忠告と唇
徒歩10分とは聞いていたが、本当に近くにあった
地元の人の近いがその通りとは考えていなかった
1時間歩くことになるのではないかと、疑って飲み物も準備してきたが安心した
食べ物が豊富だが、村人は、誰も入ることは無いと聞いた
少々の危険なら、時間のかかる畑仕事より、実ってるものを取ったほうが楽じゃないのか
毎日手入れをしないといけなく、不便で苦労はするが、毎日少しでも、食べていければ十分だ
小腹はいつも空いてるけどな、心は満たされている日課があるのはいいものだ
寝たきりにならないし、体ははおら、この通り元気そうだろと笑って話していた
栄養が足りてないのか痩せているが、怪我をするようなことは、避けたいしな
村の人は、私と違って、欲がなく、楽したいと考えないんだな
その日の、食べるのに必死で、遊ぶ時間を作ることが出来ない、本当に幸せなんだろうか?
何もしなければ滅びる?『リリアイ暦』は書かれていた
村人を豊かにしてくれてことか?ゆくゆくは、広がっていく?
危険な魔物を退治して森の恵みを、村人に開放するて感じだな、上手くいけばだが
森の入り口、異世界の醍醐味は、魔物と戦いとは考えたが、チートな能力や装備はない、難しそうなら逃げようと決めていた
慎重に進む、危険そうな魔物はいないようだが、無理はしないぞ
一歩一歩踏みしめるように進んでいると、ハーブだろうか?いい香りが漂ってきた
踏みつけた足元なのかな?枯葉の間から、キノコが顔をだしている・・・
ハーブと感じた嗅覚に落ち込みながらも、食べられるか分からないけど、採取しておくか
引き抜いた瞬間、縄張りを荒らされること怒っているのか、こん棒を手にした熊が現れた
熊なのに武器を手にしてる・・・鋭い牙や爪だけでも殺傷力高そうなのになぜ?
異世界だ、知能が高くて、物を使う生活をしているのかもしれない
こん棒も、当たると無事では済まないな、村人が言っていたが、たしかに、危険だな
『こん熊』の攻撃、空振りしたが、風を切る音で恐怖を感じる
おっかないな、力任せに振り回してくるな立ち去れと威嚇なのか?
覚えた技、試してみないと、勇者なら、使える技なのかもしれない
期待を込めて『投石』をしたが、大したダメージは出ない
装備している小石なので、投げたら、拾いなおさないといけない・・・
ええええ、大問題じゃないか、走って逃げたら、追いかけられ、危険な気がする
運動神経は悪い方だが、動きがよく見え、簡単に避けられた気がした
動体視力は、良かったのか?重そうだし、振り回すの速度が遅いのか?
こん熊の攻撃は、隙が大きいが、当たるのが怖くて、素手で攻撃する気にはなれなかった
牙や爪で襲われそうで怖い、避けられるこん棒攻撃がましだ
小石を拾いなおし、『投石』気の長くなる作業を繰り返すことになるのか
他に戦闘が有利に進む、武器はないのか?強力な魔法なんか使えないのか?
「ファイヤー」叫んでみたが、なにも起きなかった
考えながら、『投石』を繰り返していると
『小石の熟練度と固有が、上昇しました』
技 投石2 岩を投げて攻撃できます
固有技 巨大化 小石を岩に変えられます
『巨大化』小石を岩に変える、大きな岩なのに、重さを感じない軽く投げられそうだ
『投石2』使ってみるが、山なりの軌道で、飛んでいく ドスン
真っすぐ飛んでいかないのか!がっかりしたが、落ちる衝撃から威力は凄いぞ
・・・隙を見て拾いなおすと軌道修正、あのあたりに投げれば、見事に命中させた
効いてるようだ、明らかに反応が変わった
小石ならお構いなしに振り回していたのに間合いをとり、攻撃してこない
どうしたものか、観察していると、目線をこちらに向けて顔を睨んでいる
閃いた、目と目を合わせ、距離を計りながら、真上を狙い『投石』
高く上空に上がり落下で威力が増したのか、頭部に当たると消滅した
『こん熊を倒しました』
ドロップ こん棒 毛皮 肉 インベントリに収納しました
便利な機能あるじゃないか、これなら手に持ち歩かなくていい、森の奥を調べてみよう
動物を見つけると岩を真上に投げる投石技で、先制攻撃を繰り返し、楽々と倒していく
楽しくなってきた、武器のドロップは無かったが、肉と皮が貯まってきた
食べられるか分からないが、果物や木の実、キノコ、葉っぱを、少し持ち帰ろう
結構倒したし、暗くなる前に、村に戻ることにした
「おう、若いのどこいっていた?」
「森の探索してきました」
「あれほど注意したのに、怖いもの知らずだな」
「沢山、取れたんですけど、食べられますか?」
成果を自慢するかのようにイベントリから取り出し広げた
「全部、食べられるぞ・・・しかし、多すぎないか?」
「みんなに分けて、もらえませんか?」
「気前がいいな、売ればお金になるんだが、隣の大きな村に行かないと無理だな」
売ることが出来るのか、貴重な情報だ、強力な技を取得したし稼げるぞ
多くの食材に盛り上がった、村人と鍋を囲んで親交を深める
みんな感じがよく良い人で、いろいろと心配して教えてくれたが、寝泊りの部屋は、隙間風で寒くて眠れない
気になっていることがある外に出ると、装備している岩を装備解除した
大きさは戻らないのか、それと、小石を集め装備できる種類があるか試行錯誤を繰り返すが、大差がない結果だった
性能を確認すると、『投石2』を繰り返したことで、夢中になっていて、狩りの間は気が付かなかった
『小石Lv2』
攻撃力2
熟練度2 技1投石3 技2石壁
固有 2 ☆巨大化 ☆四角い石化Lv1
投石3 石の威力が上昇
石壁 攻撃を防げる
四角い石化Lv1 石壁に適した、四角い石に変化する、
小石を装備して、『四角い石化』すると装備を外し、小石を装備しなおして繰り返し
2つの四角い石を両手に持ち、『投石』をするが、装備してるほうは、投げられる重さだが、未装備の方は持てるが、投げられない?手から離れる?程度だった
装備していないと、投げられないのか、そうなると・・・右手で、『投石』をした後に、装備を変えると左手も、『投石』したら、上手くいった
小石を集めて、『四角い石』を作っておく事にした
『石壁』、何も起こらなかったように思えたが、作り置きしておいたイベントの四角い石が、1つが体の周りを回っている
これは、戦闘が楽になるかもしれないが、防いでくれるのだろうか?実戦で試さないといけないな
ふぅ、確認したし眠りたいが、風が冷たく寝れそうにない、そうだ、四角い石を音が聞こえる壁に隙間なく積み上げる
暖かい、これで寝れそうだ、「ふあぁー」
あまり眠れてないが、村人の声で目が覚めた、まだ、暗いのに騒がしい
一時になるとなると意識がはっきりとして寝つけない・・・見に行ってみよう
「若いの、いい時に来た、手伝ってくれ」
「何をしているのですか?」
巨大な岩を数人で動かそうとしているようだが、ピクリともしない、砕かないと動かせない大きさだぞ
いや、待てよ、装備したらどうなるんだ、巨大な岩も装備出来て簡単に持ちあがった
ひょいと移動させ終わると、村人が寄ってきて、大喜びして、感謝を伝えられる
人の役に立つことが、こんなに嬉しい気持ちになるのか、気分よく、動かせないような岩を移動させているうちに、お昼になっていた
お昼を作業のお礼だと、食事をご馳走になり、森へ、移動する
『石壁』使用する 効果を確認できる魔物はいないかと探し回すが見当たらない
あんなに昨日はいたのに、姿かたちどころか、気配も感じられない
縄張りみたいなのがあるのかもしれない、そうなると昨日、退治した場所は、遭遇する可能性は、低いと考え
別ルートを進むことにした 急に、鳥の泣き声が止んだ、なにかが潜んでいる
両手に岩を持ち、隠れ潜んでいそうな場所に投石を繰り返した
この行動が、後に、後悔することになるとは思いもしなかった
お、熊だ武器は持っていない、種類が違うのかな?落ち着いて、お腹を空かしていなければ、大人しいはずだ
頭上を狙い『投石』一発で仕留め、肉と皮がイベントリに収納される
調子に乗り、先制攻撃でガンガン倒していき、ドロップを集め回った
歩いているとドーンと鈍い音がして、後ろを振り向くと『石壁』での防御に成功し、猪が倒れていた
再び、『石壁』を使用するが発動しない、再使用の時間があるようだ
同じように猪に資格から激突されるのは、怖いな立ち去ろう
2日で溜めこんだ、皮と肉を処分するために話に聞いた、大きな村に向かうことにした
この村は、家の作りがら違う、石で組まれている夜中も暖かいんだろうな
木で出来た村の家は、隙間風が寒くて、熟睡できなかった
参考にして、戻ったら組んでみよう 石に特化した能力が最大限に生かせそうだ
店に並ぶ商品に豊かな暮らしを感じる、食材は、高額で取引されてる
交渉したほうがいいんだろうが、面倒くさい、言い値で処分すか
相場を気にしないで売りまわる姿にある男が声をかけてきた
「お前が犯した罪の重さを理解しているのか?」
「いきなりなんだよ」
安値で大量に売りさばいたから、値が崩れて怒らせてしまったか
買い取りは、これ以上、難しいとこ断られたからな
「今日も、森を荒らしたんだろう?」
そうか、獲物を独占されたのを怒っているのか、一撃で倒せたから、分からなかったが、1匹仕留めるのも大変なのか
でも、確かに倒しすぎたのかもしれない、次回からは気を付けよう
だが言い方に腹が立つな、独占とは、頑張ればいいだけの話じゃないのか
「人聞きが悪いな、村人のために食料をあつめたんだどこが悪い」
「森から食料を集めて欲しいと依頼をうけたのか?」
村人は望んでいなかった、良かれと思って行動したし、喜んでいた
「食べる為に生きてる、生活を改善してあげたかったんだ」
「忠告しておいてやる、もう村に戻らないほうがいい、守りたいな」
どういう意味だ?迷惑がかかるとでも言いたいのか?
「うるさいな、よけいなお世話だよ」
掴んでいた腕を払うと、立ち去ろうとしたんだが、首を握られ、壁に背中ら当たる
「痛い、苦しいだろう」
「お前が心配なんだよ、なぜ分かってくれない」
首締めながら泣いてるのか・・・苦しい、頭がおかしいのか?付き合いきれない
少し緩くなった瞬間に逃げるように足を速める
「帰る前に、ここの村で聞くといい他の村がどうなっているのか、森を追い出された魔物がどうなったと思う?」
「全部、倒したと思うが・・・」
魔物は、手当たり次第、全部倒してきた
「食材があった場所が岩で潰されていた、お前がしたんだろう、俺と一緒に早く村を出よう」
腕を掴んできたが、すぐに払いのけ
「あなたの世話には、ならない離してくれ」
「まぁ・・そうだな、決めるのはお前だ」
心配そうな顔で、こちらを見つめ立ち去った
走って森に向かうと、食材を潰していた岩を回収した
潰れている・・・悪いことをしてしまった、落ち込みながら、村に戻り、お世話になったお礼を言って、去るつもりだったのだが・・
「若いの、今朝はありがとうな、どうした元気ないな、食べて行けよ」
村の人々に岩を移動させた働きを感謝され、褒められ、言い出せない・・・一夜を明かすことにした
眠れず、村から少し離れた場所で、座っていたら、いつの間にか眠っていた
騒ぐような大きな声が聞こえる・・・夢を見ているのか?
泣き叫ぶ声に、助けてくれと悲鳴の声が聞こえてくる
薄目に見える村は燃え、赤く染まっていた
助けに行かないと、意識は、はっきりしてるのに、なぜだか、体が動かない
「村の人を助けないと・・・・」
「ここにいたのか、煙を吸い過ぎたな、まずいな、安全な場所に逃げよう」
「駄目だ、助けないと・・・」
体をもちあげると闇の中に消えていく
一生わすれないだろう、この惨劇を・・・赤く響く悲鳴になにも出来ない悔しさ
涙が滲んで、景色がぼやけていき、意識が薄れていく
助けた男は、荒い息を整えると、廻をうつ伏せに寝かせると膝を曲げ
気道を確保して、唇を重ねる、薄れる意識の中、唇の生暖かい感触だけが残り
「おい、生きるんだ、まだ早い・・・」
こんなに私の事をなぜ、必死に救おうとしているんだ、疑問の中
意識を完全に失った