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リリアイ暦

それほど、本が好きではなく、活字を読むと眠くなる

無性に図書館に行きたくなり、気が付いたら『リリアイ暦』というタイトルの本を手にしていた


「ごめんなさい、心に決めてる人がいるの」

「いや、待ってくれ、友達からでもいいから食事に行こうよ」

「どうしようかな、見せてみて」

「何を?」

女の子は、男子の上着を開くと、首元を真剣に眺めていた

あまりの出来事に固まる男子、このこ凄いな・・・

「ごめんなさい、鎖骨が似ていたら、好きになれるかもって、思ったけど違う」

「ちょっと、脱がせて何をするつもりだったんだ」

「あの人に似た胸の中ならと考えたけど、ごめんね」

「何を言っているんだ、変んな趣味の子は、こちらから、お断りだ」

「ちょっと、言い方、酷くないですか」

服を直しながら、男性が出ていったが、こんなところで告白か

神聖なとこなんじゃないのか?静かなとこか・・・人もあまり来ないし目立たないか

告白を断った女の子が、こちらを見ると驚いた顔を見せると近づいて来た


「廻なの?」

「そうだけど、どうして、僕の名前を?」

「酷いじゃない、あんな・・・別れ方、もう逢えないと・・・思い出すと涙が」

「ごめん、人違いみたいなんだけど」

「酷くないですか?お得意の知らないふりでしょう、身分証明できる物を出しなさい。逃がさないよ」

ちょっと、可愛い顔なのにやることが怖いな・・・

名前が同じでも、生年月日とかまでは、さすがに同じことは無いだろう

見せないとストーカーされそうで怖いし、怒る前に納得してもらうか

「ほら、別人でしょ?」

「画像に残しておくね、また、明日、同じ時間ね」

「ちょっと、勘弁してほしいな」

「廻は記憶がないとか、あやしいな、愛してるから、逃げたら許さないからね」

走って去っていったけど、思い込みの激しい子だな・・・名前、聞き忘れた

好きだといわれたら、可愛いしドキドキしたよ


静かになったところで、『リリアイ暦』の表紙をめくる

終わる世界、10年後に滅びる、君が何もしなければ

いやいや、そんなことはないだろう

しかし、ページ1枚を使って・・・気になる出だしだな

この世界には、月は存在していなかった。地球は安定せずに、荒れ狂っていた

海の波は数百メートの高さがあり、飲み込まれては奪われていく

人類の誕生を望んだものが、太陽がピッタリ隠れる惑星を作り出し、安定する地点に運んだのだ、それが月だった

お互いに引き合う微妙な重力の関係で成りたっているが、同じようで永遠ではなく変化が起きる

5万年周期で世界は滅び、文明が生まれ変わる

49990年が経過したので、残り10年しか、残されていない


人々は、それなりに暮らしていけてる、滅びることなんてないだろう

誰だろう、こんな酔狂な話を書いたのは?

著者の分からない本によると、あと10年で5万年周期が訪れ、世界の崩壊が始まるという

その日を境に雪に埋もれる大陸に春が訪れ、5千年降り積もった氷が解け落ち

環境の良かった大陸が予想していなかった災害に襲われる、

水の少ない場所で豪雨が続き、緑豊かな場所は雨が降らなくなり乾涸びる(ひからびる)

夏は温度が、20度あがり、冬も温かくなるが、急な天候悪化で大雪にみまわれる

海底の温度上昇で、魚は数を減らし、昆虫の大量発生で作物は食い荒らされる


勇者として、あなたの力が必要なんだ、どういう意味なんだろう?

僕が勇者だとしたら、何も出来ないよ、いたって普通だし、成績は、優れてはいない、運動神経も平均を下回る

記憶力も、忘れ物が多いほうか、勇者には適さないぞ


最後に読めない記号のようなものが、描かれていた

目にした瞬間、脳裏に記号が何度も浮かび上がり、離れてくれない

方向を変え記号が重なり合うと、なにかが準備出来たかのように


YES/NO と、問いかけてきた、悩んでいるうちに時間が切れ、見知らぬ場所に立っていた

重要な選択だったんだろうか、ここは何処だ?



夢中で本読んだせいか、突然の睡魔に襲われて、向こうの大木の下で仮眠を、5分だけ・・・zz

手足の痛みで目を覚ます「痛い!」何が起きた?猫みたいな動物が噛みついている

「痛い、分かったよ、どくから噛まないでくれ」

離れたら、木陰でまるまり毛をくつろぐ、、彼らの場所だったか



村の中だったんだ、歩いていると、村人が話しかけてきた

「若いの、時間あるなら手伝ってくれよ」

あまり年の差を感じないんだが、悪い人ではなさそうだし手伝うか

農作業のようだが、畑と呼べない状態だな

土は乾燥しているし、栄養が足りてないのか、痩せ細っているし石の多い所で畑を耕していては、効率が悪いというか時間がかかるよな、

森に近いほうが、枯葉が栄養になり、作物が育つんじゃないだろうか?

聞いてみると、森の近くは、危険動物が多いという

あれこれ「、こうしたらしいと助言されるのは嫌だが、頼られるのは悪くないな

手伝いをしてる間に疑問が浮かび上がる、どうして見知らぬ場所にいたんだろうか?

覚えがなくても脳が覚えていて、一度は目にしたことある風景を夢見ると聞いたような記憶が

本を読んでいるうちに寝てしまって、夢の中かな、でも、噛まれて痛かった

夢は、現実と区別がつかないことあるけど、痛みはないよな

そういえば、世界を救う勇者は君だ、みたいなこと書かれていた本読んでいた

ここは、本の中なんだろうか?噛みついていた動物も初めて見た

勇者だとしたら導く存在いるはずだよな、状況を説明してくれる女神が現れなかったし

睡魔に襲われた時間に逃してしまったのか・・・不覚

ステータスは、装備品とか、特殊能力みたいなのあるはずだ・・・なにも無かった


諦め農作業を再開すると、小石を掘り出している作業中にに変化が起きた

『小石を装備出来るようになりました』

攻撃力1 与えるダメージに影響します

熟練度1 新しい技が使えるようになります

固有 0 新たな可能性を引き出せます

技 投石 投げて攻撃します


この能力は、想像していた勇者と違うな、自分専用の伝説の剣を扱えるとか

絶大な技や、高火力の魔法が使えるとか、期待していたのと違いすぎる

これは、苦労するぞ、僕自身には、なにも優れたことないのだから

もっと使える装備手に入れないと、小石って、武器ではないよね

村人の手伝いを終えると食事をご馳走になり、話に聞いた森に行ってみることにした

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