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幼児大戦  作者: 天ノ月極
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自己紹介

スカイフィッシュ組の教室に入り、横一列に並べられた椅子に座らされた。

見たところ組の人数は俺とやっくんを入れてちょうど10人だ。


「先生の名前は龍造寺(りゅうぞうじ) ゆめです!ゆめ先生って呼んでください!」

先生は自己紹介が終わるとポニーテールを揺らしながら一礼した。

恐らく学生時代はスポーツをしていたのであろう。

熱血タイプの先生であることは確かだ。

これから彼女をドラゴンと呼ぼう。


「次はみんなに自己紹介をしてもらいます!誕生日が早い人から順にお願いします!」

いちいち声がでけえ。


4月5日生まれのやっくんから自己紹介が始まった。

「関 刃です。あまり運動はできないけど九九の7の段を噛まずに言えます」

「4歳にして九九だと…?」

「しかも最難関と言われる7の段をクリアしてやがる…!」

組は一人目にしてざわついた。


次の紹介は4/11生まれの俺だ。

「佐津川 大河です。俺に敗北の二文字はない!」


・・・・。


どうやらこの紹介は誰にも響かなかったらしい。

全員と目が合わない。


しらけたムードで3人目の紹介が始まった。

8/22生まれで短髪のボーイッシュな女の子だ。

「あたしは音川(おとかわ) (ひかり)。足に自信があります」

そう告げると俺を睨んだ。


「いいぞーいいぞー!」

「さっきの奴泣かせたれ!」


さっきのムードとは一転歓迎ムードになった。

俺は早くもヒール役となってしまったようだ。

並みの4歳児なら泣き出しているだろう。


その後も自己紹介が続き、ラスト10人目の番になった。

3/31生まれで9人目までずっと眠っていた奴だ。

八戸(はちのへ) (ほわいと)です。前世の記憶があります」


二つの衝撃に教室内は静まり返った。

名前のインパクトと前世の記憶があるというカミングアウトで全員の脳内がフリーズした。


この空気をドラゴンが切り裂いて言った。

「前世はなんだったのかな?侍かな?」

「ハト」

再び重い空気が漂う。

それ以上は誰も追求しないまま自己紹介が幕を閉じた。

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