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中立際ⅠーⅧ

すいません、風邪をひいて投稿が遅れました。


沸く会場、罵声を言う隠れファン、キャーっと騒ぐ観客(主に女子)呆れて果てた状態の僕と綾


そんな中、見事なまでに宣言された春は未だに状況が掴めずにいた。


「恋に落ちるって……私が?」


首を縦に動かす対戦相手


「えーと君に?」


「他には誰もいないだろう」


「うん、まあそうだけど……きっと勝てないよ私には」


「それはどうだろうね、さあ始めようか!審判さん合図を」


完璧に空気だった審判も、焦るように右腕を上げて両者の間を割るように降り下ろした。


「始め!」


春は合図と共にバックステップで距離を取る。


相手の能力がわからないのではまずは後ろに下がる、慎重な性格の春らしい。


冬花と僕なら先手必勝と言いながら突っ走るだろうなと思いつつ苦笑いを浮かべた。


男はそれを見て手のひらを春の方に向け、腰をぐっと下げ、後ろ足の膝をぎゅっと曲げる。


その途端、男は春との距離を一気に詰め、さらには春を2メートルほど吹っ飛ばしていた。


膝を曲げたと僕が認識してから、一秒足らずで移動+攻撃までやってのけたのだ。


「春美さん!」


ガバッと立ち上がり、心配そうに名前を叫ぶ。


僕は立ち上がりもせずに両肘を膝にのせ、そこから顎を手のひらの上へのせたまま動かない。


春よりさっきの相手の動きが気になっていた。


そんな僕に綾は焦るように促す。


「つ、つな君!春美さんが危ないよ!」


「大丈夫だよ、あの程度の攻撃なら春はいつも稽古の時に受けているし、ワントゥワンの時に着ている服によって軽減もされるからね」


僕が言った通り、春はよっこらせと言わんばかりに立ち上がり、服に付いた土をパンパンと払う。


予想していた通りダメージはさほどないようだ。


「あれって衝撃とかも軽減されるの?」


あれとはワントゥワンで着用する服のことで、以前冬花から聞いた話では大怪我を防止するために、魔力や衝撃を軽減する素材で作られているらしい。


「大事な生徒を傷つけたくないとのことだってさ」


「なるほどーでも春美さん大丈夫?相手に押されてるように見えたけど……」


ホッとしたり心配したりと豊かな感情表現をする綾だが、綾の心配することなど春には無用だ。


僕は立ち上がってた綾をまあまあと言って座らせて続けた。


「大丈夫だ……春美ならもう相手の能力にだいたい目星はついてるから、もう不覚はとらないさ」


僕はそう言いながら、ニヤリと戦況を見つめていた。

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