第一部 春の巻 新しい年、新しい不満、新しい恋の予感。 一月 新年早々、人生は平常運転
1日 元旦
あけまして
今年こそはと
願うけど
去年の私が
まだ布団にいる
美咲の新年の抱負は、健康、貯金、恋愛、仕事の充実。
ただし、午前十一時まで寝ていた。
2日 正月太り
お餅食べ
おせちを食べて
またお餅
体重計とは
しばらく他人
3日 初売り
福袋
夢を詰めたと
買ったけど
中身を見れば
在庫の同窓会
4日 財布の悲鳴
正月の
楽しい記憶
残るけど
カードの請求
夢から覚ます
5日 仕事始め
休み明け
会社の席に
座ったら
パソコンだけが
私を覚えてる
6日 上司の新年挨拶
今年こそ
効率上げると
課長言う
まずはあなたが
会議を減らせ
7日 七草粥
七草を
食べて胃袋
休ませる
昨日のケーキは
別腹だった
8日 寒い朝
布団から
出れば負けだと
思う朝
電車の時間が
私を脅す
9日 満員電車
押されても
踏まれてもなお
会社へと
人間という
生き物は強い
10日 金曜日が恋しい
火曜日に
金曜の夜を
夢に見る
週末だけが
私の恋人
11日 美容の日
肌荒れを
隠すファンデが
厚くなる
素肌の私に
春は来るのか
12日 友人の結婚報告
また一人
友が花嫁
なってゆく
祝う気持ちと
焦る気持ちと
13日 成人の日
若者の
晴れ着まぶしく
眺めれば
私も昔は
夢見る乙女
14日 火曜日の憂鬱
仕事とは
なぜ終わらぬか
不思議だね
終わらぬ仕事に
増えない給料
15日 給料日
給料日
通帳開けば
一瞬の
喜びだけが
風のように去る
16日 寒波
寒すぎて
化粧の前に
心折れ
マフラーぐるぐる
顔まで隠す
17日 上司の無茶ぶり
すぐできる
その一言が
重すぎる
あなたのすぐは
三時間です
18日 土曜日
休日は
予定を立てずに
過ごしたい
予定を立てると
疲れてしまう
19日 カフェ
窓際で
紅茶を飲めば
女王様
支払いの時は
庶民に戻る
20日 洗濯
晴れる日に
洗濯すれば
風が吹く
干した途端に
曇る空かな
21日 月曜日
月曜日
日曜の夜に
戻りたい
時計の針を
逆さに回せ
22日 健康診断
体重を
見なかったことに
したいけど
数字は無情に
紙へと残る
23日 会議
会議中
同じ話を
三度聞く
結論ひとつに
一時間かかる
24日 冬の夜
寒い夜
鍋を囲めば
幸せね
一人鍋でも
心は満腹
25日 給料日前
財布には
小銭ばかりが
住んでいる
月末近くは
もやしが友達
26日 日曜日の夕方
夕暮れに
明日の仕事を
思い出す
日曜の夜は
少し切ない
27日 恋愛アプリ
いいね来て
期待を込めて
開いたら
こんにちはだけで
会話が止まる
28日 残業
残業の
時計ばかりを
見つめてる
帰宅の先に
冷めた夕飯
29日 自分へのご褒美
頑張った
理由を探し
ケーキ買う
毎日何かに
頑張っている
30日 冬の星
冬空に
星を見上げて
願うこと
明日は少し
いい日になりますよう
31日 月末
一月の
日記を閉じて
振り返る
不満の数だけ
笑いもあった




