マイライフ3 アヤカのDNA
柚月家。
柚月世帯区分と加須世帯区分に分かれてあった。
よりによって、協議離婚したアヤカの再婚後に設けた子供が家出して柚月家を探して云十キロ先の東京まで来た。
「なんだよ、いきなり来て連れ子って。冗談言うな。警察……」
「イヤッ‼ お父さんとお母さん、大喧嘩してんのよ。しかもあなた……芳樹さんの名前をたくさん出して泣いてた。お母さんがあんまりよ」
「僕がしっかりしなかった顛末なのか……」
「夫婦喧嘩は、芳樹さんとは関係ない。ただ、芳樹さんと離婚しなければと癖のように言ってただけ」
「家出の原因は夫婦喧嘩か」
「前の夫の娘だろとDV受けたし」
「そう……か……。僕じゃ出る幕ないな」
僕のいたリビングの中。柚月の住人と我が家の家族総出でアヤカの娘に注目していたという。
「私、加須ヒカリよ、シズリさん、いやシズリ姉さんよろしく」
「他人行儀はなんか堅苦しいからシズで良いわょ。ヒーちゃん」
「私、ヒッキーで慣れてるんで」
「じゃあ、アタシにも呼び捨てで良いょ」
いきなり出会って、いきなり馴れ合ってはキャッキャウフフしてるとは、十代の若者たちはなんて言うか……。
「僕はこのまま寝るから」
「ちゃんとベッドで寝たら? アザラシなんだから」
シズリは親子間の馴れ合いを見て笑い転げた。
「それ、ウケるシー」
こうして連れ子の家出話はひとまず幕を閉じた。