表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/36

中立際ⅠーⅤ

ジャパンカップ、兵庫スイングスマイリーズ優勝!!


学内に仕掛けられた爆弾を探すために、エースとは二手に別れた。


捜索範囲は俺が普通科でエースが能力科である。


爆弾を停止したら互いに連絡するということになったり、早くも普通科に着いたのだが、俺は口を開けたまま呆然としていた。


理由は簡単で……


「こんな所に仕掛けるとは……なめられてるな」


ぼやくのも無理もない、何せ普通科の昇降口に仕掛けられていたのだから。


さっそく爆弾に近づき爆弾魔の言う通り青のボタンを押す。


するとさきほどまで鳴っていた電子音が止まり、それを確認してから俺は安堵した。


「まず一個目、そんじゃスピードアップするとしますか」


トポスからサーチのカードを取り出し、ゆっくりと地面に落とした。


サーチのカードはまるで水面に溶け込むように消え、俺はそれを確認するとゆっくりと目を閉じる。


それから脳内に流れるは学内をワイヤーフレームでとらえた映像が流れ、一分前に見た爆弾の記憶を同じくワイヤーフレームで解析し、検索対象と設定した。


詳細なども全て頭で処理して全ての設定が終わると俺はゆっくりと口を開いた。


「サーチオン……」


脳内に検索情報が瞬く間に流れ、次に脳の回路を駆け巡る、鋭い痛覚がするがまだサーチは終わっていない。


痛覚に耐えつつも、脳内で検索情報を完全に処理するのを待つ、次第に痛みは激しさを増し、強い吐き気までが込み上げる。


(まずい……立ってることすら……ままならねぇぞ……)


足元がふらつき始め、やがて平衡感覚を失い、サーチが終了した瞬間、体が後ろに倒れようとしたのを誰かが倒れる俺の体を支えてくれた。


「はぁはぁはぁ………ははは、悪ぃな」


微かに開いた目で捉えたのは、今にも泣き出しそうな春だった。


「もう、剣君のバカ!あれだけサーチの過剰使用はダメだって言ったのに!」


「ごめん、ごめん……どうしても…使わなきゃならなかったんだ」


サーチが終了したせいか、痛みは引いていき、吐き気もゆっくりと溶ける様に消えていった。


「剣君、大丈夫?」


「ああ、サーチの副作用もだいたい治ったし、もう大丈夫だ」


よっこらせと立ち上がり、体をグーっと伸ばす。


そんな俺を見てか、春も泣き出しそうな顔は消えていた。


「驚いたよ、サーチのカードが過剰使用の反応がして走ってきたら剣君がふらふらして倒れるし」


「いやー、サーチの副作用があんなにキツいとは知らなかったよ、以後気を付けるからさ、サーチの複製頼んでいいかな?」


申し訳なさそうに頼むが、春は頬を膨らませ、ぷいっとそっぽを向いてしまった。


はぁっと春に聞こえない程度のため息を吐いた俺は、ゆっくりと春の頭を撫でる。


「春……サーチの過剰使用はほんとに悪かった、でもな仕方ないことだったんだ、俺の目的ためには春の力がどうしても必要なんだ」


「……わかってるよ、剣君が毎日辛いことばかりして、それを乗り越えるには私の能力が必要なこともさ……だから、作っておいてあげるね」


そんな春の優しさに甘え、俺は片手を上げながら別れようとした時、ぐっと春に腕を握られた。


「な、何?」


「何?じゃないでしょ、何したの剣君?」


「いやーこの前落としたボールペンを……」


「ボールペンじゃないでしょ?もしもほんとにボールペンで、私のサーチをそんなことに使ったなら、今後カードは一切作らないよ♪」


春のジェノサイドスマイル(攻撃8割をしめる)に冷や汗が流れ出る。


「あ、いや、その………」


ただたじろいている俺にトドメの一言。


「これから一生涯軽蔑するよ♪」


話すしかなかった。



次回は明日か明後日の18時頃にあげる予定です。


18時にあげるのはなぜか変わらないんですよねー(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ