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幻想乙女工房 〜普通の女子中学生ですが幼馴染の美少女小学生とVR女児ゲー配信していきます!〜  作者: 春無夏無


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自分を持たないシンデレラ

[お義母様の言う通り働いた]


[魔法使いさんの言う通り舞踏会へ行った]


[王子様の言う通りお義母様たちを処刑した]


[街の人たちの言う通り私は首を差し出した]


[みんな みんな 言う通りにしたのに どうして?]



「自分がどうなりたいかは自分で決めないと」


 真っ赤なスカーフを首に巻いたシンデレラに向かって思わず呟く。

 表示されている『付和雷同のシンデレラ』の名前の通り自分の意志というものが無かったのだろう。

 なんでも人の言う通りにするよう育てられたのかもしれないけれど。


 シンデレラは純粋な速度が強化されていた。

 装備を変え更に素早くなったはずのトキちゃんの攻撃を扇で捌いていく。


「全然当たらないねー」


「バフもかけてるのにね」


「魔法がこっちに来ないから集中できるけど」


 シンデレラが扇からブリザードを放つ瞬間にファイヤーボールを当てているのでシンデレラの魔法攻撃は相殺されて不発に終わっている。

 やっぱりシンプルなほうがチャージ間隔短いね。扇子も杖より馴染みがある分取り回ししやすいし。

 そして合間にリーフカッターをシンデレラに当てている。

 属性相性が悪いのとシンデレラの魔防が高そうなので大したダメージにはなってないけれど。


「埒が明かないしこのままゲージ攻撃へ移行させて発動前の動きが鈍った隙に叩くか」


「ゲージ攻撃まではまだかかりそう」


「ところであのシンデレラって首狙ったらごろんって落ちたりするのかなあ?」


「女児泣かない?」


 お骨の王子様の時点で女児ウケはかなり怪しいけれど……ん?

 あのシンデレラも王子様同様アンデッドなのだろうか?

 セリフと状況的には死んでそうではある。

 ゾンビにしては素早いが。


「トキちゃん。ちょっと試したいことあるんだけど試してもいい?」


「私はこのままでもいい?」


「そのまま続行でお願い」


「おっけー」


 シンデレラの魔法を潰す合間のリーフカッター代わりに回復魔法である癒しの風を放つ。

 まあ上手くいかなくてもシンデレラが回復するだけだ。


 癒しの風がシンデレラを包み、体の一部を溶かす。

 初めてこちらの攻撃に怯んだところをみると回復魔法はばっちり弱点らしい。

 そして隙を見逃さないトキちゃんがシンデレラへ爪撃を叩き込む。

 流石に即死とはいかないけれどかなりのダメージを与えることができた。


「ムギちゃんナイスー」


「攻略サイトに載ってる気がするなこれ」


 ボス攻略関連は攻略サイトでも情報が畳まれているからわざわざ見なかったけれど効果を見る限りわりとメジャーな攻撃方法なんじゃないだろうか。

 別に変な方法で倒したいわけじゃないけれど。


「さてこれで終わりっと」


 うずくまるシンデレラに更なる攻撃を叩き込み戦闘が終了した。

 少し赤ずきんパターンを警戒したけれどそのまま素材がドロップしたので第2形態はないようだ。


「えっと、工房へ帰還がてらコメントチェックしていきましょうか」


「そうだね」


『撃破乙』

『ふたりとも新装備いいね』


「トキちゃん可愛いでしょう? なかなか自信作です」


『装備強くね?』


「そうですね。クラフト頑張りました」


 実際はお豆腐使っているので私は嘘つきである。

 熟練度はちゃんと上げているけれど。


 好きならどんな非効率なことでも楽しめるなんて幻想だし、限られた時間の中で私は何度もクラフトを失敗するなんてしたくない。

 というかクラフト失敗する仕様とプレイ時間制限の相性が悪すぎる。

 クレ積ませたいACならわかるけどさ。


『侍です。あとで確認したいことがあります』


「あら。侍さんは私の女児ゲー友達ですね。なんだろう?」


「ムギちゃん浮気?」


「なにに対する?」


「私の嫁でありながら他の女の匂いをさせて」


「トキちゃんったら侍さんが女性ってよくわかったね。超能力?」


「そりゃ愛するムギちゃんのことだから」


 なんかクネクネしてる。楽しそうだね。




ムギ> さて侍さん。コメント残したってことは緊急ですよね?

幼女侍> 急かしたようですまない。赤い悪魔の条件を確定させた。

ムギ> 赤い悪魔というとあの第2形態? 出たんですか。

幼女侍> ボロ負けよ。


幼女侍> 条件はふたりプレイでクラフトに特定アイテムを使用した銀狼装備。具体的にはムギ氏が配信で見付けてた『テスト2』だね。

ムギ> 侍さんならそろそろ気付くかと思ったけれど使用法わかったんですね。

幼女侍> ムギ氏はやっぱり使い方知ってたか。


幼女侍> 既に開放してた銀狼の通常レシピ品やアレンジはだめで、テスト2で無理矢理作った銀狼装備じゃないと出現なし。

ムギ> となると実装前エネミーの条件をたまたま満たしてしまったってことですかね。

幼女侍> おそらく。まあ確定はさせたけれど今夜のメンテナンスで修正されるかもしれないからメンテ後も残ってたら攻略サイトかな。

ムギ> テスト素材のクラフト使用も載せます?

幼女侍> 今のところ対人で競うようなゲームでもないし。ACみたいに転売されるような物理カードもないから出してしまおう。

ムギ> そうですね。


幼女侍> 検証は女児ニート兄さんに手伝ってもらったけど、あの人いつ寝てるんだろう? 真夜中も昼間も即レスだったが。

ムギ> ニートさん寝てくれ。

幼女侍> ムギ氏が言えば寝てくれるよ。女児ニート氏は女子中学生どころか男子中学生まで女児の範囲内だから。

ムギ> 男子も女児か……

人によっては成人男性も女児扱いします。

「ライフライフ」のこまるん先生とかかなり女児。

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