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令和女流歌人・花村美咲の和歌日記365日 ~三十歳、独身、会社員。笑って、怒って、恋をして。今日も五・七・五・七・七~  作者: さざ波和音


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第一部 春の巻  新しい年、新しい不満、新しい恋の予感。 一月 新年早々、人生は平常運転  

 1日 元旦


 あけまして

 今年こそはと

 願うけど

 去年の私が

 まだ布団にいる


 美咲の新年の抱負は、健康、貯金、恋愛、仕事の充実。


 ただし、午前十一時まで寝ていた。


 2日 正月太り


 お餅食べ

 おせちを食べて

 またお餅

 体重計とは

 しばらく他人


 3日 初売り


 福袋

 夢を詰めたと

 買ったけど

 中身を見れば

 在庫の同窓会


 4日 財布の悲鳴


 正月の

 楽しい記憶

 残るけど

 カードの請求

 夢から覚ます


 5日 仕事始め


 休み明け

 会社の席に

 座ったら

 パソコンだけが

 私を覚えてる


 6日 上司の新年挨拶


 今年こそ

 効率上げると

 課長言う

 まずはあなたが

 会議を減らせ


 7日 七草粥


 七草を

 食べて胃袋

 休ませる

 昨日のケーキは

 別腹だった


 8日 寒い朝


 布団から

 出れば負けだと

 思う朝

 電車の時間が

 私を脅す


 9日 満員電車


 押されても

 踏まれてもなお

 会社へと

 人間という

 生き物は強い


 10日 金曜日が恋しい


 火曜日に

 金曜の夜を

 夢に見る

 週末だけが

 私の恋人


 11日 美容の日


 肌荒れを

 隠すファンデが

 厚くなる

 素肌の私に

 春は来るのか


 12日 友人の結婚報告


 また一人

 友が花嫁

 なってゆく

 祝う気持ちと

 焦る気持ちと


 13日 成人の日


 若者の

 晴れ着まぶしく

 眺めれば

 私も昔は

 夢見る乙女


 14日 火曜日の憂鬱


 仕事とは

 なぜ終わらぬか

 不思議だね

 終わらぬ仕事に

 増えない給料


 15日 給料日


 給料日

 通帳開けば

 一瞬の

 喜びだけが

 風のように去る


 16日 寒波


 寒すぎて

 化粧の前に

 心折れ

 マフラーぐるぐる

 顔まで隠す


 17日 上司の無茶ぶり


 すぐできる

 その一言が

 重すぎる

 あなたのすぐは

 三時間です


 18日 土曜日


 休日は

 予定を立てずに

 過ごしたい

 予定を立てると

 疲れてしまう


 19日 カフェ


 窓際で

 紅茶を飲めば

 女王様

 支払いの時は

 庶民に戻る


 20日 洗濯


 晴れる日に

 洗濯すれば

 風が吹く

 干した途端に

 曇る空かな


 21日 月曜日


 月曜日

 日曜の夜に

 戻りたい

 時計の針を

 逆さに回せ


 22日 健康診断


 体重を

 見なかったことに

 したいけど

 数字は無情に

 紙へと残る


 23日 会議


 会議中

 同じ話を

 三度聞く

 結論ひとつに

 一時間かかる


 24日 冬の夜


 寒い夜

 鍋を囲めば

 幸せね

 一人鍋でも

 心は満腹


 25日 給料日前


 財布には

 小銭ばかりが

 住んでいる

 月末近くは

 もやしが友達


 26日 日曜日の夕方


 夕暮れに

 明日の仕事を

 思い出す

 日曜の夜は

 少し切ない


 27日 恋愛アプリ


 いいね来て

 期待を込めて

 開いたら

 こんにちはだけで

 会話が止まる


 28日 残業


 残業の

 時計ばかりを

 見つめてる

 帰宅の先に

 冷めた夕飯


 29日 自分へのご褒美


 頑張った

 理由を探し

 ケーキ買う

 毎日何かに

 頑張っている


 30日 冬の星


 冬空に

 星を見上げて

 願うこと

 明日は少し

 いい日になりますよう


 31日 月末


 一月の

 日記を閉じて

 振り返る

 不満の数だけ

 笑いもあった



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