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10.脳波から思考を読み解く

 もう一個の夢の技術と言えば、「思考盗聴」でしょうか。少々響きが悪いですが、おあつらえ向きの単語が浮かばなかったので、犯罪臭のするワードに頼ってしまいました。前節で紹介したBMIでも、たとえば「声を出せない人の考えを読み取って画面に表示する」というようなものであれば、こちらに近い技術かと思います。


 とはいえ、脳波から「思考を読み取る」のはとんでもなく難しいことであり、超能力のように考えていることを見透かされることはまだ当分ありえないと思いますから安心してください。すくなくとも非侵襲型の脳波で、詳細な思考盗聴が実現されるとはちょっと考えがたい……もし実現されそうな目途があるというのなら、ぜひ教えていただきたいです。

(侵襲型の脳研究には倫理的な問題もありますが、てんかん病の患者を被験者とするなど、まったく行われていないわけでもないようです)


 私が聞きかじったことがある範囲ですと、「夢の内容」を読み取ったり、「記憶」を操作したり、といった研究が行われているようです。この辺も基本的にはパターンマッチングなんでしょうか。人の認知過程の研究や、コミュニケーションツールとしての開発も行われています。


 すでに広く導入され始めているものだと、脳波による「快・不快」判定なんてものもありますね。最近話題の「ニューロマーケティング」というやつです。あくまでも、なんらかの刺激に対して反応を見せるかどうか、という単純な調査であり、「思考の読み取り」とはかなり趣の異なる技術かもしれませんが……同様の例として「嘘発見器」などもあり、犯罪捜査への応用が期待されています。こちらも厳密にいうと、嘘を検出するというよりも「特定のものに関する記憶があるかどうか」を刺激に対する脳の反応から探るものですから、「思考盗聴」に直結する類のものではありません。

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