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4.脳波はシナプスから伝わってくる

 脳波が弱いのはわかったけど、どうしてそんなに小さいの? と、疑問に思われる方もいるでしょう。脳波の発生メカニズムについて、ちょっとだけお話します。


 「シナプス」という単語を聞いたことはありますか? 私見ですが、この単語が出てくると、途端に専門的で小難しい話に繋がっていくことが多いような気がします。言葉は知ってるけどよくわからないという方が多いのではないでしょうか。


 神経細胞ニューロン同士を繋いでいる部分の構造をシナプスといいます。厳密に言うと繋がってはいなくて超微小な隙間が空いてたりするのですが、話がややこしくなるので、ここでは「神経細胞と神経細胞を繋げてるところ」ということにしてしまいましょう。名前は覚えなくても結構です。要するに、ある細胞の電位変化をつぎの細胞に伝える仕組みであり、脳内の情報伝達回路を形成しています。「電位変化」って、さっき聞きましたね。そうです、脳波です。なにかを考えたり記憶したり、脳は二十四時間フル稼働していますが、その際の電位変化はシナプスからもたらされます。


 で、このシナプス――というか神経細胞そのものから、頭皮上の電極まで。どれだけのものに隔てられていると思いますか? 脳の一番外側、大脳皮質から考えましょう。髄液、クモ膜、硬膜、頭がい骨、筋肉、頭皮――参考文献ないとか言いましたが嘘ですこの辺だけちょっと調べました――たくさんのものを通り抜けて、ようやく電位は測定電極まで届きます。もちろんその間に、どんどん大きさは小さくなりますし、雑音も入ります。


 そもそも神経細胞ひとつひとつの電位だけを測定するなんて不可能ですから、ひとつの電極から得られる脳波には、数百万個の神経細胞から伝わってきた電位――さらにはもっと遠く離れたところから伝搬してきた電位なんかも、ごっちゃに混ざっているわけです。


 とうぜんながら、脳波の電位よりもシナプス電位のが高いです。専門外なので詳しくはないのですが、数mVというオーダだったような記憶があります。そのため、頭皮上に電極を配置するより、脳に直接電極を埋め込んだ方が、ずっと精度の高いデータが得られるのです。

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