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動き出した運命の針Ⅳ

200メートル離れたジクウワームを狙い石柱武器を放り投げ倒したが

近くに1匹残っているのになぜ一番離れたやつを狙う

武器が手元に無ければもう倒すことが出来ないのではないのか?

仲間のジクウワームを倒され報復に怒り、廻を狙うと思いきや

怖れを抱いたのか?怒りの声をあげながら久連の方向に向かってくる

そもそも仲間の認識が無いのかもしれない

2匹に同時に噛みつかれギリギリのところで助かったのは

独占して食べようと奪い合った結果なのかもしれない

構えて立つ久連の木刀に強い衝撃が・・・

両手を強く握り前足で踏ん張ったが勢いの押され足が滑り

体勢を崩すと跳ね飛ばされ、何度も回転しながら転がり倒れた

全身が痛むが、歯を食いしばり、なんとか立ち上がろうとするが

巨大な影で地面が暗くなり、慌てて横に転がった後に尻尾が地面を叩きつけた

はぁはぁ、勢いの乗った攻撃に合わせるのは私には無理だ

身をもって体感して頭では分かっているが体が動かない

経験したせいか恐怖で体が竦み、先に動き攻撃に移れず

だが何度も回避する中、ワンパターンな攻撃に隙が分かってきた

今、打ち込めば命中させられる場面はいくつもあったが

臆病になり結果的に回避に必死になっていた

動きを見切り余裕はあるはずなのに精神的に追い込まれ動きが重くなり

躱せた攻撃も、被弾するようになっていた

だが、廻は助けようとはせず、冷たい目でこちらを眺めているだけだ

何の仕打ちだ?お前は力があるのだろう?

村人も私と同じように肝心なところで見放したのか?

期待をさせて・・・見捨てるのか?廻・・・なんて酷い奴なんだ

村人の避難が終われば師匠が助けに来てくれるはずだ

久連は知らなかった・・残念だが、廻と入れ替えとなり少女はこの世界を去った

廻と久連は運命が変わり、出会えなかった人と繋がったが

巡り合うはずだった人と運命も変り、この世界の定め翻弄されることになる

神秘的な力を持つ少女と出会い、他力本願な心が作られたのか?

死ぬような体験を繰り返したことで恐怖心が生まれてしまったのか?

久連には力があっても、敵を打ち破る強い決意が失われていた


暗闇の中、痛みに苦しむ久連の声が響く中

遂に我慢できなくなり、廻が助けに動いく、久連の正面に移動すると

庇うようにジクウワームの勢いのある突進を素手で受け止めた

「俺が動きを止めておくその間に倒すんだ」

なんなんだそれは、武器なんて必要ないとでも言いたいのか?

廻、お前なら簡単に倒せるんだろ?何がしたいんだ!

「うおおおおお」奇声のような雄たけびをあげると廻の背中を木刀で叩いていた

強くなって欲しいと思う廻の行動が、久連の心を傷つけ、感じたことない感情に支配されていく


その時だった、何者かが語り掛けてくる・・・眠れる力が目覚めていないと

私には才能がないだけだ言うと、引き出し方が分かっていないだけだよと答えた

あなたは何者なんだ?私は、女神と崇められ、時には破壊神と忌み嫌われてもいます

名はリリアイ、あなたの中に眠る力と根元なる力を繋げる存在

あなたに力を与えましょう、さぁ、恩恵を受け取りなさい

全身のあらゆる個所から何かが沸き上がり、血液が流れるように循環するのを感じる

今まで感じたことない新たな力がみなぎり溢れだす

久連の神木の木刀が聖なる光を失い・・・漆黒の波動を発した

恐怖や不安が綺麗に消え去っていた

この力を試してみたい、何でもでもいい、軽く木刀を振るとジクウワームが真っ二つに裂かれた

まだ物足りない、満足できる相手はいないのか?

死体の側に立つ廻を睨みつけると口角があがり、笑いがこみあがってくる


この男は強い、格好の相手ではないか

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