世界の終わり
深い深い宇宙空間にも似たこの世の何処でもあり、何処でもない場所をヒタヒタと裸足の細い脚が歩く。周りには幻想的な風景が広がり、無限にどこまでも続いているかのようだった 世界を自由に行き来できる者は迷いなく脚を進めある所で立ち止まった。
【随分と無様な姿だな。創造神が聞いて呆れるね】
『な、んの…用だ。…嗤いに来たのならば、去るが良い』
甘く掠れる不思議な声と、低く厳かで威圧感のある声が交差する。にぃと獣じみた笑みを浮かべた甘い声の持ち主は目の前の黄金の鎖に繋がれ、身動きすら取れない巨大な虹色のドラゴンを見つめた。
【ねぇ、そこから出たくはないのかい?】
不意に問いかけるとドラゴンから低い唸り声が帰ってくる。
『我にそれを問うか。当たり前だろう。出たいに決まっているわ』
強く尾を地面に打ち付けると絞り出すように言葉を発し、問いを投げて来た者を睨みつける。
【愚問だったな。なぁ、俺と共に来ないか?世界に、お前を裏切り今をのうのうと生きている人間共に共に復讐をしにいこう?】
手を差し出すと、黄金の光が視界を埋め尽くした。穏やかなくせに何処か威圧を感じさせる抗えない絶対的な光。
『良かろう。それはそれで面白そうだ』
パキンッと澄んだ音がして、ドラゴンを縛り付けていた鎖が跡形もなく砕け散った。
『貴様の名は?』
【〝秩序の管理者〟ポラリス。君は?】
『〝創造神〟オウエリアス』
最強の神と呼ばれた二人が手を組んだ。世界と人間という存在に復讐をするために。
初めまして!カゲロウの茜色、です。
今回は初めて投稿させていただきました。
駄文ではありますが、楽しんでいただければ幸いです。