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僕の終わりを告げる秋  作者: 霧雨桜花
2/4

僕は人生に終わりを告げる

Twitter始めました↓

@kirisame_ouka

涼香にお金を渡されそれを返したあの日から涼香との不思議な関係が生まれた。彼女の悩みを聞き、逆に僕の悩みを話す。僕は彼女と話している間だけは死ぬ恐怖から解放されていた。あれ程までに一輪涼香という存在を恐れていたと言うのに今となっては彼女がいなかったら不安に押しつぶされしまいそうになる程依存してしまっている。そして僕は徐々に一輪涼香という人物に惹かれていっているのを自覚していった。しかしあと一週間も無いのにこの気持ちは伝えてはいけないと心に秘めている。そんな日が過ぎ去っていき僕の命も残り1日までになっていた。


秋が終わるまであと2日までに迫っていた。なんでも叶えられる力も最初の日以来1回も使っていない。いや、使う暇も無いぐらい日々が充実していたと言う方が表現は正しい。涼香と学校に登校した初日には学校中に驚かれた。そんな学校も週末に入り今日は涼香と遊びに行く約束をしていた。僕は外に行く支度をしていた。僕は今日の事を最高に思い出にしてそのまま死のうそう思っていた。

プルルルル

スマホがなる。見ると学校登校初日に交換した涼香の名前があった。僕は不思議に思い電話に出る。

「どうしたんだ。涼香。」

「もう私に関わらないで。」

僕の言葉に食い気味に別れを告げる。その言葉に少し涙が含まれているような気がした。

「なんで。」

「なんでもいいでしょ。とにかく私に関わらないで。」

「おいまだか。」

涼香の携帯の奥から男の声が聞こえる。その声が聞こえた瞬間涼香が少し息が詰まる。

「お願いだから私にもう関わらない。」

もう一度同じ事をいい一方的に電話を切られる。僕は今のこの状況をまともな状況では無いと瞬時に判断し今まで使えてなかった力を使う。

「今の涼香の状況を知りたい。

僕は願いを口にする。脳に直接情報が流し込まれる。僕はその状況に少し驚きつつも情報を処理していく。涼香は闇金を返しきれず身体で返す事を強要され父親も自分が働きたく無いからそれに賛同して最後に連絡していいと言う事で僕に電話で別れを告げたらしい。そこまで理解した僕は行動を起こす事を決意する。涼香を助ける。相手はヤクザ。今までの僕は自分じゃどうしようにもできない。とか言っていただろう。しかし今の僕にはそれを出来る力がある。何かを成すための力がある。最後ぐらい派手に散ろう。僕は覚悟を決めヤクザの事務所に乗り込む準備をする。まずは。

「どれだけの人数を相手にしてもどんな武器を使われてもどんな状況でも犠牲を一つも払わらず相手を鎮圧させられる力を僕にくれ。」

願いを口にする。体に激痛が走る。意識が飛びそうになる。ここで意識が飛んだら僕は何のために力を手に入れるんだ。唇を噛み意識が飛ぶのを防ぐ。代わりに唇から血が出る。そんな事を気にせず次の願いを口にする。

「ありとあらゆる銃を扱える才能を僕にくれ。」

酷い頭痛が走る。また意識が飛びそうになる。更に唇を噛む力を強め飛ぶのを防ぐ。更に血が流れる。

「銃を僕にくれ。」

願いを口にする。すると僕の目の前の机にデザートイーグル二丁と大量のマガジンが現れる。

「異空間に物をしまい取り出す力をくれ。」

デザートイーグルとマガジンが消える。デザートイーグルを取り出すイメージを浮かべると右手にデザートイーグルが表れる。逆に仕舞うイメージを浮かべると消える。そして最後の願いを口にする。

「涼香の居場所を教えてくれ。」

頭に情報が入る。どこに居るかわかる。僕はその場所に走り出した。



涼香がいる場所に着くと扉の前には黒服の男が複数いた。僕はデザートイーグルを一丁取り出し間髪入れず男たちに打ち込む。その銃弾は足の腱を貫く。誰も動けるない事を確認して扉へ近づく。扉は鍵が閉まっている。銃口を鍵穴に近づけて発砲し鍵をこじ開ける。中に入ると裸にされ涙を浮かべている涼香と男がいた。僕は迷わず男の手を撃ち抜く。涼香へと伸ばしていた手にあたり血が噴き出す。

「何者だ。」

男は懐から銃を取り出しこちらへ向ける。僕はそれに怯えずもう一発発砲する。男の銃の銃口へ入り銃を破壊する。

「何。ならば。」

次に男は涼香を人質へと取ろうとする。人質へと取ろうとする手を撃ち抜く。

「ぐっ。何が目的だ。」

僕は男の質問に答えず距離を詰める。男は焦りを浮かべ提案を出す。

「何でもしよう。うちの組の幹部にしてやるどうだ。」

男は名案と言わんばかりに口早に言う。僕はその提案に答えない。男はますます焦りを浮かべる。

「百億出そう。それ以外にもうちの組で経営している店でVIP対応をしよう。これでどうだ。」

しかし僕は答えを口にしない。男は冷静さを失い大声で叫ぶ。

「お前の望みは何だ。」

待っていた問いに僕は答えをついに言う。

「一輪涼香並びにその関係者二度と近づくな。そして彼女の借金をチャラにしろ。」

「な、無茶苦茶にも程があるだろ。いい加減にしろ。」

僕の要求に男はキレる。当たり前だろう。この要求は目の前の男の商売を無茶苦茶にすると同義なのだから。しかし僕は引くことはできない。

「お前に拒否権は無い。聞けなければ。」

男の頬を僕が撃った銃弾がかする。男の頬から血が出る。

「ヒィ。」

男から悲鳴が漏れる。

「分かった。お前の言う通りしよう。」

男は僕の要求をのむ。

「では、それを守れるようにしよう。」

僕は願いを口にする。

「目の前の男もしくは仲間が一輪涼香及びその関係者に近づいた場合近づいた者は死ぬようにしてくれ。」

男が一瞬光る。

「これでお前が約束を破ったら死ぬ。悪い事は言わないからもう関わるな。」

僕は自分が着ていた上着を脱ぎ涼香に着せる。

「ほら帰ろ?」

僕は涼香の手を引く。元々涙を浮かべてた涼香はその涙を流して答える。

「うん。」

僕は生まれ変わっても忘れないだろう。今彼女が浮かべた最高の笑顔を。




「なんで、私を助けてくれたの?」

僕の家で涼香は僕に質問をした。裸の彼女は目に悪いので願いで彼女に似合う服を出して着てもらっている。

「君が好きだからだよ。」

僕は自分の心のうちを吐露した。

「僕は君が好きなんだ。だから必死になって君を助けに行ったんだ。僕はもう死ぬからこの事あまり言いたくなかったんだけど。何でだろう。止まらないや。」

涼香は僕の言葉にびっくりしている。

「もう死ぬってどう言う事?」

「言葉の通りだよ。君も見たろ僕が願いを叶える力を持っている事。僕はこの力を手に入れる代わりに秋が終わったら死ぬんだ。」

「どうにかならないの?」

「多分ならない。願ったら多分僕は不死になっちゃうから。出来ても願いたくないかな。」

僕の言葉に涼香は顔を歪める。

「私は助かったのに助けて貰ったのに君は助からない。私が助けられないってそんなの無いよ。」

「言葉遣い変わってるね。」

「こっちが素なんだ。変。」

「ううん。似合ってるよ。」

僕の無理な話題変更に彼女は乗ってくれる。僕は時計を見る。23:50。あと十分で秋は終わる。僕は人生最後になるだろう願いを口にする。

「彼女が死ぬまで生活に困らないお金を彼女の口座に増やしてくれ。」

「何言ってるの?」

「ううんなんでもない。」

僕は笑って誤魔化す。

「ねぇ聖。何でも願い叶えられるんでしょ。」

「うんそうだよ。」

「また私の願い叶えさせて。」

涼香は僕に顔を近づける。そして僕の唇と彼女の唇が重なる。

「これが私の願いだよ。じゃあ次は私が君の願いを叶える番だね。」

彼女は僕に笑うかける。

「君は死んでも私は君を想い続けるよ。誰とも結ばれない。私は一生君のもの。」

涼香は僕に抱きつく。僕は涙を流す。

「ありがとう。生まれ変わったら、思い出したら真っ先に君の元に行くよ。」

「ふふっ。先に私が見つけてあげる。」

その会話を最後に24:00になり僕の意識が薄れていく。

僕は今世に終わりを告げる。しかし怖くない。来世で必ず彼女に会えるのだから。

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