に従え
リアルが忙しく、中々投稿できませんでしたがやっと投稿します!!
初の短編です
どうぞ、よろしくお願いしますm(__)m
ちなみに長編の小説はまた、投稿します
気長に待っていただけると光栄です
―――自分が何者なのか、わからない。
―――だけど、唯一あるのは血だらけの倒れている女性を見下ろしていた。そんな俺の両手は血に濡れている、という記憶だけ。
「――――また“トグダスト”が現れた。任務だ」
目覚めて一番先に聞いたのはそれだった。
いつもいつもそれが目覚めるときに聞こえる女の声。
まるで、機械が人の声に反応して機能するかのように、それが俺にとっては当たり前だった。
いつも、いつものことだから身体が反応して勝手に動く。
(ロボットのようだ……)
そうは思っても俺は俺を止めることはない。
俺の心はどこか違うところにあって、俺の身体は勝手に動いているんだと思うぐらいだ。
そうして、無意識に俺が来たのはある1つの大きなロボットがあるシェルターだ。
2メートルほどあるだろう光沢のある漆黒のロボットがそこにはあった。
背中部分の扉を引っ張って、ロボットの中にある操縦席に座る。
すると勝手に管が伸び、俺の身体に突き刺さった。不思議と痛みはない。
ロボットは俺の操縦で動き出す。
俺が望む通りに、まるで俺の手足のように動くロボット。まるで自分自身のようだ。
俺の望むまま、進んだ先に見える巨大な影。視界に入れた。
それは、おぞましい姿をした怪物――――“トグダスト”。人を食らう化け物だ。
視界に入れたその瞬間、内蔵されていたナイフを出し、その怪物に向けて切りかかった。
辺りは血の臭いが充満していた。周りの木や草にまで血に染まっている。
その中に一人たたずむロボットに近づく、いくつもの人影があった。
「素晴らしい!!やはり“超越兵”はトグダストに効果的だな!!“プロシジャー”には負けない強さがある!!」
その声は目覚めるときに聞こえる声と同じ。スッと視界に入れた先には数十人の武装した兵の先頭にたつ白衣の女。それが声の主だった。
それを認識したとき、操縦席にいる俺の身体はガクッと力が抜ける。
このロボット―――超越兵は操縦者の力を糧にするのだ。
遠ざかる意識の中、女の声が聞こえた。
「眠れ――――運命に従い、この世の怪物を喰らい尽くせ――――」
この世はある日突然に変わった。おぞましい姿をした怪物――――“トグダスト”によって。
トグダストは人を喰らい尽くす。まるで人の時代を終わらせるかのように。
そんなトグダストを殺す超越兵の操縦者である俺はまたあの女の声で目覚め、トグダストを殺し終わったら眠る。
それが俺の運命で運命だから。
だから、今はそれに従おう。
この俺の運命が「違う」、と異議を唱えるものが現れるまで………