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動き出した運命の針Ⅵ

激戦は終わり静かな夜が訪れる

風に吹かれ雲が移動したのだろうか、月の光が強くなった

廻は立ち上がり状況を確認するがその顔は真青だった

体を揺らし視界が定まらず足元もおぼつかない

清新な疲れか?急なめまいに襲わ体勢を崩した

体勢を整えようと足に力をこめ踏ん張ろうとしたが

踏んだ場所が悪かったのか足を滑らせ転んだ

ぬちゃっとした感触に眺めるとその手は赤くドロっとした液体が付いていた

違和感を感じて確認すると地面は大量の赤い血で濡れているではないか

月光に神木の木刀を照らし眺めている光景が思い返され

そうか、見えない刃は体を貫通させていたのか

廻は自らの体から流れ落ちた血だと理解する、

体の心配より、覚醒した久連の姿が嬉い

「美しい姿だった」と呟きながら意識が途切れていく


俺は夢を見ているんだなとなんとなく感じた

何て言ったらいいのだろうか、ただただ暖かかった

草原でぽかぽか日差しに照らされているとは少し違うか

思い出せないが、俺はこれに似た体験をした覚えるがある

何を言っているのか分からない小さな声だったが

何者かが語りかけてくる・・・変だな?

リアルな体験で音のない映像を見ているような感覚が夢ではないのか?

天国か?地獄か?それとも、臨死体験なのか?

命が消え去る直前で妙な体験をしているかもしれないな


どうした?これでは託した意味がないではないか

強い意志で挑まなければ止めることが出来ないぞ

現実を認めたくないから見えていないのか?

仕方がない事かもしれないがそれでは大変なことになる

根元なる力を解放させた久連を止めるのは難しいが

自分の気持に気が付けば不可能ではない

どういう意味だ?分からなければ寝てればいい

俺に出来たのだから、お前にもできるはずだ

同じ結末を・・・お前の答えが見て見たい

声は聞こえなくなり温かいものがドクドクと全身を巡回していくようだった


瞼の奥に感じる熱い熱、強い日差しで目を覚ます

・・・俺は生きている?自信が持てなかった

意識はハッキリしているが体の自由がきかない

不思議なことに傷が塞がっている感じがする

血が流れた形跡もないもないのかもしれない?

確かめてもいないのに何故か分かる

誰も来ない砂漠で干からびていくようだ

暑さで喉が渇く、一滴の水滴でもいい

水を求めるとザザザと激しく雨が落ちてきた

喉は潤い乾燥した肌に染み込んでいき冷却される

徐々に体温を奪られ、寒さで唇が震える

すると灼熱の日差しに変わり体を乾かし心地よい風が吹く

風は冷たくなり、いつのまにか雪が落ちていた

風に揺れ舞い落ちる雪を眺めていると風が強くなり

吹雪となるガクガクと全身を震わせ、寒さに耐えていると

体に雪が積もり、徐々に温かくなる

視界から光を奪われ闇の中に・・・鳴くような悲しげな声が響く

声が止むといつの間にか陽に照らされ、一枚の花びらが舞い落ちてきて無数の葉が覆いかぶる

長いような短いような不思議な時間が経過していき

指の感覚が戻り体が徐々に自由を取り戻した

落ち葉を払い上半身を起きあがらせると目の前には星の欠片が墓標のように立っていた

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