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幻想乙女工房 〜普通の女子中学生ですが幼馴染の美少女小学生とVR女児ゲー配信していきます!〜  作者: 春無夏無


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サポートマスコット

『工房の本棚に新しい本が追加されました』


『サポートマスコット実装 プレイヤーのスタイルに合わせプレイをサポートするマスコットが実装されました。工房メニューから設定可能です』


『軽微な不具合の修正を行いました』


 特にメンテ補填とかはないのだなあとお知らせ欄を確認しながら思う。

 火曜日の朝、ちゃんとバージョンが変わってることを確認し……首をかしげる。


 サポートマスコットだ。

 そういうものが必要だと要望が多くあったのかもしれない。じゃなきゃ最初から実装すべき機能だし。

 とするとやはり難易度に難があったということで。

 ……いや女児ゲーの設定難易度ガバはよくある話だ。

 別にこのゲームだけの話ではない。

 でも釈然としない。


 頭を切り替えてマスコットがどういうサポートをしてくれるのかを確認するべきだな。

 クラフトのサポートでも嬉しいし、戦闘のサポートでもいい。




「工房メニューなんて初めて開いたよ」


「トキちゃんはクラフトしないから」


「そういうのはムギちゃんに任せておいたほうがいいからね」


 どうやらサポートマスコットはプレイヤーが個々に設定できるらしい。

 まずはトキちゃんからマスコットを設定することになった。


[ここまでのプレイログを参照してサポートマスコットを自動生成しますか?]


 こちらの要望を聞いたりはしないらしい。

 この仕様だとこれから初回プレイするプレイヤーはサポートマスコットを作れないのかも。


 トキちゃんは迷うことなく生成を選ぶ。

 アバター同様作り直しはできないけれどONOFFはできるみたいだし。


 選んですぐキラキラエフェクトとともに羽根の生えたシルエットが浮かび上がる。


「はじめましてトキコ。サポートマスコットのミニドラゴンだよ。ボクに名前をつけて!」


 現れたのはシルエットに丸みを帯びた小さな赤いドラゴンだった。

 デフォルメされて可愛くなっているけれどぱたぱたと動かす羽根は骨太で丈夫そうだし、頭のツノは鋭い。


「えー名前かーどうしよう、なにがいいかな?」


「いきなり名前って言われても悩むよねえ」


 私もいくつか考えておくか。

 どんなマスコットが出るかわからないけど。


「うーん赤いし『ザクロ』にしよう」


「いいと思う」


「ボクの名前はザクロだね?」


「そう。ザクロはなにができるの?」


「戦闘中に援護攻撃をしたり、親愛度が最高になるとトキコが空を飛べるようになったりするよ」


 へー親愛度なんてあるのか。

 空を飛ぶのはトキちゃんにかなり有用だから積極的に親愛度を上げていきたいね。

 トキちゃんも同じように思ったのかとりあえずザクロを撫で回している。親愛度上げに効果があるのだろうか?



 さて次は私だ。

 私も現れたのは羽根の生えたシルエット……でもそれはドラゴンではなく鳥の羽根だ。


「はじめましてムギ。サポートマスコットのワタリガラスです。私に名前をください」


 ザクロより落ち着いた口調の大きなカラスが目の前に現れた。


「ムギちゃんはカラスなんだ。うちのパパみたい」


「くーさんも名前がカラスっぽいよね」


 流石にくーさんの名前をつけたりはしないけれど。

 このワタリガラスさんはなんか女の子っぽいし。


「じゃあ『ネヴァン』で」


「私はネヴァン。戦闘のお役には立ちませんが素材を集めたり、素材の場所を探すのが得意です」


「そっか。よろしくねネヴァン」


「親友になれましたら私にしか集められない素材を差し上げます」


 それは特殊素材とかだろうか。ちょっと楽しみだ。



 工房の本棚に新しい背表紙が増えている。タイトルは空白で内容はわからない。


「やってみてのお楽しみ?」


「マスコットみたいに人によって違ってたりして」


 指の腹で優しくザクロを撫でながらトキちゃんがそんなことを言うけれど流石にそれはないんじゃないかな?

 とにかく開いてみないとわからないよね。


「配信はしないけど、ちょっと覗いてみようか?」


 タイトル不明の本を手に取って開くと、見覚えのある風景が目に飛び込んできた。


 黒い空に大きな赤い月が輝き、黒いイバラの庭園の中心で()()が私たちを待ち構えるように佇んでいる。


[まあ久し振りね。あれから少しは強くなったのかしら?]


「赫い月の魔女……」


 チュートリアルで私たちの相手をしたラスボスとの再会が今だなんて聞いてないんだけど?

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