反撃開始
右半分にいた男達の中のひとりが俺に向かって言う
「お前、無能力者だよな」
「だったら?」
男を強く睨む俺
「無能力者が能力者にたてつくんじゃねぇよ!!」
「やっぱ、能力はクズばっかりだ」
男のあまりにも理不尽な言葉に深くため息をついた俺はつづける
「病院送りにされたいか、警察に行きたいか選びな………10秒以内にな」
その言葉にキレたのか、男は剣を取り出し、走り出す
「なるほど………病院送りにされたいってわけね」
「死ねぇぇぇ!!」
男は思いっきり剣を降り下ろす
「剣筋が冬花より甘ぇよ………刹牙!!」
その時の光景はただ俺が男にただ前に向かって走っていくように見えていただろうが、男の動きが止まり、俺が横を通り過ぎるとともにその場に倒れた
「まず一人!!」
異様な雰囲気を感じたのか、男達は一斉に攻撃を繰りが出すが、まったく当たる気配がない
「まず屋根の奴らから片づけるか」
またポケットから一枚のカードを取り出し上に放り投げた
「テレポート」
俺がそう唱えると、その場所から消え、男達はパニックになる
「ど、どこだ!?」
「真後ろさ……」
屋根の上にいた男達が振り向こうとしたが、時すでに遅し
またもや刹牙で男達を同時にそして全員を倒し、地上にいる残りを倒すために地上に降りる
地上に降りた後、地上にいる残り人数を数える
「1、2、3人か」
屋根の上での出来事に信じられないのか、残りの3人は戦意を喪失していた
「ま、待てよ……な、落ち着いて話し合おうぜ」
「言いたいことはそれだけか?」
腰にさしていた刀に手をそえる
そして帯刀していた刀を振り抜くと同時に3人は同時に後ろにぶっ飛んだ
「飛来刃……」
俺がその技を放つと同時に俺が担当していた敵はすべて倒した。
ふとエースの方を見るとエースが担当していた敵も倒していた。
「よぉ、そっちも終わったらしいなエースさん♪」
「君のおかげでね……」
皮肉をたっぷりこめた言い方をしてみたが、あまり気にした様子もなく、えらく簡単に流されてしまった。
エースは携帯電話を開き、世直し組を引き渡すところに電話していた。
やることもなくなった俺は刀を鞘に戻して帰ろうとした時だった
背後からくる危機感を感じた俺は刀を後ろにやると、金属と金属がぶつかり合う音がし、後ろを振り向くと
そこには剣を降り下ろしているエースがいた
エースの顔はふざけてる用もなくいたって真剣だった。
「おい、てめぇいきなり何すんだよ……俺じゃなかったら死んでたぞ!!」
「君は無能力者なのか能力者なのかどっちなんだ?」
「どっちの方が視聴者受けすると思う?」
「僕の質問に答えろ!!」
ギリギリと金属がすれあう音、この音がどちらも力を込めていることがわかる
刀を上手く傾け、エースの攻撃をそらし、できた隙でバックステップで距離をとる
「やりたくはないが、やるってんなら相手になるぜエースさん♪」
「初めて合ったときとずいぶん違うな君は」
一人称が“僕”だったのが、“俺”へと変わっているし、初めて合ったときと違ってペラペラと喋るタイプに変わっているのが、エースにはわからなかった。
「別に二重人格とかそういう訳じゃないんだ、ただこの方が都合がいいからな」
「都合?」
「まあそれはどうでもいいじゃねぇか、いま聞いてるのはやるのかやらないのかどっちだ?」
「僕が聞いてるのは君が能力者がどうかだ」
「質問ばっかされんのは好きじゃないな、まあ今答えんでもじきに分かるさ」
そう言って俺はまたカードを取り出した。
「待て、まだ話は終わっていない」
「じゃあな」
エースの呼び掛けに止まることなく、俺はまたテレポートでその場から消えた。