親友ポジの差し入れ選び
思ったより(何時もに比べれば)早い更新。とか言ってる場合ではない。元号かわってますやん。
そして短い。はよ勉強しろ(理不尽)
「えっと、菓子はこれぐらいでいいかな。飲み物はっと……村本は食べれない物とか苦手な物とかねぇの? この中のやつ、大丈夫か?」
「……ぁ、炭酸はちょっと……苦手、で……。っ他は……大丈夫……」
「ん。オッケー、じゃあちょっとそういうの減らしてお茶入れとくかな」
「ご……ごめんなさい……」
「あぁ、全然。気にしなくていいよ。口に入れる物ぐらい誰だって選びたいだろうしな」
買い物かごの中を後ろについてくる村本に時々見せながら、商品を厳選していく。
村本を迎えに行った後、今は誠の家に向かう途中にコンビニに寄り、勉強の合間に摘まめる物を探している。遅れた埋め合わせ、と言うほどでもないが、気持ち多めにしておく。
元はと言えばこの遅刻も杏奈のせいではあるが、俺に原因がないとは言い切れないしな。
「あっ、そうだ村本。逆になにか食べたい物とかないか? 流石に2回も店には寄らないだろうし……」
「ぁ、その……私は……」
「ほら、こういうのは当事者の特権ってやつでな、どんなの買っても許されるんだよ。リクエストなら今のうちだぞ?」
「……ほ、本当に、いい……の……?」
「どうぞ、お好きなものを」
そう言ってかごを村本の目線と同じ高さまで上げる。そして、少し躊躇ったような素振りを見せた後、回りを見渡し、店の一点に置かれた和菓子のコーナーに近づき、そこからひとつを手に取った。
「カステラか、それでいいのか?」
「う、うん……本当に、大丈夫……?」
「大丈夫大丈夫。んじゃ、レジ行ってくるから悪いけど店の前で待っててくれ」
「っぇ、な、なん……だって、お、お金……!」
「いやほら、そこは遅れた礼も兼ねてってことで。それに元々買う予定ではあったしな」
「で、でも……っ!」
「いや、まぁここは格好つけさせてくれよ。何て言うか、男ってのはこういう所で変に見栄を張りたい生き物なんよ」
その後も狼狽える村本をあの手この手で説得し、なんとか納得して貰うことが出来た。店をでる間になんども申し訳なさと戸惑いを混ぜた顔で振り返ってくるのを見届けて、レジに並ぶ。
先程の言葉は全部嘘という訳ではないが、こう……少なからず好意をもってくれている人間に自分の都合でお金払わせるのは流石に気が引ける。
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「よっと。悪いな、待たせて」
「ぅ、ううん……あ、ぁの……お金、やっぱり……」
「あーっ、だから気にすんなって」
「で、でも……」
「でもって言われてもな……あ、それじゃ、これ持っててくれるか? 一緒に自転車のかごに入れると砕けるかもしれないしさ」
店を出て、停めていた自転車の近くにいる村本に声をかけながら、飲み物の入ったレジ袋をかごに入れる。
普段なら炭酸の飲み物やら崩れやすい菓子やらが入ってる時もあるので、泣く泣く手にもって移動するのだが、今回はその手の物を買っていないので、迷わずぶちこみ、さっきまでならかごに入れていた村本の鞄も、忘れずに肩に移動させる。
先程の会計について諦めきれていない村本には、分けておいた菓子の袋を持って貰うことで、手をうたせていただいた。
「それにしても、本当にカステラでよかったのか? 他にも色々あっただろうに」
「ぁ、その……私、和菓子が好きで……」
「へぇー、いや、でも何となくわかるわ」
「ぉ、お婆ちゃんの影響で……」
「ふーん……じゃあ他にも、羊羮とか団子とかよく食べるの?」
「ぅ、うん……一番好きなのは、お団子……で……」
自転車を押して、村本ととりとめのない話をしながら、今度こそ誠の家に向かう。流石にこれ以上待たせるのは忍びない。寄り道せずに行くとしますかね。
雄介君、歩美ちゃんの好物を探るためにわざと商品を選ばせるの巻。その前後の会話でもそれとなく好きな物や苦手な物を聞きに行ったりしてます。抜け目ない、のか……?ついでに雄介、レジに並ぶ時、カステラをお徳用にしてたりする。
本編で書くほどの事でもないコーナーその3
・雄介はまだ歩美との会話になれてない(はずかしがっている)ので、少し口調が優しい。慣れてくると他の人と同じように喋れるかも……? また、逆も然り。歩美も誠達主人公グループとの会話に慣れてないので、言葉を慎重に選び過ぎて会話しているせいか、急にどもったり声が小さくなったりする。こちらも慣れると多少はこの癖がおさまるかも(元々の性格もあるので、完全に無くなったりはしない。)