第3話
変更しました。
ステータスに器用と精神を追加しました。
魔力→知力に変更しました。
技能にレベルを追加しました。
「また男か。政治的には、そろそろ女が産まれてほしかったが」
知らない男の声が聞こえてくる。
「そうおっしゃらないでください。男でも、うまく使えばいいではないですか」
次は女の声が聞こえてきた。
「そうだな。幸い、上の二人と同じで顔はよさそうだしな」
だんだんと意識がはっきりとしてきた。
会話から考えて、どうやら俺は無事に転生することができたようだ。
「そうです。顔さえよければ、後でどうにでもできますわ」
それより、さっきからこいつらは何を言っているんだ?
俺の親だということは確定だが、それが産まれたばかりの子に対する感想か?
その後もしばらく二人の会話は続いたが、碌なことを話していない。
しばらくすると、俺の親だろう二人の会話が聞こえなくなり、俺の意識も遠のいてきた。
………………どうやら世界が変わっても、俺は人を好きになれそうにないな。
俺が目を覚ますと、知らない天井であった。
「アー」
お決まりの言葉を言おうとしたが、声を出すことしかできない。
やはり赤ん坊には無理か。
無事、転生することはできたが、これからどうするべきか。
今思い浮かぶ目的としては、この世界の本を読み漁る事。
本は高級品ということで、簡単には手に入らないかもしれないが、神から貰った元の世界の本もあるので、すぐに読む本がなくなるということもない。
それならば、今俺がすべきことは、自分が現在どのような状況にあるか知る事だろう。
なにしろ、今俺が分かっているのは、親が碌でもないということだけで、他の事は全く分からない。
これでは、目的を達するために何をすればいいかもわからない。
まずは情報を集めよう。
そう考えて、目が届く場所を観察しようとしたとき、視界の端に点滅する手紙のアイコンが出てきた。
手紙のアイコンを注視すると、いきなり目の前に半透明のディスプレイが浮かんだ。
『天城空君へ
君がこの手紙を読んでいるということは、僕は既に仕事で押しつぶされそうになっているだろう。
本当に嫌になるね。それもこれも、君に馬鹿な事をしたあの神のせいだ。
簡単に消滅させるのではなく、ストレス解消用のサンドバックにでもすればよかったよ。
まぁ、君からすれば、あの神が消滅してくれた方がいいのだろうけど。
…………………ごめんね。こんなことを伝えるために手紙を書いたんじゃないんだ。
この手紙を書いた理由は、君に教えておかなければならないことを忘れていたからだ。
それはステータス。
その世界の生き物は、ステータスというものを持っている。もちろん君もね。
そしてステータスには、その持ち主の情報が書かれている。
書かれているステータスの情報について詳しく説明していると長くなるから、後は実際に見て自分で理解してくれ。
ステータスと念じれば見ることができるから。
大丈夫、君の理解力ならきちんと理解できると思うし、補填の一つとして補佐も付けておいたから。
伝えたいことはこれですべてだ。
それではよき人生を
※※※※※より 』
前半の文はいるのか疑問に思うが、重要なことを教えてもらえた。
ステータスか………………ゲームや前に読んだ小説みたいだな。
赤ん坊ではできる事もなさそうだし、まずはステータスを見てみるか。
手紙に在った、補佐という言葉も気になるしな。
(ステータス)
ステータス
名前:ジーク=インペリウム
Lv :1
HP :4/5
MP :650/650
筋力:1
耐久:1
俊敏:1
器用:1
知力:120
精神:14
固有技能:【書架10】【成長補正10】
特級技能:【健康体10】
上級技能:
中級技能:【鑑定10】
初級技能:
称号:『書架の主』『インペリウム帝国第三皇子』
まず、この世界での俺の名前はジーク=インペリウムか。
称号から考えても、俺は皇族ということか。
両親は最悪かもしれないが、本を手に入れるには都合がよさそうだ。
城だったら、書庫もありそうだしな。
次に能力値だが、ほとんどの数値は赤ん坊なので低いのも納得できるが、MPと知力がとんでもない数値になっているんだが。
精神が少しだけ高いのは、記憶があるからだと考えられるが、これも補填の一つということなのか?
それにしては他の数値が低いが、これ以上考えても分かりそうにないな。
まぁ、高い分にはいいだろう。
最後に技能だが、手紙のアイコンの時のように注視していたら、効果が分かった。
【鑑定】
対象の情報やステータスを見ることができるようになるらしい。
これからの情報収集には、持って来いの技能だろう。
しかし、対象のレベルが高かったり、希少な物になるとうまく鑑定できないようだ。
これはなるべく早くレベルをあげなければならない。
【健康体】
俺の健康な体という希望をかなえてくれたと思うのだが、ただの五体満足という意味ではなく、技能という力として叶えてくれたようだ。
効果としては、状態異常や病になる事を防ぎ、常に健康でいられるようだ。
思っていた事とは違うが、有用そうなので大変ありがたい。
【成長補正】
レベルアップの際に上昇する数値をあげたり、技能を習得しやすくなるようだ。
レベルアップは今のところ関係ないが、技能の習得がしやすくなるのはいいな。
【書架】
無限に本を収納でき、条件で検索などもできるようだ。
おまけに本の修復、複製も可能。
この技能も俺にとって必須だ。
いくら本を持っていようと、関係ないのだから。
これでいつでも好きな本が読める。
これで一通りのステータスを見たが、神の手紙にあった補佐というのが何かわからない。
何か見落としていただろうか?
もう少しよく探してみるか。
見つからない。
いくら探してもそれらしいものがない。
もしかして、手紙に書いただけでつけ忘れたのだろうか。
これ以上探していてもどうしようもなさそうなので、探すのはここまでにしておこう。
さて、次は何をしようか。
さっきから誰も部屋に来ないし、見えるのは天井だけなので、やる事がない。
いや、あった。
まだ【書架】にある本を確認していないではないか!
元の世界で本を読んでいたと言っても、そんなものはほんの一部にしか過ぎない。
まだ読むことはできなくても、どんな本があるかだけでも確認して、目星をつけておこう。
では、【書架】の技能を使ってみよう。
…………………どうやって使うんだ?
ステータスみたいに念じればいいのか?
(書架)
………………どうやら違うようだ。
本を読むのだから閲覧か?
(閲覧)
『どの本を閲覧なさいますか?ご主人様』
聞いたことのない声が頭に響いてきた。
これが補佐なのだろうか?
というよりご主人様ってなんだよ。
神、ふざけているのか。