中立際ⅠーⅢ
この暑さはいつまで続くんでしょうね(-_-;)
「さてと、どうするよコイツら?あんまり力込めてないのに気絶しちまったな」
頭をぺちぺちと叩くが起きる気配はない。
「先生方に引き渡すとしよう、僕らが管理するよりは安心だろう、僕も試合には出なきゃならないしね」
携帯を取り出し、その先生方とやらに電話を入れた。
さすがの先生方も驚いた様子で風紀委員長を送るとのこと。
現在中立祭の真っ只中、そう人員をさけるものではない。
「これで数分もすれば風紀委員長が来るだろう」
「あっそ、じゃあその数分の間俺の一つの疑問にでも答えて時間を潰すのはどうだ?」
エースは少しだけ考え首を縦に振った。
「疑問は簡単さ、何で俺を二人組の戦闘に加えた?お前の実力を知ってる訳じゃないが、さっきの戦闘を見てわかった、あの程度お前一人で十分すぎるはずだぜ、何か裏があるんだろ?」
「なるほど、だが君の質問には答えることは出来ないな」
予想通りの答えだった。
「そうだろうな、まあ最初から聞けるわけもないとは解ってたけどな」
はぁっとため息を吐きながら、両手を上げてお手上げ示した。
それからトポスに刀を入れてカードを取り出しいつでも使えるようにポケットに入れる。
「中立祭に戻らなくてもいいのかい?風間さんの妹の試合を見るなら戻った方がいいだろう」
「大丈夫だよあいつの初戦は昼からだし、風紀委員が来たら逃げるさ」
「だが、そんな悠長なこと言ってられないよ、もうそこまで来てる」
エースの言葉に反応し、エースを手でドアから体半分出すようにして影から除くと微かに風紀委員のワッペンをしている生徒がこっちに手を振りながら走って来るのが見えた。
エースは笑みを浮かべながら手を振り返し、俺はポケットのカードでその場を離れようとした時だった……
走る風紀委員の横の教室が刹那の光を発した瞬間。
ドォォォォォォォン!
轟音と共に教室が吹き飛ぶように爆発し、風紀委員会長は巻き込まれて壁に叩きつけるように吹き飛ばされ、床に落ちた時には煙に包まれた。
「……なっ……」
「う、嘘…だろ……」
一瞬の出来事で、爆発が起きたと理解するには時間がかかったが、爆発が起きたということを認識した瞬間、俺とエースは一目散に駆け出していた。
「伊場!会長は任せた、俺は爆発の起きた所に行く!」
「わかった!」
トポスから刀を取り出し煙が立ち込める中に突っ込み煙を振り払うように刀を振る。
しかし煙がそれで払われることは無く、そこに第三者がいたかも確認ができなかった。
急いで倒れている風紀委員会長の元に行き、トポスから出したカードを掲げた。
「ヒール!」
会長の体を治癒の光が包み込むが、全身に負傷している応急処置ほどにしか過ぎない。
「救急車を手配する、それまで医務室の処置で何とかしよう」
エースと会長をかかいあげて運ぼうとした時に瓦礫の山に何かが落ちているのことに気づいた。
会長をエースに任せ、拾い上げたのはハガキサイズのカードでそこに書かれていた物を読んだ時、俺は言葉を失った。
「どうしたんだい?」
「…………」
スッとエースの前にそのカードを出すと、俺同様エースは言葉を失った。
【被爆者 倉野 相馬】
と風紀委員会長の名前が書かれていたあった。
今回も女子プロ野球のことです(^-^)/
まだまだ知名度が低いのですが、高校野球みたいに何が起きるかわからないのが凄く楽しみいです。
是非皆さんも一度見に来てください。