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妖精
妖精を眼の前でみた俺は固まった
冷たい氷のように研ぎ澄まされた美しさに
当然のように魅入ってしまう。
…体のちからがぬける…
もう、一瞬前まで考えていたことなんて
忘れたみたいに。
「だめよ。」
鈴の鳴るような
クレシアの凛とした声に、はっと我に返った
「惑わされては、だめよ。」
妖精は、なにも言わず静かに微笑む
「それでは、説明をはじめましょうか」
「どこからお話しましょうか?」
クレシア
「じゃあ、アリスのお話聞かせて?」
妖精
「わかりました」
これから説明をはじめます。