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動き出した運命の針Ⅲ

牙が体に強く食い込み2匹が飲み込もうと体が伸び今にも引き裂かれそうな感覚に襲われる

絶体絶命の危機に手足をバタバタと動かし抗おうとするが身動きがとれない

このままやられてしまうのか上下に引っ張られさらに左右ねじられ、痛みで声も出せなかった

苦痛の時間は終わりを迎えた、噛みしめる牙の力が緩み・・・飲み込まれたのか?

体が落ちていく、あれだけ訓練したが無駄だったか、

だが、辿り着いた先は胃液の中ではなく、細い腕の中だった

息を飲み込み、九死に一生を得て鼓動が激しく胸打ち

任せられたのに助けられ、また小馬鹿にされるのか

胸の奥に期待している自分もいた「ありがとう、助かったよ」

見上げたその顔は師匠と崇める少女ではなかった

顔から視線が外せなかった、私はこの男を知っている

胸の鼓動がさらに強く高鳴り止まらない


「命拾いしたな、また泣いているのか?」

久連は涙を流していた・・・この感情は初めてだ何んなんだ?

吸い込まれそうな瞳だった目と目が合い見つめていたが

急にこの状況が恥ずかしいのか?助けられた事実が受け入れられないのか?視線をそらした

「逢いたかったぞ、待たせたな?待っていたのは俺の方か?そんなことはどうでもいいか」

知り合いなのか?私には過去の記憶が失われている

「君は、一体、誰なんだ?」

少しの沈黙の後、口を開いた「久連」

冗談を言うあう中だったのかもしれないがなんだか腹が立つ

「久連は私だ、からかっているのか?」

思い出したかのように「そうだったな悪い、廻だ」

村に迷惑をかけ出来ない約束をして逃げ出したという

「君が悪評高い廻か!」こんな男に助けられたのか

「姿を消してる間に悪評が広がっていたのか、そうかそうか」

他人事かのように笑っているように見え腹が立つ

「笑い事じゃないだろう、どれだけの人々に迷惑かけるんだよ」

「苦情は後にしてくれ6匹か、来るぞ」

力が通じず、反撃され死にかけた、無理に決まっている

「師匠は何処に?」必死で首を振り探す

「俺たちで何とかなるだろう、討ち漏らした奴を頼む」

武器もなしにか?貴様の腕は腕は女性のような細い

私の持つ、神木の木刀でも倒せなかったんだぞ

口だけですぐに逃げだすんだろう?

見当たらないが、先程は誰が?師匠が助けてくれたんではないのか?

周囲を探す久連の目前で驚きの光景が繰り広がれようとしていた


『星の欠片』廻が叫ぶとインベントリに収められた武器が天から降ってくる

ズッシーンと重い衝撃音の後、その手には石柱の大剣が握られていた

「派手な演出だな?装備する度にこうなのか」

装備した瞬間、強力なスキルの選択が広がる

記憶にないスキルが多く並ぶ、いつの間に覚えたんだ?

謎の男の言葉を思い出す、俺たちの力を持ち帰れ

夢を見ていたかと考えていたが異世界での出来事は現実だったのか

握る星の欠片から不思議な力を感じる、早く使ってくれと言っているようだ

視線の先の一匹目のジクウワームを頭から真っ二つに切り裂いていたが感触が全くない

無意識に体が反応して重さを全く感じなかった、まだ夢が醒めていないのか

やっと逢えたのにそれは勘弁してほしいな くくく

あの時の技は綺麗で強力だった・・・俺にもあれが出来るのだろうか

左右から気配を感じる・・・・そういえば、あの女性は体をねじり飛んでいた気がする

同じスキルはあるのか?探すより先に頭に思い浮かべた動きが再現される

回転しながら飛びあがり2匹目、3匹目の首を切り落とす

「少し違う気もするが?」

地面に着地すると同時に星の欠片で地面を叩き後方に回転していくと4匹目のの頭を刺していた

5匹目は、少し遠いな、目視すると体が勝手にジクウワームをめがけて星の欠片を投げていた

武器を投げ丸腰だが、1匹はあいつに残しておいたでいいか

知りたい、俺にお前の力を見せてくれ、武器は無いぞと両手を上げアピールすると下がった

突然の先頭の放棄に「ちょっと待て、なぜ残すんだ」

「くくく」聞こえてくるのは笑い声だけで返事は返ってこない

一瞬で5匹を倒した全てを終わらすのは簡単だったはずだ


まさか、私を試しているのか?再び試練が訪れる

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