プロローグ
白姫 彼方です!♪
久しぶりの新作です!どうぞ楽しんで行って下さい
ドクン・・・
ドクン・・・
ドクン・・・
何かの鼓動が暗い暗い闇の中で、響き渡る
ミツケタ・・・
ミツケタ・・・
ミツケタ・・・!
ミツケタ!!
複数の男女の歓喜の声が一度に響き渡り、無数の目が光りだす
ワタシノ!
ボクノ!
アタイノ!
ワレノ!
ワタクシノ!
マスター!
アルジ!
ゴシュジンサマ!
ダンナサマ!
オクサマ!
そして無数の己の主人の呼称が様々な声から発せられると無数の目が消え、辺りには静寂が戻った
~日本神奈川県にあるとある病院~
とある病院にて一つの生命が産まれる
「オギャァ!オギャァ!」
「おめでとうございます!元気な女の子ですよ」
「良くやった!ミリア!」
「あなた・・・」
赤子の産声と共に助産婦とその赤子の父親が母親に声を掛け、助産婦がその赤子をお湯で洗い、布に包んで母親に渡した
「よろしくね・・・私達の赤ちゃん・・・」
母親の呟きと共に幸せな雰囲気が辺りを包み込む・・・が
『ミツケタ・・・ワタシノマスター』
その声が聞こえたと同時に部屋の中に150cmぐらいの少女が入ってきた
その部屋にいた全員がその少女を見るが害はなさそうに見えたので父親はその少女に近寄る
「ここは入ってはいけないよ?」
だがその少女は父親の言葉を無視をして母親が横になっているベッドの前まで歩き、その前に左膝と握り拳にした左手を床に着け、右膝を立て、同じく握り拳にした右手を右膝の上に置く
『ゴタンジョウオメデトウゴザイマス・・・マスター』
その少女の言葉に皆がぎょっと目を剥く
『コノヒヲマチワビテイマシタ・・・』
その言葉を向けられていたであろう赤子は泣くのをやめ、じっとその少女を見つめる
「あー♪」
赤子はその小さな手を伸ばして少女に触れようとする・・・その少女はその姿勢を崩し赤子の手を握った
その瞬間赤子と少女が突然光だし当たりを純白に染め上げる。
そして光が収まると赤子の背に魔法陣が描かれていた
『マスターガワタシトユウゴウデキルマデシバシノワカレデス・・・・デハ』
少女はそう言うと回りに溶け込むかの様に消えた
~15年後~
あの時の赤子はすくすくと成長し中学校三年生にまで成長していた
「ふぅ・・・今日でこの学校とはお別れですか」
そう呟き春先の風が美しい蒼みがかった銀色の長髪を靡かせる
そしてその髪の色に合わせたのかと思う様な澄んだ碧眼そして赤みを帯びて少しふっくらとした唇
そしてほっそりとした身体・・・何処をどう見ても美少女である
「卒業式も恙無く終わりましたし・・・久しぶりにのんびりと過ごしましょうか」
その美少女は騒がしい校門を過ぎようとする
「あっ!千条院先輩!」
所がそこで男子生徒に呼び止められる
「はい・・・?なんでしょうか?」
千条院と呼ばれた美少女は微笑みながらその男子生徒の方に向き直る
「あの・・・その・・・」
その男子生徒は少しもじもじとしながらも勢い良く言い放った
「生徒会長!僕は貴女のことが好きです!付き合って下さい!」
そして言い終えた男子生徒は頭を下げるが・・・千条院は困った顔をする
「そうですか・・・有難う御座います」
「そ・・・それじゃ!」
「ですけど・・・ごめんなさい」
千条院は申し訳無さそうにその男子生徒からの告白を断った
「そうですか・・・」
そして男子生徒は肩を落とす。
「ごめんなさい・・・」
千条院はそう言ってこの場所から去った
~住宅街~
「ふぅ・・・久しぶりに告白されましたね・・・」
独りそう呟き一人帰路に着く千条院だった
「でも告白されても断るしかないんですけどね・・・」
そう・・・中学校に入ってから三年間男子生徒に告白されても断っていたのは全て“家族関係”だったからである
「どうしてこうも告白されてるんでしょうか・・・?」
自分で言っててブルーになる
だがそうは言っても事実なので諦めるしかないかなと諦めることにしたが事実・・・かなり見た目が可愛く、綺麗な千条院に告白しようと勇気を振り絞って着てたのである
そしてとある公園の前に通りかかる
「あ・・・ここは・・・」
ふと思い出した様に千条院はその公園に入った直後に世界の色が反転する
「何これ・・・!」
そして世界の色が元に戻るとそこには一匹の“巨大な異形の狼”が居た
「魔獣・・・・!?」
そう・・・この現代には魔獣と呼ばれる異形が現れる
そして魔獣は千条院に狙いを定め、突進してくる。
それを奇跡的に避けるも腕が掠り、弾き飛ばされ、ジャングルジムに激突する
「きゃっ!!」
『グルルル・・・・』
そして魔獣はもう一度千条院に狙いを定める
(誰か助けて・・・!)
『グァゥ!!』
そして無慈悲にも魔獣は動けない千条院に飛び掛った
(まだ・・・死にたくない!)
そして魔獣の口が開かれいよいよ喰われるのかと思い、目を閉じる
『ギャン!?』
だがその衝撃波来なく、魔獣の悲鳴が聞こえ、目を開けるとそこには全長9mはあるであろう巨人が居た
「魔導体!?」
その巨人は千条院に振り向く
『御久し振りです・・・マスター』
「マス・・・ター?・・・私が?」
『はい・・・マスター・・・詳しく話したい所ですが・・・今はあの獣を倒しましょう』
魔導体は起き上がろうとしている魔獣の方に向き直った
「倒すって・・・どうやって!?私は何の訓練も受けてない普通の人間だよ!?」
『マスター・・・大丈夫です。何の訓練も受けていなくても大丈夫です・・・“私と融合して頂ければ』
魔導体と千条院が話をしている内に魔獣は起き上がり、魔導体の方に狙いを定める
『マスター!早く!!』
魔導体の焦った叫びと同時に魔獣が突進を始めるのは同時だった
「判りました!」
千条院はそう言うと直ぐに魔導体に触れる
『「融合!」』
2人の声が同時に発せられた時に辺りに衝撃波と閃光が発生する
『マスター登録・・・完了
戦闘機能・・・異常無し
武装・・・初期武装
ν-13戦闘モード起動します』
そして閃光が収まるとそこには千条院が居なくなり中世のフルプレートを纏い、右腕にはその巨体に合った大剣を片手で持ち、左腕には大盾が握られていた
《凄い・・・これが魔導騎士・・・?》
『はい、これが私達とマスター達が合わせた力です』
目が閃光で眩んでいた魔獣も視力が戻ったのか・・・唸り声を上げて突進してくる
『今の状態では私の身体はマスターの身体です・・・補助はしますがマスター自身が動かしてください』
《え?え?どうやって動かすのぉ!?》
『普通に身体を動かす感じでやってみてください』
《えぇ!?こ・・・こう!?》
戸惑いながらも千条院は右腕の大剣を振り下ろすと魔獣に当たり、弾き飛ばされる
『その感じです!マスター!』
《本当に普段身体を動かす感じなんだね・・・》
『はい、私と感覚を共有しているので正に融合とも言えるでしょうね』
《あまり・・・格闘術とかした事ないけどね》
『ではその部分を補助しましょう』
魔導体と千条院が言葉を交わしている時には既に魔獣との戦闘は続いており、魔獣は突進以外に前足の爪での引っ掻くや首を少し伸ばしての噛み付きがあった。
だがそれを難無く避け、逆に魔獣の身体を大剣で切り裂き、大盾で打撃を加えたりする。
《これで・・・最後!》
止めとばかりに大剣で魔獣の頭部を貫くと断末魔を上げることも無く消滅する。
コロン・・・と握り拳大の金平糖の様な物が一つ落ちた
《はぁ・・・はぁ・・・》
『マスター、お疲れ様でした』
魔導体から千条院へ労いの言葉が送られると有難うと返事を返す
『それでは降りましょうか』
《う・・・うん・・・》
魔導体から解除とするが
《そこのあなた!無断騎乗の罪で連行します!》
声を掛けられ千条院と魔導体は振り向くとそこに純白の鎧を纏った魔導騎士が居た
如何でしたでしょうか?
これからも宜しくお願いします♪