巨大魔獣と殺戮
長らくお待たせしました!
それではどうぞ♪
~魔日士学園~
教師対シルヴィアの模擬戦によって授業が潰れた日から1週間過ぎたある日、シルヴィアは訓練の為にグラウンドに来ていた。
「今日の模擬戦は学年クラス無差別対抗タッグ戦だ!お前達は一番下の学年だ!上級生から戦術とかを盗みながら学べ!それと他クラスに負けるなよ!!」
「「「「「おぉ!!」」」」」
教師の言葉に地を揺らさんとばかりに声を張り上げる生徒達を見てシルヴィアは苦笑をする。
そこに深那がシルヴィアに近付くとシルヴィアは深那の方に振り向く
「深那ちゃん、頑張ろうね?」
「勿論だよ!シルヴィー!」
シルヴィアと深那は互いに笑い合う、と二人は教師に呼ばれ、グラウンドの中央に向かう二人の対戦相手となるのはどうやら上級生の様だ・・・ここで学年の分け方を説明しよう、生徒達には左襟にバッジがついていて、そのバッジにトランプに良く使われているダイヤが描かれており、一つなら一年、三つなら三年と分かれている。そしてシルヴィアと深那の相手は二年の男子みたいだ。
「宜しくお願いします。先輩」
シルヴィアが礼儀正しくお辞儀をし、それに続く様に深那もお辞儀をする
「こちらこそよろしくな」
対戦相手の上級生も様式は違う物の、お辞儀をした。
そして4人は互いの魔導体を召喚する
「「「「『『『『融合!』』』』」」」」
『ヴァイスリーゼ
戦闘システム:異常なし
武装:剣銃
模擬戦闘モード起動します』
『シルバリオンスターダスト
戦闘システム:異常なし
武装:銃砲
模擬戦闘モード起動します』
先に上級生達が騎乗を終えており、二人とも軽装の鎧で両手にはブロードソード、両肩部には追加ブースター、背部にも追加ブースターを装備した近距離特化型であった。
対するシルヴィアは両腕部には何も付いてない様に見えるが手首の近くに大盾と思われる物が装着されていて、両肩部には何かの箱がついて、背部には砲身が4つ付いた物があった。
深那には両腕部にショットガンとアサルトライフル、両肩部には小型のガンランチャー、背部には大型のランチャーが装備されていた。
そして互いに100mぐらい下がる
《シルヴィー、私が先制砲撃を行うからその間に接近してね?》
《うん、了解、気をつけてね》
《シルヴィーもね?》
二人は軽く立ち回りを決めると同時に模擬戦の開始の合図が出る。
先輩二人とシルヴィアはブースターを噴かして駆け出し、深那は有効射程をとる為に後退する。
まず先制攻撃を仕掛けたのは深那で先輩が通るであろう進路上に小型のガンランチャーを打ち込む、先輩達はそれを左右に避けてから切り込む、シルヴィアは両腕を突き出すと大盾と思われる物の先端から魔力刃が出現する。その魔力刃で先輩達のブロードソードを受け、背部にある砲身を先輩達に向ける。
それに気付いた先輩は直ぐにスラスターと追加ブースターを噴かして同じ様に左右に分かれて左に居た先輩はそのまま深那の方に向かう、シルヴィアはそれに気付いて追い掛け様とするも、右に逸れた先輩によって足止めを食らう、深那は接近してきた先輩に対して全砲門を展開して、ショットガンとアサルトライフルを放つ、だがそれは容易く避けられてしまう、そして至近距離まで潜り込まれ、いよいよ斬られる距離まで詰め寄られる。
《いけぇ!!》
深那の声と共に小型のガンランチャーとランチャーが噴き、その反撃を予想していなかった先輩は全弾を食らい、遥か後方に吹き飛ばされる。そして先輩の背中が地面と接触をして、数回バウンドして完全に止まると騎乗が解かれる。深那は直ぐにシルヴィアと交戦している先輩へと狙いを定め、シルヴィアに援護射撃を開始する。
だが・・・その時世界の色が反転する
「総員退避ぃぃぃ!!!」
教師の言葉と共に魔獣が現れる・・・だが今までの魔獣とはあらゆる意味で桁違いであった。
全高600m、全長2.4kmと言う巨大な体躯、胴体と見れる物が一見すると無い、だがよく見れば小さいながらも有り、6脚歩行をし、その上に砲台と思われる突起が前に3基、後ろに3基計6基、その下には頭部と思われる無数の目と蜘蛛の牙、そして両足と同じ方向に三段の翅の様な物があり、その上に魔物と同じ姿をした高さ的には魔導騎士と同じ小型の魔獣が埋め尽くすほどに居た。
《な・・・なにあれ!?》
深那の驚愕した声とほぼ同時に巨大な魔獣の前の三本の突起から閃光がほど走り、グラウンドの一角に着弾直後に爆風と閃光、衝撃波が生徒と教師達に襲い掛かり、薙ぎ払った。
幸い、シルヴィア達は着弾した地点より大分離れていたので爆風には晒されずに済んだが着弾点に居た生徒や教師は消し炭にも成れずに消滅した。
《なっ!!皆ぁぁぁ!!!》
《シルヴィー!落ち着いて!!!》
その惨状を目の当たりにしたシルヴィアは叫び、皆の所に向かおうとするが深那は止める。今のシルヴィアは混乱していると思ったからだ。しかし、深那の予想とは違い、シルヴィアは巨大な魔獣を睨みつける
《貴様・・・・貴様だけはぁぁぁぁぁぁ!!!!》
普段のシルヴィアを見ている者であれば驚愕に値する言葉であった。そしてヴァイスリーゼからどす黒い魔力光が発せられる
『マスター・シルヴィアから憤怒を感知殺戮システム始動
戦闘モード:模擬戦闘モードから殺戮モードに移行
戦闘システム:異常なし
武装:殺戮専用武装
殺戮開始します』
νの言葉と共にヴァイスリーゼから衝撃波が発せられ、シルバリオンスターダストが吹き飛ばされる。
白灰色の甲冑が漆黒の闇の様な黒に変わり、血の様に紅い真紅のラインが引かれる。装備していた武装は替わり、両腕部に大口径のガトリング砲、両肩部に16大型連装型のミサイルポッド、背部には人型機械腕が付けられていて手の甲にあたる部分に大盾らしき物がついていた。
全てが替わり終るとヴァイスリーゼは今までの速度を遥かに越える速度で巨大魔獣に近づく
「千条院!退け!マザーウィルに近付くな!!」
教師の言葉にシルヴィアは耳を貸さずに両腕部の大口径のガトリング砲をアイドリングし始め、ミサイルポッドの発射口を開く、人型機械腕を伸ばして大盾の先端から大型高出力の魔力ブレードを展開する。
そして大口径のガトリング砲から毎秒100発のグレネードが二門から射出され、マザーウィルの翅と思われる物の上にいる小型のマザーウィルに着弾すると同時に凄まじい程の爆炎、閃光、衝撃波が襲い掛かり、薙ぎ払う、爆炎と衝撃波を食らった小型のマザーウィルは吹き飛び、消滅する。
《消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろぉぉぉぉ!!!!》
シルヴィアの叫びと共にミサイルポッドから絶え間なくミサイルが射出され、グレネードと合わせて凄まじい爆炎、衝撃波を与え、小型のマザーウィルを片翅分全てを消し去る。だがそれだけでは留まらずもう片方の翅を落とそうとするが漸く動き出した小型マザーウィル達から無数の閃光がシルヴィアに向かうがスラスターを噴かし、避け、大量のグレネードとミサイルを射出して殲滅しようとするも母体であるマザーウィルから閃光が放たれ、グレネードとミサイルが撃墜され、辺り一面に爆風、衝撃波、閃光が襲う、だがシルヴィアはそれを無視してブースターに魔力を込める。背部にある翼をスライドさせて噴射口を開き、OBを使う、爆煙から抜け出すと同時に大口径のガトリング砲を破棄し、両手に肉厚の巨大剣を二振り出現させる。それを軽く振り、小型のマザーウィルと母体のマザーウィルが放つ閃光の弾幕を掻い潜り、小型のマザーウィルの前に出ると残ったミサイルを全て放ち、爆風が発生しているにも拘らず突貫し、近くに居る小型マザーウィルを両手に持った二振りの巨大剣と背部にある人型機械腕に付いている魔力刃で斬り捨てる。
《あぁぁぁぁぁぁ!!!!》
シルヴィアの絶叫と共に魔力が輝きヴァイスリーゼの周りに集まり、揺らぎ、球体状に集まった魔力は一気に魔力爆発を起こし全てを破壊する光となる。
その光は揺らぎと共にその揺らぐ光に触れた物は轟音と共に消滅する
『オォォォォォ!!!』
マザーウィルの悲鳴は心の底から恐怖を招く様なとても低く、透き通る声であった。だが憤怒の色に彩られ、一種の暴走状態であるシルヴィアには逆に怒りを助長させる要因にしかならなかった。
《黙れ!!》
シルヴィアの怒りの声と共にマザーウィルの脚に巨大剣が振り下ろされ、切断される。マザーウィルが激痛による悲鳴を上げるよりも早くマザーウィルを斬り刻んで往く、その姿は鬼神が怒り狂い暴れまわる様な光景だった。
だがマザーウィルも黙っているわけも無く、口を開けて瞬間的に高出力の極太のレーザー砲を放つ、シルヴィアはそれに一瞬遅れて気付くも遅く、バリアを貫通し、左胸部の装甲と左腕、左人型機械腕を持っていかれ、吹き飛ぶ、亜音速で吹き飛んだヴァイスリーゼは校舎を貫き200m以上地面を滑り、止まった。
《オォォ!!!》
ヴァイスリーゼが短くも巨大な咆哮を上げる。
それと同時に右肩に新しくバズーカ砲、背部に64連ミサイルポッドを2基が換装される。
換装し終えた直後に、シルヴィアはミサイルポッドの発射口を開き、再度突撃する。
そして徐々に再生しつつあるマザーウィルに向かって大量のミサイルを放つ、そのミサイル群はマザーウィルの高出力レーザー砲によって大半を消滅させられるが残ったミサイルはマザーウィルとその周辺に着弾をするも爆発はせずに凍てついた。ヴァイスリーゼはそれを見て好機と判断、ミサイルを弾頭が無くなるまで連続して放ち、マザーウィルを氷像えと変えた。
《アァァァァァ!!!》
シルヴィアの憤怒はそれでは収まらずマザーウィルの氷像を粉々に跡形も無く砕いた
《オォォォォ!!!》
ヴァイスリーゼの咆哮は何処か悲しげなそして憤りを感じさせる物だった
いかがでしたでしょうか?
愉しんでいただければ幸いです
それではまた次回♪