7.α波=眠くなる?
α波は、「睡眠が誘発されるような」リラックスした精神状態において比較的よく観測されます。脳波は外部刺激により誘導することができますから、「モーツァルトの曲を聴くとα波が出てよく眠れる」という言葉も、「周波数が近いモーツァルトの曲を聴くことでα波を誘導する」という意味で広まったものでしょう。
ただし、α波成分の増強が必ずしも睡眠を誘発するわけではありません。α波にも色々ありまして、リラックスした集中状態を意味することもあります。一流スポーツ選手が~とか、創造性が~とか言うときは、だいたいこのα波です。また覚醒状態にあっても、目を閉じている間α波の成分は増強します。逆に言うと、目を開いている間にはほとんど測定されません。
成分が増強する、とは、観測された脳波を周波数ごとに分類した際に、特定の周波数領域が締める割合が増えるということを意味します。つまりα波が増えるということは、同時に他の成分が減るということです。ザッと各成分の特徴を並べますと、「β波=覚醒平常時」「α波=覚醒リラックス」「θ波=睡眠と覚醒の境界」「δ波=熟睡リラックス」という感じです。
α波って要するに起きながら寝てる状態なので、単純に「α波が出てる=最高の精神状態!」というわけでもなかったりします。