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軌道エレベーターの管理人たち〜地上コンシェルジュは、宇宙(そら)の英雄に恋をする  作者: ざつ


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第27話:宇宙レストランでダブルデート(前編)

 その週末、ユウキとアキ、そしてルナとカイの四人は、軌道エレベーターを昇り、宇宙のレストランへと向かっていた。


 ユウキとアキは、普段とは違う、私服姿のルナとカイを見て、少しだけ新鮮な気持ちになっていた。





 エレベーターがゆっくりと上昇を始めると、ユウキは無意識のうちにアキの腕を強く掴んだ。彼女の顔は、ほんのわずかに強張っている。



 宇宙への恐怖症は、過去のエピソードで克服したはずだったが、それはあくまで仮想体験でのこと。本物のエレベーターで、地上から離れていく感覚は、想像以上に彼女の心を揺さぶった。


 隣にいたルナが、ユウキの様子に気づき、心配そうな顔で尋ねた。


「ユウキ、大丈夫?もしかして、宇宙、怖い…?」


 ユウキは、ルナの言葉に、精一杯の笑顔で応える。


「ううん、大丈夫!ぜーんぜん怖くないよ!だって、アキくんも、ルナも、カイも、みんなと一緒にいるんだもん。一人じゃないから、全然平気だよ!」


 ユウキはそう言ったものの、握りしめたアキの腕の力が、わずかに強まっているのを、ルナは見逃さなかった。ルナは、ユウキの強がりを理解し、そっと彼女の手の上に自分の手を重ねた。


「そうですね!みんなで美味しいものを食べましょう!」


 ルナの明るい声と、彼女の温かい手の感触が、ユウキの緊張を少しずつ解きほぐしていく。ユウキは、そんなルナの優しさに、心の中で感謝した。


「ルナ、そのワンピース、すごく似合ってる!いつもと雰囲気が違って、とっても素敵!」


 ユウキがそう言うと、ルナは、少しだけ照れたように微笑んだ。


「えへへ。ありがとう、ユウキ!でも、これ、カイに『宇宙服みたい』ってからかわれたの!」


 ルナがそう言って、カイをにらみつける。


「なんだよ、事実だろ。星を散りばめたようなデザインで、まさに宇宙服じゃないか」


 カイは、そう言って、楽しそうに笑った。ルナは、そんなカイの言葉に、ますます頬を膨らませた。


「もう!カイの意地悪いじわる!」


「…ふふ。ルナ、いつの間にか、カイさんのこと、呼び捨てにしてるんだね」


 ユウキがそう指摘すると、ルナは、顔を赤くして、慌ててカイから距離を取った。


「そ、そんなことないですよ!ユウキ!」


「嘘つけ!この間まで『カイさん』って、ちゃんと言ってただろ」


 カイが、さらにルナをからかうように言うと、ルナは、顔を真っ赤にして、カイの腕を叩いた。


「もう!黙ってください!」


 四人が、他愛のない会話をしていると、エレベーターは、宇宙のレストランがあるセクターに到着した。


 扉が開くと、そこには、窓の外に広がる満天の星空と、地球が青く輝く、絶景が広がっていた。


 ユウキは、思わず息をのんだ。本物の宇宙の絶景は、ユウキの想像をはるかに超えていた。


「すごいだろ?お前、宇宙が怖いって言ってたけど、大丈夫か?」


 アキは、心配そうにユウキの顔を覗き込んだ。ユウキは、アキの言葉に、静かに首を横に振った。


「うん。全然怖くない。だって、アキくんが隣にいてくれるから」


 ユウキの言葉に、アキは、満足そうに微笑んだ。


 ルナとカイも、窓の外の景色に見入っていた。


「…何度見ても、感動するな」


 カイは、静かにそう呟いた。


「…そうですね。でも、私は、やっぱり地球が好きです。地球の美味しいご飯とか、温かい太陽とか、風とか…」


 ルナは、そう言って、少しだけ寂しそうに微笑んだ。


 ルナは、月のコロニー「ルナステーション」の出身だ。地球への想いが強い彼女にとって、この景色は、少しだけ切ないものなのかもしれない。


 ユウキは、ルナの言葉に、優しく微笑み、ルナの手を握りしめた。


「大丈夫だよ、ルナさん。地球には、美味しいものがいっぱいあるから。今日のダブルデート、美味しいもの、たくさん食べましょうね!」


 ユウキの明るい声に、ルナは、笑顔を取り戻した。


 四人は、窓際の席に案内され、席に着いた。メニューを広げると、そこには、宇宙ならではの珍しい食材を使った料理が並んでいた。


「ユウキ、私は、宇宙食のパイにしようかな!見た目はちょっと変わってるけど、美味しいらしいの!」


 ルナが、嬉しそうにメニューを指さす。


「うん!私も、それにしようかな!アキくんは、どうする?」


 ユウキが尋ねると、アキは、静かにメニューを見つめていた。


「…俺は、普通のステーキでいい」


 アキは、そう言って、微笑んだ。ユウキは、そんなアキの、堅実な性格を改めて愛おしく思った。




 四人は、それぞれの料理を注文し、料理が運ばれてくるのを待った。




 窓の外の絶景を眺めながら、四人の会話は、ますます弾んでいった。




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