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兄上。このままでは私は嫁にいけません。  作者: MINORI


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100/102

100:【100話記念小話】知らぬが仏~母クロエの慧眼

100話目です!

アイザックがブチ切れの所で何ですが、100話記念小話で現スタンレイ最強女子クロエの野望(?)を投下させて頂きます。


スタンレイ男子の恋愛回路が壊滅的に人より乏しいのは、すべての能力と神経が、魔力増大に回っているからかもしれない。



現スタンレイ侯爵ウィリアムの夫人であるクロエは、常々そんな考察に明け暮れていた。



自分の夫であるウィリアムは、スタンレイ男子の割には、まだ、恋愛回路がある方だとは思う。……のだが、一般レベルと比べると、特異性が高い感は否めない。


ウィリアムとの婚約が決まったのは、彼が12歳で私が10歳の時。


初対面での彼の最初の第一声は、「俺の娘を生んでくれ!」で、ひとまず横っ面をぶん殴ってお断りを入れた。名門軍閥家に生まれた私は、もともと騎士になる事にしか興味がなく、これで婚約はおジャンと、正直喜んでいたのに、ウィリアムは私のことを諦めず、私が諦めて結婚を承諾するまで「俺の娘を生んでくれ!」攻撃はやむことがなかった。


何故私を選んだのか、結婚式の誓いの場で問うたらば、返ってきた言葉は「カン」だったので、その場でもう一回横っ面を張り倒したのに、スタンレイの義父母は、「我々の時と同じだな」と、幸せそうに微笑んでいた。


(のち)に、義父母のなれそめを尋ねたら、義母が20歳の時、スタンレイ邸の敷地内西側にある湖のほとりで、当時25歳の初対面の義父に、出合い頭に求婚(プロポーズ)され、「無作法」と一喝の上、義父を湖に蹴り飛ばしたことがなれそめ、と、頬を染めて教えて下さった。私よりも見事な出会いですねお義母様……。



そんな二代当主の願いでもある、「スタンレイに是非とも娘を!」という願いは、義母も私も叶えることが出来ていない。



義母が生んだのは、男の子が二人。

私が生んだのは、男の子が四人。



スタンレイは男系一族とは知ってはいたが、ここまで女の子が生まれにくいとは、家に入るまで実感がなかった。娘を得るのは、次世代に期待を掛けるしかないように感じます。


義母の生んだ男子二人はさておき、私の生んだ男子四名が、この先結婚し娘を授かる期待度は……1勝2敗1引き分けと言ったところでしょうか……。



長男アイザックへの期待度は、0%。


アイザックは、人として生きてくれているだけで良い、と、母としてはそれ以上は求めていません。ですが、あなたはステラを見つけてくれた。私の娘を連れてきてくれたことは称賛に値します。グッジョブです。


ステラが、あなたの前に現れてから、あなたの心が育っているのが見えて、母は幸せです。あなたがステラをどう思っているかは、最初から母には見えていますが、母は、傍観を決めております。選ぶのは、ステラですからね。



次男イーサンへの期待度は、スタンレイ男子にしてはあるまじきな100%。


イーサンは甘ったれですが優しい子で、双子のネイサンを取られまいとステラに対抗しながら、ステラの事も大好きで、家族の輪を大切にする良い子です。


うちの曲者揃いの息子四人の中で、そうとは見えないけれど一番の常識人であるイーサンには、最近気になるご令嬢がいることも知っています。頑張るのですよ、イーサン! もう一人娘が増えることを母は期待しています!



三男ネイサンへの期待度は……う~~~ん。25%位でしょうか?


ネイサンはアイザックに追いつけ追い越せという位に、恋愛回路が死滅しているかと思ったら、ところがどっこい! 最近の追い上げと男っぷりの上がり具合に、母びっくり!


我が息子たちの男っぷりランキングで一気に一位に躍り出たネイサンですが、ステラも恋愛回路が壊れてるみたいですからね……。攻め方を考えないと、あの難攻不落な鈍感娘はあなたの想いには気付きませんよ。



四男ジョシュアへの期待度は、50%。


ジョシュアはスタンレイの血を持つにしては、生まれながらに恋愛回路が確立されていて、ステラへの「好き好き」光線を幼少期から照射し続けています。


問題は、最大の恋敵が長兄(アイザック)で、次点の恋敵が三男(ネイサン)、三番手恋敵が叔父(レオナルド)、ということでしょうね。でも、ジョシュアはスタンレイ家一番の策士ですから、今後の成長に期待しています。




「母上。その採点表は何ですか?」




いつもの考察と採点を邸のサンルームで行っていたら、ステラとビアトリスがぴょこりと顔を出しました。


あら、もうそんな時間だったかしら? 


今日は三人で女子会の約束をしてましたものね。「いらっしゃい」と二人を席に招いたのですが、二人の目は私の採点表に釘付けです。



「兄上が、0%―――?」

「鬼双子兄が、100%? 何の確率ですか、クロエ様?」



きょとんと眼を丸めるステラとビアトリスに、クロエは嬉しそうに微笑んだ。


基本的に他人に興味を持つことがほとんどない、スタンレイ男子の血を凝縮した星の元に生まれ、恋愛回路が壊滅というより、0.1グラムでもあるのかしら? と思っていた私の長男の、ただひとりの人であるステラ。


曲者揃いの四兄弟中、世間には一番の曲者と見られながら、実は一番の家族思いである次男が、ステラ以外で唯一自分の素を見せる女の子であるビアトリス。



二人の顔を見上げ、クロエは頬が緩むのを止められなかった。



「ふふふ」



私は娘を生むことは出来なかったけれど、娘には、恵まれるかもしれないわね。


どちらかが、いえ、どちらともが、うちの息子と結ばれて子を成してくれたら―――。私はこんなに愛らしい娘を二人も持つことが出来て、この子たちが産むかもしれない孫を愛でることが出来るのかしら?



「ご機嫌ですね、母上」

「とても嬉しそうですわね、クロエ様」



ご機嫌で嬉しいに決まっているじゃない!



「こんなに素敵な娘二人と一緒に女子会だなんて、私は果報者の幸せ者だと、喜びを嚙み締めているのですよ」

「まあ……クロエ様、光栄ですわ!」

「ふふふ。ビアトリスは本当に可愛いですね。もう、(うち)()になっちゃいなさいな」

「ええっ?! なります! なります!! ステラと姉妹になれて、クロエ様の娘になれるだなんて! どうしましょう!!」



キャー! っと声を上げて飛び跳ねるビアトリスはとても可愛いのですが、私の本気度をあなたはもうちょっと理解しなければいけません。


私は本気ですからね。


イーサンの本気度を確かめるより先に、ビアトリスは私の娘にすることを決定しましたから、とっととイーサンとの婚約話を纏めるため、クレセント侯爵家には速攻で特使を送る事に致しましょう。


ああ。待ち遠しいったらないですね。



「……母上。そのお顔は、何か、企んでいらっしゃいますね?」

「あらあら。ステラも含めてだから、楽しみにしておいてね?」

「え?」



あなたは、アイザックにスタンレイに連れて来られた時からずっと私の娘ですけれど、アイザックと縁を結んで、ずっと私の娘でいて欲しいんです。


アイザックが駄目なら、ネイサンでもジョシュアでもいいですからね?

あなたは絶対にスタンレイの、私の娘でいなければいけません。



二人は絶対に、他家へなど渡しませんからね?



母は強し。

スタンレイ家に君臨する女帝に、現在、敵うものなし。


【兄上。~を読んでくださっている皆様へ】


100本目の投稿をお読みいただきまして、ありがとうございます。

読んで頂いている皆様に、本当に本当に感謝しておりますことを、伝えさせてください。


「兄上。~」がついに100本目の投稿となりました・・・。

途中何度か、道半ばで終わらせようか、などと考えた事もありました。


でも、そう言ったタイミングに、不思議と感想を頂いたり、アクセスがちょびっと増えたり、誤字連絡をくださる読み手様がいらっしゃったり…。


ちゃんと自分なりに完結まで書こう。と思い直し、細々と続きを書いておりましたら、100話です。


お話が長くなって申し訳ないのですが、100話まで書き続けることが出来たのは、このお話を読んでくださって、感想をくださって、誤字を見つけて修正してくださる、皆様のお陰です。


なんだか、完結後のお礼文面みたいですが、もうちょっと続きます(笑)


100話目というこの場をお借りし、お礼申し上げます。

ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございます。


お話はもうちょっと続きますが、絶対にキチンと最後まで書き終える所存でおります。

引続き読んで貰えたら、この上なく幸せです。


2026/2/15

MINORI

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