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デスゲーム 使えぬスキルで ヒモになる  作者: ばくだんいわ は ようすをみている
5/5

山田家はダメ

それから1週間後・・・






山田は爆発した。

牢獄での生活に耐えられなかったのだ。


『自爆スキル』

それは死ぬことが許されなくなったゲームの世界で、お手軽に自殺する方法。

自らの命と引き換えに周りの生物までも道連れにしてしまう禁忌の手段。


当然ギルド職員は彼の周囲1キロ圏内に近づくことを禁止した。

もし、何かの拍子に彼の自爆に巻き込まされでもしたらたまったものではないから。

彼を利用して、この不安定な情勢の世界で様々なトラブルを引き起こすことが可能だから。


結果、山田は孤独感を抱え、一人静かな牢獄の中でそのスキルの使用を行った。

使い方は体が知っていた。

これを使えば自由になれると、そう思った。

この孤独感から解放されると思った。

愛しいアニキはもういない・・・。

アニキがいない世界なんて、あっても仕方がないんだ。


半ば衝動的にスキルを発動。

周囲の半径555メートルを瞬時に巻き込み爆発した。

その瞬間、彼はある重要な、己の身に起こっていたとんでもない状態に気が付いた。



・・・あれ、アニキって男だよな??

なんで僕は男を好きだなんて。

ん?僕はおかしいのか?

いや、おかしい筈がない。

アニキは何時だって使えない僕なんかのために親身になってくれたじゃないか?

そんなアニキのやさしさに僕はだんだん心を奪われて・・・

いや、でもアニキは僕が男だから嫌いだって言った。

男を好きにあることはいけない事なんだろうか?

思い出せば昔、僕は普通に女の子が好きだった気がする。

…「普通に好き」ってなんだよ!

それが普通なら、今の僕がおかしいみたいじゃないか!

そんな、僕はいたって健全…

いや、でも、しかし、でも?


その時、山田は思い出した。

男同士のまぐわいは世間ではアブノーマルだったということを。

何時から僕はおかしくなっていたのだろう?

自らの異変に気が付いた刹那の瞬間、体がはじけ飛び、意識が消し飛ぶその瞬間、


山田の意識の混乱はピークに達していた。

その混乱は山田が放った自爆魔法に予期せぬ不具合を発し・・・




まずはじめにデスゲームと化した世界全体を巻き込んで爆発した。

その遊戯に封じられた幾千もの人間を巻き込んだ。

予期せぬ不具合によりデスゲームを運営していた会社のサーバーはオーバーヒートを起こし

炎上、爆発した。


その時間、サーバが置いてあるビルの周囲ではガス漏れ事故が発生しており

案の状引火し、爆発した。


爆発範囲内には、たまたま国防総省へハッキングしていたヒキコモリが含まれており、たまたまハックできたミサイル発射システムが起動しており、爆発に巻き込まれた瞬間に本人の意思とは関係なく発射され、


ミサイルは秘密とされてきた核施設へ落下、これを爆破し、

爆破された核施設は核分裂で地球を爆破した。

爆発した地球は、どういうわけか太陽系をも巻き込み、

よくわからないまま太陽系が連鎖爆発してしまい・・・

銀河もはじけ飛び、

銀河群…

銀河団……

超銀河団………

yadda

yddda

yadda



結果として、ビッグバンに匹敵する爆破が引き起こされた。

これによりすべての因果の核となった山田を中心に宇宙ヒモが形成され、

死の間際の、山田の魂の叫びともいえるアニキへの気持ちが宇宙ヒモを捻じ曲げ

ねじ曲がった宇宙ヒモが時空に干渉し、すべての事象が巻き戻った。


巻き戻された事象のなかで、然し山田くんの運命だけが少しだけ変わった世界へと再スタートが始まった。


「お母さーん、学校行ってくるね!」

「はーい、気を付けていってらっしゃい」



山田くんは、山田ちゃんとして、この世に生を受けていた。

かつての山田くんが、思い人が同性であった為に願った結果なのだろうか?

分からない。


何はともあれ今日も山田は元気に学校へ向かうだろう。

ひょっとしたら、この世界なら思い人との関係も成就するかもしれない。


おめでとう山田。

頑張れ山田。



それから山田ちゃんは、VRゲームに興味を持ち、案の定デスゲーム化してしまい、

またしてもアニキと恋に落ちるのだが、アニキは男しか愛せないという真実を知った瞬間に

世界を巻き込み爆発してしまうのは別の話・・・

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