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マント




 翌日、エリゼの言葉どうりドアの鍵も撤去されマリアは自由に動き回ることができるようになった。


 ソフィを探す。


 マリアはまずソフィを知ることから始めようと思い使用人やメイド達に声をかけた。


 今この城にいる使用人やメイドは前王の時から変わっていないが、マリアが話しかけると逃げられたり無視をされたりし、誰一人話を聞いてくれる人間はいなかった。


 

 しかし諦める訳にはいかない。


 マリアは髪を結びタンクトップと短パンを履いてその上からワンピース着て河原に行った。

 河原には沢山の洗濯物があり使用人たちが洗濯をしている。


 マリアもワンピースを脱ぎタンクトップと短パンで洗濯の手伝いを始めた。

 


 突然の行動に使用人たちは驚きマリアを見つめていた。


 マリアは見よう見まねで一生懸命洗濯をしていたが見かねた年配の使用人が声をかけて来た。

 


「ソフィ様,それではきれいになりません。」そう言って洗濯の手順を教えてくれた。

 


「ありがとうございます、この世界に洗濯機があれば楽なのに、、」と言いながら聞かれてもいないのに洗濯機の話をした。


「そんな便利なものが、、ここにもあれば冬でもあかぎれにならずに済むのに、、」年配の使用人が言った。

 


「私が言った事を信じてくれるのですか?」マリアは聞いた。


 


「……、あんたとソフィ様は全然違う。。顔が似ているだけで全て違うよ、城の者皆んな、本当はわかっているんだよ」


「ありがとうございます!実際私はソフィ知らないので、情報を頂ければ、、と思って。。」


「ああ、わかった、情報をまとめてあんたに話すよ。あんた名前は?」

 


「マリアです」


「私はミケーラだよ」そう言ってマリアにウィンクして笑った。


 

「ありがとうございますミケーラさん、よろしくお願いします!!」


 マリアはそう言って自分が運んできた洗濯を終えてから城に戻って行った。



 

 城に戻るとエリゼ、クロード、タチアナが庭園でどこかの貴族を接待している姿が見えた。


 王はどんな仕事があるのかわからないけど、上に立つって大変な事だから自分を殺して生きている部分もあるのかな、、。と思いながら三人を見つめていた。


 タチアナと目があった。


 タチアナはマリアを見て驚いた顔をした。マリアはどうしたのかな?と思いつつ気がついた。


 河原でワンピースを脱いでそのままここにきてしまった。


 要するに短パンとタンクトップ姿である。


 自分はそんな姿を人に見られても平気だが、この世界のあのタチアナの反応からすると平気ではなさそうだ。

 


 きっと破廉恥極まりない姿かもしれない。


 マリアはどうしよう、、と思ったが、やはり自分は異世界の人間だから平気!を前面にだして生活しようと思い笑顔でタチアナに手を振った。


 タチアナはマリアの分まで顔が真っ赤になり「何か羽織りなさい」というジェスチャーをしたがマリアは笑顔で「OK」とジェスチャーしたが、OKって通じるの?という疑問が生じ立ち止まってタチアナに向って「大丈夫です!」とまんべんの笑顔で返事をした。


 その声にエリゼが気がつきマリアの方を見た。

 


 マリアは笑顔で手を振った。


 エリゼは顔に手を当てて笑っている。

 


 そんなに面白いのかしら?と思いつつ、部屋に帰ろうと歩き始めた時エリゼの近くにいた近衛兵の一人が現れマリアにマントを手渡して来た。


「これは?」マリアが聞くと


「エリゼ様がこれを羽織って部屋に戻るように仰っております」と言ってマリアにマントを掛けてくれた。


 そのマントはとても質の良いシルクで作ってあり表面が美しい光沢を浮かべている。


 マリアはそれを羽織りながらエリゼの方を見て少し首を傾けながらお辞儀をして部屋に戻って行った。


 部屋に戻る途中使用人やメイドが国王のマントを羽織るマリアを驚いた表情で見ている。マリアはかまわず


「お疲れ様です!」

 

 と言いながら部屋に戻って行った。

 

 部屋に戻りエリゼから借りたマントを脱ぎタンクトップと短パンも脱ぎ、下着姿で今日の出来事を思い返していた。


 洗濯場の皆さんと交流ができ、情報がもらえることが嬉しかった。


 そういえば、、さっきエリゼは自分のマントを貸してくれたのかもしれない、、返さないと!マリアはクロゼットの中から適当なワンピースに着替え、マントを持って部屋を出た。


 中庭に出るとまだ接待の途中だったのかエリゼの姿が見えた。


 マリアははマントを持って近づいた。ところが近衛兵が行手を阻んだ。


「あの、エリゼ様にこれをお返ししたいのですが、、」マリアはマントを近衛兵に差し出した。


「ソフィ様、このマントはそのままお返しすることはできません。お礼の品と共にお返しください」


 近衛兵はこの世界の常識を教えてくれた。


「あの!お礼の品とはどんなものでしょうか?」マリアは聞いた。近衛兵は言った。


「一般的な貴族ですと、宝石のブローチや、金細工のようなちょっとした物です」


「ええ?!そうなんですか、、、、わかりました。。ありがとうございました。。」

 


 マリアはお礼をいってそのまままた部屋に戻り考えた。



 お金がない。。。



 マリアはお金やお金に変わるものを何一つもっていないことに気がついた。



 バイト、バイトしないと!!マリアはまた先ほどの河原まで行き、ミケーラを探した。


「あのミケーラさん、私,バイトを、、仕事をしたいのですが、紹介して頂けませんか?!」

 


「仕事?! あんたって本当に突拍子のない子だね。。しかし仕事するにしても顔がわれているからね。。」


 そう言って少し考て

 


「あんたにピッタリな仕事があるよ」と言って仕事を紹介してくれた。

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