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軌道エレベーターの管理人たち〜地上コンシェルジュは、宇宙(そら)の英雄に恋をする  作者: ざつ


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第25話:仕事とプライベートの交錯(前編)

 その日、ユウキとアキは、エレベーターの運営会社が開催する社内交流会に参加していた。


 普段、地上駅で働くユウキと、運行管理室で働くアキは、部署が違うため、職場で顔を合わせることはほとんどない。ユウキは、色とりどりのカクテルが並ぶ会場で、アキの隣に立っていた。


「アキくん、このカクテル、すごく綺麗だね!宇宙の星空みたい!」


 ユウキは、グラスの中の青いカクテルを眺めて、目を輝かせた。


「…そうか?ただの色水だろ」


 アキは、そう言って、少しだけ視線を逸らした。ユウキは、そんなアキの不器用な反応に、思わずクスリと笑った。


「もう!アキくんは、そういうこと言うんだから」


 ユウキは、そう言って、アキの腕にそっと自分の腕を絡ませた。


 その時、ユウキの同僚であるルナと、アキの同僚であるカイが、二人の元へやってきた。


「ユウキさん!やっぱりここにいたんですね!それに、高遠さんも!」


 ルナは、満面の笑顔でユウキに駆け寄った。


「お前ら、仲良しだな」


 カイが、ルナをからかうように言うと、ルナは、少しだけ頬を膨らませた。


「当たり前じゃない!ユウキさんは、私の大切な先輩なんだから!」


 ルナの言葉に、ユウキは、嬉しそうに微笑んだ。


「お前は、いつも楽しそうだな」


 アキがそう言うと、ルナは、少しだけ照れたように俯いた。


「だって、ユウキさんとアキさんが、毎日、たくさんの人の夢を宇宙に運んでくれるから。私たち、コンシェルジュは、その夢を、お客様に届けるのが仕事だもん!」


 ルナの言葉に、ユウキとアキは、お互いの顔を見合わせた。二人の仕事は、全く違う場所で行われているが、ルナの言葉を聞いて、二人の仕事が、一つの大きな夢を支えていることを、改めて実感した。


「すごいね、ルナ。なんだか、私、ルナの言葉を聞いて、自分の仕事に、もっと誇りを持てる気がする」


 ユウキがそう言うと、ルナは、嬉しそうに微笑んだ。


「当然ですよ!ユウキさん!それに、高遠さんだって、すごいんですから!管制室かんせいしつにいる時、みんなに頼りにされていて、まるで宇宙の英雄みたいなんですよ!」


 ルナの言葉に、アキは、顔を真っ赤にして、カイに助けを求めるように視線を送った。カイは、そんなアキの様子を面白そうに見て、肩をすくめた。


「まあ、ルナの言う通りだ。こいつは、口数は少ないが、仕事には誰よりも真面目だからな。それに、この間のシステムエラーの時も、こいつがいなかったら、とっくにエレベーターは止まっていた」


 カイの言葉に、ユウキは、驚きと尊敬の入り混じった表情で、アキを見つめた。アキは、ただ静かに、恥ずかしそうに下を向いている。


 ユウキは、普段見ることのないアキの仕事での姿を、同僚の言葉から知り、彼の仕事の重さと、情熱を改めて感じた。


 そして、アキの不器用ながらも、人々の夢を守るために奮闘する姿を、誇りに思った。






 ---





「ねえ、ルナ」


 アキとカイが談笑している隙を見て、ユウキはルナの耳元に顔を寄せた。


「最近、カイさんと、どうなの〜?」


 ユウキがそう囁くと、ルナは、顔を赤くして、慌てて首を振った。


「な、なんですか、ユウキさん!そんなことありませんよ!」


「もう、そんなに慌てて。二人が一緒にいるの、なんか、すごく自然な感じがするんだもん」


 ユウキがそう言うと、ルナは、グラスに口をつけ、少しだけ視線を逸らした。


「そ、そうですか…?でも、あんなに口うるさくて、いつも私をからかう人なんて、他にいませんよ!」


 ルナは、そう言って、カイをチラリと見た。その瞳には、嫌そうな表情とは裏腹に、どこか嬉しそうな光が宿っている。


「…ふふ。それって、ルナがカイさんのこと、意識してるってことじゃない?」


 ユウキがさらにからかうように言うと、ルナは、もう一度顔を赤くして、ユウキの腕を軽く叩いた。


「もう!ユウキさんったら、意地悪いじわるですよ!」


 二人は、楽しそうに笑い合った。


 その笑顔は、仕事の厳しさから解放された、プライベートの顔だった。ユウキは、ルナとの他愛ない会話を楽しみながら、アキとの関係性だけでなく、同僚との関係性も、少しずつ深まっていることを実感した。



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