第13話:地上探検のダブルデート(前編)
週末の朝、高遠陽樹は、森野悠希の隣で、少しだけ緊張した面持ちで水族館の入り口に立っていた。
今日は、ユウキの提案で、ルナとカイも交えた4人でのダブルデートだ。
アキは、ユウキと二人きりで過ごす時間も好きだが、ユウキが楽しみにしているこのデートを、彼なりに楽しもうと思っていた。
「アキくん、大丈夫?顔が固いよ?」
ユウキは、アキの顔を覗き込み、心配そうに尋ねた。
「いや、大丈夫だ。…ただ、こういう場所は、あまり来ないから」
アキは、そう言って、少しだけ視線を逸らした。アキは、普段から感情をあまり表に出さないタイプだ。特に、大勢の人がいる場所では、その傾向が強くなる。
「大丈夫!きっと楽しいから!」
ユウキは、そう言って、アキの手を優しく握りしめた。ユウキの手の温かさが、アキの緊張を少しずつ解きほぐしていく。
その時、二人の目の前に、一台のタクシーが止まった。ドアが開き、ルナ=ヴァレンタインと、カイ=カーターが降りてきた。
「ルナ!」
ユウキは、ルナの姿を見て、思わず声を上げた。
ルナは、いつも職場で見かける制服姿とは違い、白を基調とした、可愛らしいワンピースを着ていた。月のコロニーでは、このような服を着る機会はほとんどなかったのだろう。
「ユウキさん! アキさん!」
ルナは、ユウキたちに気づくと、満面の笑みで駆け寄ってきた。
「ルナ、カイさん!久しぶり!」
ユウキは、二人に手を振って、出迎えた。アキは、少しだけ照れくさそうに、軽く会釈をした。
「アキさん!今日は、色々と教えてくださいね!」
ルナは、アキに、そう言って、屈託のない笑顔を向けた。アキは、ルナの素直さに、少しだけ戸惑いながらも、優しく頷いた。
「ああ。…よろしく頼む」
ルナは、少しだけ照れくさそうに、ユウキに微笑んだ。
「ユウキさん!どうですか、似合いますか?」
「うん!すごく似合ってる!可愛い!」
ユウキは、ルナの服装を素直に褒めた。ルナは、ユウキの言葉に、嬉しそうに微笑んだ。
ルナの隣を歩くカイは、ルナのワンピース姿に、一瞬だけ目を丸くした。彼は、不自然に咳払いをして、そっぽを向いた。
「おい、ルナ。相変わらず、変な格好してんな」
カイは、そう言って、ルナをからかう。
しかし、その声は、どこか落ち着かない様子だった。カイは、内心ではルナのワンピース姿にドキドキしていたが、それを隠そうとしているのが、ユウキには分かった。
ルナは、まだ地球の重力に慣れていないためか、階段を降りる際に少しよろめき、カイが慌ててルナの肩を支えた。
「大丈夫か、ルナ!」
「はい、カイ!…ちょっと、バランスを崩してしまって…」
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