村の再建
呼び止められ、初めて作業した畑、みんなで、騒ぎ鍋を囲んだ集会所
数日だが、鮮明に思い出せる村の光景が、すべて消えてしまった
この村で育った人々の悲しみ、喪失感、比較にならない重さだ
夢であって欲しい覚めたら消えていると願ったが現実だった
夢の中でもうなされた真っ赤に燃えた最後の光景、忘れることは出来ない
村を再建させ、新しい思い出に塗り替えていきたいと強く心に決めた
迷惑ばかりかけているが、帳消しになるような村を再建して少しでも役に立ちたい
なにも残ってない、全部、燃えてしまったと呟く村人の声
また、ここに家を建て直すか?
一晩過ごして、思ったが、岩場が落ち着かないか?
寒い夜も、岩が風を防いで、たしかによく寝れたぞ
「ここの土地の再建、私に任せて、貰えませんか?」
いいけど、一から作り直すにも、材料が燃え消えて何も、残ってないぞ
ま、なにか考えがあるんだろう、若いのに任せよう
岩場の方が、快適に住めそうだしな あはははは
責任感じて、無理はするんじゃないぞ、食事の時間には戻ってこいよ
「廻どうするつもりだ?」
「岩を扱う力がある、まずは、移動が楽になる道路を作りたい、雑草もすべて燃えたし畑も作りたいが時間がかかるか」
「畑か、いい案だな 植物を操る能力が俺にはある、、栄養豊富な土に変えられが面倒な工程が、はははは」
「可能なのか、久連には、なんて感謝したらいいのか」
「そのうち、お前の体で返してもらおう くくく」
「私には、そんな趣味はない 別のものに変えてくれ」
「病みつきになるかもしれんぞ くくく」
「止めてくれ、別の方法で借りは必ず返す」
四角い石化を繰り返していると久連が聞いて来た
「まさか、それを道路にするつもりなのか?並べ埋めるのは、大変な作業になる、手伝いを呼ぼう」
「待ってくれ、すこし考える時間が欲しい」
「責任を感じて一人でなんとかしたい気持ちは分かるが、時間を長引かせて待たせる気か?」
たしかに、久連の考え方が正しい、手伝ってもらえば早く進む作業を自己満足のために、時間かけていいのか
だが、出来るだけ、自分の力で何とかしたい、何かないのか?魔物を封じたあと、見ていなかった
『小石Lv3』
攻撃力3
熟練度3 技1投石3 技2石壁 技3石柱武器Lv1
固有 3 ☆巨大化 ☆四角い石化Lv2 ☆石の融合Lv1
レベルが上がり増えている、新しく覚えたのは、使えるのか?
石柱武器Lv1 融合して作り出した鈍器で戦える ダメージ増加LV1
四角い石化Lv2 石壁に適した、四角い石に変化する大きさを選べます
石の融合Lv1 石柱武器の制作できる
武器が作れるのか、戦闘の幅が多くく広がる 始めたら納得するまで止まりそうにない
知ってしまって我慢できる分けがなく、少しだけ、急に必要に事もないとは言い切れない
インベントリから、一番大きな岩で制作すると、大型トラックのような威圧感ある大きな石柱武器Lが出来た
装備してみると、攻撃力10000、まじかー!この大きさだ、当たれば即死だよな
素振りをしてみたが、重くはないが扱いにくいか、思い通りの軌道で持ちあがらず、振り下ろすとずれる
うまくコントロールが出来ないが、この面積、魔物も回避不可能だ
面白いなもう1本だけ、村人が喜んでくれた思い出の岩、これに決めた
制作すると軽車両ぐらいの大きさの石柱武器Lが出来上がり、攻撃力は2000だった
小石の攻撃力と比べたら、差が激しく・・・なんか引っかかる感じがしたが、寝る前にあとは試そう
気になるのは、『四角い石Lv2』3種類から選べるのか、小は、変化なしか、中が1メートルくらいで、大が2メートル、後ろに隠れられる
防衛専用の技なんだろうが、中サイズが、微妙な大きさだが、道路用に使えそうか
問題は、埋められるのか・・・村人総出でも穴掘るのは厳しいかな
そうか、並べて数個、置いたみたところで段差に悩まされ、これ以上の案は出てこない
考え込んでいると久連が困った顔で戻ってきた。肥料に変える葉っぱが、見当たらないという
「森に取りに行こうか?」
「作物が育つには・・・出来たら、海に近い地域のが欲しい」
「葉っぱなら、何でもいいわけではないのか」
「食べれるもの作るとなる栄養が不十分だ」
「困ったな、私には、どこが適しているか、土地勘もない」
「ここから近いと良い場所があるが思え次第かな」
「体力を心配してるのか?」
「俺は、魔物を倒すより、作物の実りが楽しくてな、数か月かかる作業が数時間で出来る能力だし、そちらを優先させた」
「どういう意味だ?」
「魔物相手は任せた、くくく」
「なるほど、どんどん、頼ってくれよ そちらのほうが好きなんだ」
「ああ、任せるが、慎重に進めよう。自然の調和を崩すことは、危険な事なことだ」
「十分反省している」
岩場の近くに、両壁に挟まれた道が存在しいたが、奥の方で魔物が道を塞いでいる
圧迫感もあって怖いが、小石がコロコロ転がり落ちてきて、今にも崩れてきそうだ
「入り口の方を塞いで、魔物を倒そう、覚悟は出来ているか?」
「落石してきそうで、怖いな」
「攻撃された魔物の気持ちが理解できそうだな くくく 悪い、冗談だ」
「攻撃技が投石だし・・・笑えないよ 装備してないと岩は上がらないんだよ」
「岩は平気だと思っていたが、そうだったのか、注意しながら進もう」
悪いことは、考えるべきではなかった・・・『投石』で魔物は倒せたが、振動で落石が起き
ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ドスンドスン 押しつぶされる
こんな形で魔物の気持ちを味わうことになるなんて、うわあああああ
すぐに落石は、収まったが、体中が痛い・・・地面には血だまりが、頭の上から、血が流れいた
手で、恐る恐る触れるとぬるっと滑る、大量に出血しているのか、ここで死んでしまうのか?
「目を覚ましたか、無事でよかった」
「久連なのか?何処にいる?」
「お前の真上になるなるのか?くくく」
岩が当たって痛みがあるが、久連の重さは感じない、なぜなんだ?見上げると、久連が身を挺して岩を受けて止めていた
その体からは、血がしたたり落ちる・・・どうして、「庇って怪我をしているんだよ」
「俺が、お前を守るていってなかったか?くくく」
「馬鹿か、久連が死んだら、一生後悔することになるんじゃないか・・うう」
「泣いてくれるのか?お前の事を思うと胸が苦しくなる、割と痛みの方が楽なんだが くくく」
「すぐに、岩を装備して片付ける」
「悪いが頼む、俺のために涙を流すな・・・平気だ」
廻の流れる涙を優しく拭くと、心配そうな顔で、体の怪我を確認する
こんなに血が流れているのに自分の体は心配しない、なんでだよ
「大丈夫だ、畑に夢中だったといっただろ?怪我や病気用に薬草を育ていたんだよ。役に立つ時が来たな」
廻は久連の止血をしようと、シャツを口で引き裂き、強く巻き付る
驚いた顔で、黙っていたが、巻き終わると
「服を使ったら、風邪引くぞ、馬鹿だなお前は」
「気にするな、こう見えても、病気知らすなんだよ」
「村人に心配かけたくないんだろう、先に進んで、休めるところを探そう」
落石が心配な両壁に挟まれた道を、お互いに肩に手を回して、通り抜けたのだった




