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軌道エレベーターの管理人たち〜地上コンシェルジュは、宇宙(そら)の英雄に恋をする  作者: ざつ


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第22話:雨上がりの虹(後編)

 アキが虹と運行管理の関係を語り終えると、ユウキは、まるで初めて虹の存在を知ったかのように、じっと空を見上げていた。


「へぇ…。じゃあ、私たちがこうして見る虹も、アキくんの仕事と関係があるんだね」


 ユウキの言葉に、アキは、少しだけ照れたように頷いた。


「…まぁ、そうだな。俺たちが仕事で守っているのは、空の安全だけじゃない。地上にいる、みんなの日常も、守っているんだ」


 アキは、そう言って、ユウキの瞳を真っ直ぐに見つめた。その言葉には、ユウキへの深い想いが込められていた。


 二人の仕事は、別々の場所で行われているが、お互いの仕事が、それぞれの日常を支えている。そして、その日常の延長線上に、二人の未来があることを、この虹が示しているようだった。


「…すごい。アキくんの仕事って、本当に、ロマンチックだね」


 ユウキは、そう言って、アキの腕にそっと自分の腕を絡ませた。


「そうか?」


 アキは、ユウキの言葉に、少しだけ戸惑ったような顔をした。

 アキにとって、運行管理の仕事は、緻密ちみつで、常に緊張を強いられる、ストイックなものだった。


 しかし、ユウキの言葉を聞いて、アキは、自分の仕事が、ユウキにとって、こんなにも温かい意味を持つものなのだと、初めて知った。


「うん!だって、アキくんが頑張ってくれたおかげで、この虹を、こうして見ることができてるんだもん。なんだか、アキくんが、宇宙から私にくれた、プレゼントみたいだ」


 ユウキは、そう言って、幸せそうに微笑んだ。アキは、ユウキの言葉に、何も言いかえすことができなかった。ただ、ユウキの頭を、優しく撫で続けた。


 二人は、カフェを出て、スーパーへと戻り、カレイの煮付けの材料を無事手に入れた。家に帰り、早速、夕飯の準備を始める。


「アキくん、カレイのうろこ取り、お願い!」


 ユウキは、そう言って、魚をアキに差し出した。アキは、慣れない手つきで、カレイの鱗を丁寧に取り始める。


「アキくん、そうじゃないよ!もっと優しく、ね?」


 ユウキは、アキの背後に回り込み、アキの手に自分の手を重ねて、優しく指導した。アキは、ユウキの温かい手の感触に、少しだけ頬を赤らめる。


「…お前、こういうの、得意だよな」


「うん!私、料理は得意なんだ。でも、魚の鱗は、アキくんの方が上手かも!」


 ユウキは、そう言って、アキをからかうように笑った。


 二人は、冗談を言い合いながら、カレイの煮付けを完成させた。食卓に並んだのは、湯気を立てるカレイの煮付けと、温かい味噌汁。


「美味しい…」


 アキがそう呟くと、ユウキは、嬉しそうに微笑んだ。


「ねぇ、アキくん。私、思ったんだけどさ…」


 ユウキは、そう言って、アキの手を強く握りしめた。


「うん」


「…雨上がりの虹ってさ、まるで、ケンカした後に仲直りする私たちみたいだね。最初は激しい雨で、もうどうしようもないって思うのに、雨が止んだら、こんなに綺麗な虹が見えるんだもん」


 ユウキの言葉に、アキは、思わず笑みがこぼれた。ユウキらしい、ロマンチックで、どこか突拍子とっぴょうしもない発想はっそう


「…そうだな。この前のケンカも、雨みたいだったな」


 アキは、そう言って、ユウキの頭を優しく撫でた。


「うん!だから、これからも、雨が降っても大丈夫。雨が止んだら、きっと、もっと綺麗な虹が見えるから」


 ユウキは、そう言って、アキの瞳を真っ直ぐに見つめた。ユウキの言葉に、アキは、胸の奥が温かくなるのを感じた。


「…私、アキくんのことが、もっと好きになったよ」


 ユウキの言葉に、アキは立ち止まり、ユウキの瞳を真っ直ぐに見つめた。アキは、少しだけ照れくさそうに、そして、深い愛情を込めて、そう言った。


「…僕もだよ、ユウキ。雨が降っても、ずっと、お前と一緒にいたい」


 アキは、ユウキを優しく抱きしめた。


 雨上がりの街を、二人は、ゆっくりと、そして温かい気持ちで歩いていった。

 そして、二人の心の中には、その日見た虹の光が、いつまでも輝き続けていた。



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