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1章 1話 何もできなかった
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないーーーーー
冬の冷たい水温にあてられた肺からは次々と酸素が吐き出され、その空白を埋めようと呼吸を試みるが肺呼吸である自分には到底無理である。必死にもがいてなんとか水面に這い上がるが、焦りからか上手く息が吸えない。服も水を含んだことで重みを増し、徐々に体力を奪われていく。
死の間際に直面してようやく理解する。自分が漠然と望んでいた死はこんなにも恐ろしいものだと。今、俺の顔はどうなっている?さぞ醜い顔をしていることだろう、なんと滑稽なんだろう。気づくのが遅かった。いや、気づかないふりをしていた。何もない自分にはこれしか方法はないと勝手にきめつけていたこと。
今思えば毎日幸せだった。小さな幸せにさえ目を向けることもできなかった。
目に涙がたまる。水に溶けていく。
志高葵という存在が湖と同化しようとしている。
ただ逃げたかっただけなのに。ただ自分を確立する何かが欲しかっただけなのに。
それ以上のことを求めて強欲で傲慢な態度をとってしまって
「ごめんなさいーーー」
この世界での志高葵の記憶の記録は終わりを告げた。
魂の転加を始めますーーーーー




