手の先にある隕石
魂の叫びだった、涙が止まらない
こんなに泣いたのはあの瞬間振りか・・・
この後の結末を触れて、感じてしまった
顔の血色が、引いていく絶望の色に冷静に理解した
、
廻はジクウワームの胃液を飲み込んでいた
すでに手遅れだったのだ、どうすることも出来ない
俺が作り出した薬草は、効果は絶大だが、飲み込めないと意味がない
口移しで飲ませたところで、すでに・・・あの時、聞こえた声は
お前の魂が話しかけてくれていたのか?
何か手はないのか?落ち着いて考えるんだ、緊急時に備えて準備してきた
今まで積み重ねた時間は無駄だったのか?なぜ予想できなかった、今の俺は無力
まだ、魂はここにあるのは感じてる、死んで、あれがお別れの挨拶だったのか?
元の世界に返してあげたほうが幸せなんだろうか?ああ、そうだな
苦しんでいるのは知っていた、無理していることは気が付いていた
だが、俺を呼び止めた、廻、お前にも責任がある逝かせるか、帰せない
2つの神木武器が、眩しい光を放つと、語りかけてきた
悲しまないで下さい まだ、間に合います
信じてください 形あるものは滅びる
神木の化身よ 長く存在するものもある
大地から命を分けてもらいなさい そして彼も
私は、あなたと共にいます 彼の命を作るのです
その力、両手にした決意、揺らがないのなら応えてくれます
あなたは、両方選んでしまった 2つの魂が必要になる
この現実は、曲げられない未来だった 選択したのだから
あなた方の時が止まり、世界の崩壊もしばらく止まる
時の牢獄に永遠の束縛に神木となり果たさせる
選べることなんてできない、廻は渡せないし、返せない
この体に責任を取ってもらう、だが、心は救いたい
そうですか、この地に根付きなさい、そして彼をここに封印するのです
あなたの力と共に、新しい命が完成したら、時が動き出すでしょう
燃え消える命とあなたの心を合わせて一つになるのです
得たすべての経験と記憶が彼を再生させる 心は同じでも、力は変わる
拒絶反応があることでしょう、苦しみから生まれるものもあります
あなたが作り出した全ては失われますが、彼の残した力を支配する道しかありません
ならば、この神木の木刀を大地に還そう、頼む、廻を助けてやってくれ
世界が私を作り あなたの願いで世界を救うために願いを叶えましょう
神木の木刀が小さな木に変わり、久連の体からオーラが吸い込まれていき
廻の体からなにか光るものが吸い込まれていった 廻の残った体は時が止まったり石化した
石の力と命を繋げる為に、この先にある隕石へ、向かうのです
残された生命力では、辿り着くのは、困難な道になることでしょう
繋ぎとめている陽の力があるうちに、その体が、消滅してしまう前に辿り着くのです
久連の能力は全て奪われ、体が重く感じる、一歩踏み出すだけでも体力が奪われる
足が重く上がらない、数メートル歩いたところで、転んだ
腕を伸ばして必死に地面に爪をたて、進もうとするがまったく動けない
はぁはぁ、息を整え、なんとか起き上がり、弓を杖代わりにして、前に進む
皮膚が焼けるような痛みに襲われたる、痛みと喉の渇きに耐えながらも、進んでいく
どのくらい歩いただろうだろうか、苦痛で時間の感覚が狂い始めた
頭がふらふらして、目もかすみ、突然・・・明るかった視界が暗くなった
残念だが時間切れか・・・廻は生まれ変わる、それで十分だ
弱った気持ちが体を動けなくしてしまい、倒れるとそのまま、意識を失った
ザザザザザ 雨が落ちてきて、数分で豪雨に変わる
干からびた背中の熱が消え去り、寝返りをして口の中に雨水が流れ、強い日差しで弱った体に潤いを与えた
廻、喉を焼かれ苦しかったよな、幸いにも雨が落ちて苦しみから、解放された
体は疲れ、思い通り動かないが、雨雲で太陽が隠れただけだった、日は暮れていないまだ間に合うかもしれない
間に合わなくてもいい、最後まであがいてやる、廻が引き留めてくれた
弱りきった心に再び希望をくれた、もう一度、逢いたい、死ねるか!
ゆっくり立ち上がろうとするが、雨で濡れた土が滑る、神木の弓を支えにすると不思議と体が軽くなった気がする
再び歩き出す、激しく降っていた雨が弱くなり止むと、豪雨で見えてなかった、巨大な隕石が目の前にあった
体が消滅する前に、気力を振り絞る、すでに感覚がなくなってきている時間がないことは感じていた
目の前にして、ここで終わったら、怨念が残り、亡者になるかもしれないな
伸ばす腕が、薄れていく、だめだ、届かない、絶対に生きるんだ!
背中に暖かい手の感触、廻なのか?ありがとう、倒れながら、隕石に抱き付いた