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本の魔術師  作者: 桐生紅牙
幼少期
3/6

第3話

変更しました。

ステータスに器用と精神を追加しました。

魔力→知力に変更しました。

技能にレベルを追加しました。

「また男か。政治的には、そろそろ女が産まれてほしかったが」


 知らない男の声が聞こえてくる。


「そうおっしゃらないでください。男でも、うまく使えばいいではないですか」


 次は女の声が聞こえてきた。


「そうだな。幸い、上の二人と同じで顔はよさそうだしな」


 だんだんと意識がはっきりとしてきた。

 会話から考えて、どうやら俺は無事に転生することができたようだ。


「そうです。顔さえよければ、後でどうにでもできますわ」


 それより、さっきからこいつらは何を言っているんだ?

 俺の親だということは確定だが、それが産まれたばかりの子に対する感想か?

 その後もしばらく二人の会話は続いたが、碌なことを話していない。


 しばらくすると、俺の親だろう二人の会話が聞こえなくなり、俺の意識も遠のいてきた。

 ………………どうやら世界が変わっても、俺は人を好きになれそうにないな。






 俺が目を覚ますと、知らない天井であった。

 

「アー」


 お決まりの言葉を言おうとしたが、声を出すことしかできない。

 やはり赤ん坊には無理か。

 無事、転生することはできたが、これからどうするべきか。

 今思い浮かぶ目的としては、この世界の本を読み漁る事。

 本は高級品ということで、簡単には手に入らないかもしれないが、神から貰った元の世界の本もあるので、すぐに読む本がなくなるということもない。

 それならば、今俺がすべきことは、自分が現在どのような状況にあるか知る事だろう。

 なにしろ、今俺が分かっているのは、親が碌でもないということだけで、他の事は全く分からない。

 これでは、目的を達するために何をすればいいかもわからない。

 まずは情報を集めよう。

 そう考えて、目が届く場所を観察しようとしたとき、視界の端に点滅する手紙のアイコンが出てきた。

 手紙のアイコンを注視すると、いきなり目の前に半透明のディスプレイが浮かんだ。



『天城空君へ

 君がこの手紙を読んでいるということは、僕は既に仕事で押しつぶされそうになっているだろう。

 本当に嫌になるね。それもこれも、君に馬鹿な事をしたあの神のせいだ。

 簡単に消滅させるのではなく、ストレス解消用のサンドバックにでもすればよかったよ。

 まぁ、君からすれば、あの神が消滅してくれた方がいいのだろうけど。

 …………………ごめんね。こんなことを伝えるために手紙を書いたんじゃないんだ。

 この手紙を書いた理由は、君に教えておかなければならないことを忘れていたからだ。

 それはステータス。

 その世界の生き物は、ステータスというものを持っている。もちろん君もね。

 そしてステータスには、その持ち主の情報が書かれている。

 書かれているステータスの情報について詳しく説明していると長くなるから、後は実際に見て自分で理解してくれ。

 ステータスと念じれば見ることができるから。

 大丈夫、君の理解力ならきちんと理解できると思うし、補填の一つとして補佐も付けておいたから。

 伝えたいことはこれですべてだ。

  

 それではよき人生を


                                               ※※※※※より 』



 前半の文はいるのか疑問に思うが、重要なことを教えてもらえた。

 ステータスか………………ゲームや前に読んだ小説みたいだな。

 赤ん坊ではできる事もなさそうだし、まずはステータスを見てみるか。

 手紙に在った、補佐という言葉も気になるしな。


(ステータス)


 ステータス

 名前:ジーク=インペリウム

 Lv :1

 HP :4/5

 MP :650/650

 筋力:1

 耐久:1

 俊敏:1

 器用:1

 知力:120

 精神:14


 固有技能:【書架10】【成長補正10】

 特級技能:【健康体10】

 上級技能:

 中級技能:【鑑定10】

 初級技能:    


 称号:『書架の主』『インペリウム帝国第三皇子』




 まず、この世界での俺の名前はジーク=インペリウムか。

 称号から考えても、俺は皇族ということか。

 両親は最悪かもしれないが、本を手に入れるには都合がよさそうだ。

 城だったら、書庫もありそうだしな。


 次に能力値だが、ほとんどの数値は赤ん坊なので低いのも納得できるが、MPと知力がとんでもない数値になっているんだが。

 精神が少しだけ高いのは、記憶があるからだと考えられるが、これも補填の一つということなのか?

 それにしては他の数値が低いが、これ以上考えても分かりそうにないな。

 まぁ、高い分にはいいだろう。


 最後に技能だが、手紙のアイコンの時のように注視していたら、効果が分かった。


 【鑑定】

 対象の情報やステータスを見ることができるようになるらしい。

 これからの情報収集には、持って来いの技能だろう。

 しかし、対象のレベルが高かったり、希少な物になるとうまく鑑定できないようだ。

 これはなるべく早くレベルをあげなければならない。


 【健康体】 

  俺の健康な体という希望をかなえてくれたと思うのだが、ただの五体満足という意味ではなく、技能という力として叶えてくれたようだ。

 効果としては、状態異常や病になる事を防ぎ、常に健康でいられるようだ。

 思っていた事とは違うが、有用そうなので大変ありがたい。


【成長補正】

 レベルアップの際に上昇する数値をあげたり、技能を習得しやすくなるようだ。

 レベルアップは今のところ関係ないが、技能の習得がしやすくなるのはいいな。


【書架】

 無限に本を収納でき、条件で検索などもできるようだ。

 おまけに本の修復、複製も可能。

 この技能も俺にとって必須だ。

 いくら本を持っていようと、関係ないのだから。

 これでいつでも好きな本が読める。




 これで一通りのステータスを見たが、神の手紙にあった補佐というのが何かわからない。

 何か見落としていただろうか?

 もう少しよく探してみるか。













 見つからない。

 いくら探してもそれらしいものがない。

 もしかして、手紙に書いただけでつけ忘れたのだろうか。

 これ以上探していてもどうしようもなさそうなので、探すのはここまでにしておこう。

 

 さて、次は何をしようか。

 さっきから誰も部屋に来ないし、見えるのは天井だけなので、やる事がない。

 いや、あった。

 まだ【書架】にある本を確認していないではないか!

 元の世界で本を読んでいたと言っても、そんなものはほんの一部にしか過ぎない。

 まだ読むことはできなくても、どんな本があるかだけでも確認して、目星をつけておこう。

 では、【書架】の技能を使ってみよう。

 …………………どうやって使うんだ?

 ステータスみたいに念じればいいのか?


(書架)


 ………………どうやら違うようだ。

 本を読むのだから閲覧か?


(閲覧)


『どの本を閲覧なさいますか?ご主人様(マスター)


 聞いたことのない声が頭に響いてきた。

 これが補佐なのだろうか?

 というよりご主人様ってなんだよ。

 神、ふざけているのか。



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