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商店街にて

時は過ぎ放課後


僕は綾と商店街に来ていた。


多くの老舗が並ぶこの商店街は、無能力者達が訪れる場所


中立魔法学園から少し離れた場所に位置する


近くにあるスーパーマーケットの全てが能力者以外立ち入り禁止になっているのだからしょうがない。


まあ、これはこれで商店街内の助け合い精神が出ていいのだけど



僕と綾が初めに来た場所は八百屋で、野菜を吟味中


「長ネギはあるから、白菜に水菜だね」


「白菜は黒い点がついてるものがよくて水菜は青と白のコントラストがはっきりしているものがいいから………これだな」


野菜を持上げ、ざるに入れる


「ほぉー、兄ちゃん物知りだね、てか綾ちゃんじゃないか」


「ご無沙汰してますおじさん」


「ついに綾ちゃんにも彼氏が出来たか、なかなかのイケメンじゃないか」


ニヤニヤしながら八百屋のおじさんは綾を肘でつつく


つつかれた綾は顔を真っ赤にして、何かを喋っている


そうか、僕が彼氏っていうのを否定したいんだな


そうだよな、ここで変な誤解をされたらたまんないよな


よし、ここは男の僕がいかなきゃな


「俺みたいなのが彼氏なわけないじゃないですか」


「つな君………」


僕の言葉を聞いた綾は、とてつもなくがっかりした表情を浮かべる


そしてやがて綾がすこぶる機嫌が悪くなる


「ふーん、そっかそっかーふーん、そうなんだね十君!」


「え!?何故急に呼び名が変わってるんすか綾さん?」


「別にー、十君だって綾さんって呼んでるじゃないの」


「いや、それはまあノリでってか、もう僕の扱いも変わってませんか!?」


「知らない!!」


プイッとそっぽを向いてすたすたと歩いていく。


それから10分間、綾は僕と間は無言だった



「綾、機嫌なおしてくれよ」


「別に機嫌悪くなんてないもん」


いやいや明らかに機嫌が悪いだろ


一体何で機嫌が悪くなったのだろうか?


等とあれやこれやと悩んでいると僕に綾は急に歩みを止め僕の方を振り向く


「十君、この際聞きますけど、私のことどう思ってるの」


「は!?何だいきなりどうしたんだ?」


「いいから答えて」


(ん?どう思ってるのってどういうことだ?綾の印象を答えろってことかな)


ぐるぐると頭を回転させる。


(うー、変なこと聞いちゃったよ、内容もそうだけど、タイミングとかも最悪だよ、でも、これくらいのこと聞かなきゃこの唐変木は気づかないだろうし)


こちらはこちらでテンパってるようだった。


二人の間に変な間が開き、俺は答えた。


「綾は可愛いよ」


「へ!?」


予想外の言葉に驚く


そしてその顔を見た俺は聞こえてないと思った俺はもう一度言う


「だから、綾は可愛いって言ったんだけど」


もう一度言うと、綾は身を乗りだす


「つな君!!も、もう一度言ってください!!」


お、呼び名が戻った


「え!?綾は可愛いよって言ったんだよ」


「そ、そっか、私が可愛いか///えへへ///」


顔を赤らめながら何度も可愛いという単語をくり返した綾は、スキップをしながら帰り道を進んでいく


少し違和感を感じたが、まあ機嫌が直って何よりだ


商店街での買い物を終えた俺と綾は、綾の家に向うこと15分、綾の家に到着


「ただいま♪」


「おじゃまします〜」


玄関に入って靴を脱ぐと、リビングから威勢のいい声がして、一人の男性が出てくる。


「おお剣士、よく来たな!!」


「お久しぶりです、おじさん、今日はごちそうになります」


「おう、たんと食うんだな、食材を持ってこい準備するぞ」


「ラジャー!!」


食材を置いて、ブレザーを脱いで、椅子にかけてあったエプロンを取って、ブレザーを椅子にかける。


ワイシャツのネクタイを緩め、袖のボタンを外し肘辺りまで捲る。


最後に、取ったエプロンを着けて準備完了。


膝元の扉を開けて、包丁の持ち手の部分に中指を引っかけ、上に弾いて飛ばす。


落ちてきた包丁を右手で取って、野菜をざくざくと切っていく。


野菜を切り終えると、ざるに入れて、鍋に入れる他の食材の下ごしらえを手際よくこなしていく。


(はぁ〜素敵だな///)


ぽぉーと頬赤らめ、僕を見詰める綾


突っ立っている綾だが、別に料理ができないというわけではない、ましてや材料の下ごしらえなので、できないわけない。


ただ単純に僕が一般的な女子よりできるだけだ。


「よし、終わりっと♪」


下ごしらえが終わり、材料が入ったざるをテーブルまで運ぶ


「さぁ、野郎ども食うぞ!!」


「「おおー」」

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