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美香

これから前書きと後書きでまったく関係のないことを呟いていきたいと思います(笑)

一歩一歩階段を登り、護符が貼られた部屋に前に立つ。


勝手に入る者に感知して作動するブザーのような護符だ。


護符を上手く剥がし、扉をゆっくりと開けて顔だけ覗き込むように出した。


「ふふふ、何泥棒みたいな真似してるんですか?」


まるで待っていたかのように、部屋のベッドに半身を起こした少女は微笑んだ。


「寝てたら悪いなと思ってさ、元気そうだな美香」


「はい、二日間とも寝てましたからね平日よりはましです」


そうかと、ほっとした俺は部屋にある椅子を美香の前まで移動させて座る。


まあ積もる話もあるだろう、どうせ明日から中立際だし疲れたってかまやしない。


「十さん、さっき春美さんも来てたんじゃないですか?」


「ああ、何か顔から煙が出たから先に帰ったよ」


「ええ!か、か、顔から煙が出たんですか春美さん!」


明らかに説明不足だったが、別に嘘は吐いていない。


俺が見た時はすでに蒸気機関車の準備はできていた。


そんなもん止めようがない。


「まあ大丈夫だ、毎年起こる現象みたいなもんだ」


「そうなんですね……」


少しだけ顔をひきつらせながら笑う美香。


「どうせお母さんですよね、お母さんったら、十さんにも何か失礼しませんでしたか?」


「大丈夫さ、俺はそう簡単に餌食になったりなんかしないからさ」


そう言うと、美香は満面の笑みを浮かべて上品に笑い、俺も連れられて笑ってしまった。


「まったく相変わらず素敵な笑顔だな美香は」


「そんなことないですよ、春美さんも冬花さんも素敵な笑顔ですよ」


「だとしても、美香の笑顔だけは特別だと思う、相手まで笑顔になっちゃうからね」


「じゃあそういうことにしときましょ、私も誉められてた方が嬉しいですし」


「そうそう、人が誉めてるんだから素直に誉められとけ」


そう言って立ち上がった俺は椅子を元の位置に置いた。


「もうそろそろ帰るわ、長居して体調悪くさせてもダメだしな」


「わかりました、今日はありがとうございました、十さん、いつものあれいいですか?」


笑顔で首を縦に振り、俺は美香の頭を後ろからそっと手を当て自分のほうに寄せていく。


そのまま美香は俺の胸に顔を埋めた。


頭の後ろに当てていた手を背中にスライドして、ポンポンとリズムを刻むように叩いていく。


いつも美香と会った時にすることでこうすると落ち着くとのことで、二人っきりの時はずっとこうしているのだ。


「…………」


しばらく無言の状態が続いた頃だった。


「……ぐすっ…ひっく…」


小さな小さな嗚咽が、目の前の小さな少女からこぼれた。


「十さん……私のこの体治るんでしょうか?母はきっと治るからめげずに頑張りなさいって言いますけど……わたっ!」


美香が全てを言い終わる前に、俺が人差し指を隙間から差し込むようにして口に当て口を閉ざした。


それからゆっくりと優しく両手を回し美香を包みむようにした。


「大丈夫だ、美香の体はきっと元気になるよ、もうこれ以上俺の親しい人に手出しはさせない、そしてきっと美香を助け出して見せるよ、君の元凶は俺が潰しやる」


「……ぐすっ………ふふふ、約…束……ですよ…」


「ああ、また元通りになったら皆で遊びに行こう!」


胸の中に埋めた頭が縦に揺れるのを確認した俺は、美香を落ち着くまで見てからベッドに寝かせ、決意を新たに雑貨屋・美鈴を後にした。

最近服がほしいと思ってネットをみたけど、サイトとかあまりに知らなすぎてた。

何があるんだろう?

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