親友ポジの転機
よろしくお願いします。それっぽいタイトルで、それっぽい作品を作ってみました。エタらないように頑張ります。
「えっと、なんだ……悪い。今、なんて……?」
「ぁ……の、だ、から……その……」
体育館裏。騒がしい生徒の声が至るところから聞こえる本校舎や校庭と離れた距離にあり、学校の区域からみても隅といえるここは、教師の見回りが薄いため、あらゆる場面で使える非常に便利な場所だ。
放課後ともなれば、耳に届く音は帰宅しようとする生徒の笑い声や体育館内から響いてくる部活に精を出す人達が発する衝撃や足音。それが妙に心地よく、木々や建物からできる日陰とフェンスから差し込む夕焼けが絶妙な雰囲気を作っている。
まさに告白や物語の大事な場面など、アニメや漫画で重要なワンシーンによく使用されそうなこのシチュエーション。
「っす、好き……です。付き合って、くださぃ……」
胸の前で組まれた両手の指を不安そうに絡め、差し始めた夕日より一段と赤いそのうつむいた顔をゆっくり上げながら発せられる今にも消えそうなか細い声。そんないかにもな場所で、俺こと『日野雄介』は、自分に向けられている特別な感情を伝えられた。
……話は、この日の朝に遡る。
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2年生となった自分が初めて通る通学路を、よくある学ランに身を包み、目を擦りながら自分が通う学校に向かってゆっくり歩く。朝は気持ちよく眠っていたところを母親に布団を剥がれ叩き起こされた事で、少し機嫌が削がれている。いつも嫌々なから通っている道も、今朝の出来事もあって更に険しさを増しているように感じる。
「おっ、いた。『ユウ』! って、なんだその顔……」
「おー、『誠』と『いずみ』か。っはよー」
「あはは……ユウ君、なんだか眠そうだね」
道に気力を吸われるような気がしながら歩いていると、前から男の声が聞こえてきた。呼ばれたほうに顔を向けると、自分と同じ制服を着た二人の男女が手を振っている。眠気に負けそうになりながらも声を出したところ、その隣にいたもう一人が苦笑いを浮かている。
この男の名前は『鈴原誠』。俺と同じ『鮎原高校』の同級生。名前通りの真っ直ぐな性格で、見てるこっちが心配になるほどのお人好しでもある。
もう一人、その後ろに付いている子は『朱坂いずみ』。おなじく鮎原高校の2年生で、左肩にかけられた三つ編みと頭の上で揺れるアホ毛がチャームポイント。誰に対しても優しいその性格と笑顔が似合う可愛い容姿から、男女共に人気が根強い。
俺と二人は小学校からの付き合いで、所謂幼なじみともいえる関係。でも二人はそれよりもっと前、それこそ幼稚園頃からの仲らしい。と言うのも二人の家は隣通しで、昔から何をするにもほとんど一緒だったといずみの母親から聞かされている。
「もしかしてユウ、寝不足か?」
「あぁ、ちょっと漫画読んでたら日を跨いじまってな。おまけに朝はたたき起こされるわでまいったわ」
「それ、おばさんは悪くないと思うんだけどなぁ」
二人は俺の事を何時からか雄介という名前からとって『ユウ』とあだ名で呼んでいる。最初に誠がつけてから、真似をするようにいずみも俺をそう呼んでいる。
「……あっ『クリス』ちゃんだ! クリスちゃん!こっちこっち!」
取り纏めの無い会話をしながら三人で歩いていると、向こうの住宅街の角から一人の女子生徒が歩いてくる。それを見かけたいずみが大きな声を出しながら手招きしている。クリスと呼ばれた生徒が微笑を浮かべ、その長いベージュの髪を静かに揺らしながら小さく手を振った。
『七瀬クリス』。同年代としては落ち着いた印象を受ける彼女は、一年生の時に俺達がいる街に引っ越してきた日本人の父とロシア人の母を持つ転校生。成績優秀、スポーツ万能。おまけにスタイルもよくて美人。弱点という弱点が見当たらない正に優等生といった所。いずみは彼女の事を良く慕っているらしく、クリスもそんな感じでなついているいずみの事を気に入っている様だ。
「おはよう、いずみ。誠と雄介も。……今日も三人で登校?」
「うん、おはよう! ユウ君とはさっきそこで会ったの」
「当の本人はいつにも増してひどい顔ね……でも雄介の事だから、また夜遅くまで起きてたんじゃない?」
「随分厚い信頼で雄介君も嬉しいよ。まぁその通りなんだけどさ」
「はぁ……二年生になって早々こんな調子じゃ、先が思いやられ……」
「おっはよーっ!!」
「っでぇ!?」
「いっだ!!?」
そうやって四人で話し合いながら歩く。さっきまでの眠気はどこへやら、笑いながら道を進む途中、突然右肩に激しい衝撃が襲う。若干倒れかけながら顔だけで右を見てみれば、誠も同じように苦悶の表情をあげ左肩をさすっている。
「ってぇ……ユウ、大丈夫か?」
「めっちゃくちゃいてぇ……肩吹っ飛ぶかと思った」
「もー、そんなにおもいっきり叩いてないでしょ? 二人とも大袈裟なんだから!」
「っ『杏奈』! 急に叩かないでくれ! びっくりするだろ!?」
「えへへ。おっはよー、誠! あっ、雄介もごめんね?」
「って、俺はついでかよ」
そういって俺達の前を、一人の徐々にが満面の笑顔で両手を振りながら立っていた。特徴的な長い薄紅色の髪をツーサイドアップの髪型にし、先程の事をなんとも思って無さそうな顔をしたこの女子は『桃川杏奈』。
杏奈も一年生からの知り合いで、誠とちょっとしたトラブルを起こした時から続いている関係だ。普段はサバサバした性格で、初対面の人と話すときは勘違いされやすいが、本来は面倒見がよく、気に入った人間には何だかんだと手を焼く、言ってしまえばほんの少し素直になりきれない性格の子だ。
「はぁ……相変わらずとっても元気ね。その元気をもう少し学業に回せたら少しはその騒がしい声もマシになるんじゃないかしら」
「あ、クリスじゃない。静かすぎてぜんっぜん気づかなかった。そっちは少し元気を日常に割り振ったほうがよさそうね? 私生活まであなたの頭みたいにガチガチだと、人生楽しくないんじゃない?」
「ご親切にどうも。でも私、これでも結構満足なの。友人にも恵まれてるし、おまけにいつも近くで跳び跳ねてくれるウサギさんのおかげでこっちも毎日退屈しないし」
「……言ってくれるじゃない、この温室猫」
「放し飼いのウサギよりはよさそうね」
「ふ、二人とも朝早くからやめよう。喧嘩しちゃダメだよ?」
「……フン」
「ベーッ」
クリスと杏奈は性格が少し合わないらしく、少々犬猿の仲。時々このような口喧嘩をしてはいずみに止められる、という事を繰り返している。お互いの気持ちがガッチリと噛み合うときもあるし、本心では嫌っていないみたいだが……いや、どうだろうか。
最初の一人空しい登校から一転、五人という大所帯になって歩く。またこうして、騒がしくも毎日が楽しい学園生活を無事迎える事になりそうだ。でも唯一普通と違う所と言えば一つ。
「あ、そういえば誠君。お母さんが今日一緒に夕飯どうかなって。もちろん迷惑じゃなければ、なんだけど……」
「誠、前に言ってた英語の勉強だけど、今度の週末たまたま時間が空いたから見て上げる。この際予習までやってしまいましょう」
「まことまこと、そんな事よりゲーセンいこうゲーセン! ちょっと気になるぬいぐるみ見かけたの。今度一緒にとりにいくわよ!」
「あ、あぁ。ちょっと待ってくれ、そんな一度に言われたって混乱するだろ?」
「いやー、ほんと相変わらずだわ」
……俺の親友が、ハーレム系作品の主人公並みにモテる、と言う事だけだ。
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白波市。新しさを取り入れながらもどこか懐かしさが漂う、海と山に囲まれたこの町は、観光客による各レジャー施設などの売り上げが非常に高く、シーズンには他県、はたまた海外からも人が押し寄せる有名な観光都市である。
そんな町に作られたのがこの白波市立鮎原高等学校。生徒数約200人の小規模な高校だ。各学年の学校行事では、その恵まれた周囲の自然を利用した授業やレクリエーションなど、環境を利用した物もよく行われている。
そんな学校についた俺達は、早速クラス替えの紙が張り出された看板に向かう。周りを見渡せば、久しぶりの再開を喜びあう者、クラス替えの紙に書かれた約20人により編成された内容に残酷な結果、あるいは運命の巡り合わせに一喜一憂する集団など、中々の盛り上がりとなっている。そして、その結果は当然俺たちにも来るわけで。
「な・ん・で、あたしだけ別のクラスなのよっ!?」
2ーB
鈴原 誠
日野 雄介
朱坂 いずみ
七瀬 クリス
2-C
桃川 杏奈
「なにこれおかしいでしょ! こんな綺麗にあたしだけ一人弾かれるなんてあるの!?」
「確かに、これだけ同じクラスにみんなが集まるなんてすごい確率ね」
「気にする所そこ!? っていうかあたしはどうなるのよぉ……」
「諦めなさい。それじゃ私、先に教室にいくから」
「こ、この薄情ものぉ!」
下駄箱の前で地団駄をふむ杏奈。何時もは手厳しいクリスも今回ばかりは哀れみの目を向けるが、半泣きになりながらすがりついてくる杏奈の無茶振りをズバリと切り捨て、足早に一人教室に向かう。
「たしかにこりゃ逆にすげぇな」
「でも、別のクラスになったけど俺達も時間を見つけてそっちに行くから、そう落ち込むなって」
「あ、杏奈ちゃん。その……わ、わたし休み時間に遊びにいくよ! だから元気だして……ね?」
「……そうよ、なってしまったものは仕方ない! じゃ、あたし休み時間そっちに一杯遊びに行くから、覚悟してなさいよ!! それじゃ、またあとでね!」
俺達の慰めも余り聞いていないのか、そういって俺達とは違う隣のロッカーに自分の靴を預け、校内用のシューズに履き替える杏奈。だが、去り際にはさっきまでの憂鬱は消え去り、いつも通りの杏奈になって笑顔を見せながら自分のクラスに向かっていった。
こういった切り替えの早さはあいつの美点だ。その様子を見たあと、俺達は顔を見合わせて笑い、自分達の教室に向かった。
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そこからは何処にでもある始業式。校長のありがたい言葉(昨今の時代の流れに沿い、割りと短い)を頂き、教室に集まって先生から春休み中にあった課題の提出、及び自己紹介の流れ。そして新年度の教科書や校内の決まり事の書かれた用紙の配布など、ありきたりな流れ。それでもそれ相応に時間がかかりその一日はそれだけで放課後を迎えることとなる。杏奈は宣言通り時間を見つけてはこっちに来ていつも通り騒いでいる。あちらのクラスでも関係は良好なようで、嬉しそうに新しい友達の話をしているのが印象的だった。
「あー、ようやく終わったぁ。やっぱりこういうのって、思ったより時間がかかるな」
「そうだね。でもせっかく先生達が色々頑張ってくれてるんだから、しっかりしなきゃ」
「……いずみは真面目だな。そういうところ、なんだか安心するよ」
「え、えへへ……ありがと」
「む……。そういえばあのウサギが見当たらないわね。あれだけ一緒に帰るなんて言っておいて、まだ来てないのかしら」
「あいつのことだから、先生に居残りでもさせら……え、なにこれ」
「進学初日から居残りなんて、もう完全に問題児の仲間入りね。まぁうるさい野うさぎが来なくなるのは……嘘、それ……」
「? どうしたユウ、なにかあったのか?」
雑談しながら玄関のロッカーを開けた俺が見たものは、自らの靴の上におかれた異物。日常生活では最近のSNSの普及により滅多に見れなくなった代物。もはや内容次第では制作者の黒歴史にもなりうる白い紙袋に入れられた便箋。その名も……
「そ、それってラ、ラ、ラブ……」
「……レター、よね。恐らく」
いずみが顔を赤くし、興奮の感情が溢れているのがアホ毛がピコピコと揺れている。クリスも物珍しさ故か、視線を俺の持つ物体から微動だにしない。
「ラブって、それ……!」
「まっ、誠君声が大きい!!」
「わ、悪い……」
「いや、そう言ういずみが一番大きいぞ」
「ご、ごめんなさい……それにしてもこれ、誰からかな? ユウ君、心当たりとかない?」
「いや、俺も知らねぇけど……マジか」
いずみの問いかけに答えながら、封筒の中にある便箋を取り出す。書かれている内容は実にシンプル。『このあと体育館裏に来てください。』という小さく可愛らしい文字。差出人の名前は……不明。封筒の裏側にも無し。
「……実際に行って確かめるしか無いけど」
「あぁ、罰ゲーム的な可能性も無くはない、よな?」
「で、でも、もし本当に待ってたらその人可哀想だよ……」
そういずみは言うが、どちらかというと正直乗り気じゃない。普段から人気のある誠ならまだしも、俺というのが尚更理解できない。罰ゲームだとしても誠のほうが面白いはずだし、俺の場合はそこまでひっかけて面白いとは思わない。勘違いした俺の姿を見て笑いたい、なんて趣味の悪い奴に目をつけられた覚えもない。
確かに俺は色んな趣味に手を出しまくってる分それなりに交遊は広いつもりだし、自分で言うのもなんだが気持ち悪いが、それぞれと友好的な関係を築いてはいるつもりだが、どう頑張っても『いい人』止まりで、それから惚れた腫れただの関係に転ぶことが全くないという悲しい自覚も残念ながらある。
それに、仮に差出人が本当に俺の事を好きだとしても、ラブレターなんて物を出してくれる人間なら、今慌てて行動しなくても、今後相手側から何かしらのアプローチがあるはず。
そう思いながら色々と考えに耽っていると、左肩に手がおかれる。その方向を見ると、誠がなんとも言えない表情でこちらをみていた。
「そんなに考えるぐらいなら、行ってこいよ」
「なっ……行ってこいったって、これ本当かどうかわかんねぇんだぞ?」
「いいから行ってこい。その人は勇気を振り絞ってこの手紙を書いてくれたかもしれないんだぞ? その気持ちを無下にするのはダメなんじゃないか?」
「そりゃ、そうだけど……」
「もし騙されたなら、俺達も一緒になって笑ってやるから行けって。それに行かなきゃお前、なんだかんだ後で後悔するだろ?」
「誠……」
「そ、そうだよ! 絶対行かなきゃ! この人、もしかしたらずっと待ってるかも知れないんだよ!?」
「……まぁ、私は貴方の判断に任せるわ。一番大切なのは渡した人と渡された人の気持ちでしょうし」
三人の思い思いの言葉を聞いて少し考えたあと、行ってくるとだけ伝え、おれは体育館裏に向かった。余計な事は考えなかった。ただ、押された背中と、この手紙の送り主に答える為に目的地に向けて走り出した。
ただ誠君や、君普段からその察しの良さ、ちゃんと発揮して?
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「つっても、やっぱ居ねぇか。ハズレだな。これ」
体育館裏についた俺は誰もいない場所を見渡し、少し安堵のため息を吐き、その辺の適当なばしょに腰を下ろす。体育館によって出来た影の涼しさが心地よく、フェンスの隙間からこちらにポツポツと差し込み始めた夕日も、こう見ると感情深い物だ。……正直、ここで差出人に会わなかったのは良かったかもしれない。どっちの結果だろうと感情的になって飛び出してきた今ならまともに返答できる気がしない。そういう意味では、今回は俺としても向こうとしても、これが一番いい結果になのかも。
『…………!……!?』
『……っ………?…………』
そうしてうちに、なにやら体育館の向こうから小さな声が聞こえてくる。ヒソヒソ声というか、なにやらこの会話が水面下での重要なやり取りに聞こえ、直感的にこの声の主達が、恐らく俺の下駄箱に手紙を置いた人達なんだろうとわかる。……大方、だれが今回の話を閉めるかで揉めているのだろう。
『…………いいから、行きなさいって!!」
「きゃっ、ま、待って。ま、まだ……その、心の準備……が……あぅ」
大きな声と共にその曲がり角から放り出されるようにして出てきた小柄でふわりとした黒髪、肩にかかるかかからないかくらい、所謂ミディアムヘアーの少女は、壁の向こうで隠れているであろう人物に抗議の声を上げようとするが、こちらにいる俺の顔を見るなり、その顔を林檎のように赤くして俯いた。
って言うかこの子、確か去年も同じクラスだった……。
「……『村本』?」
「ぁ……ぅん」
小さく短い返事。そう、『村本歩美』。去年に続き、今年も同じクラスだった筈だ。黒目黒髪の小柄な少女。余り人付き合いがそこまで上手い印象ではなく、俺も会話をしたのは去年だけでも片手の指で足りるほど。そんな子がどうして俺にこんな手紙を……?
「……あの、さ。手紙、書いたの……お前か?」
その問いに、浅く頷く村本。先程と同じく照れながらスカートの前に揃えられた手をゆっくり胸元まで持ってくるその姿に、言い様のないもどかしさを感じる。
「呼び出された話、聞きたいんだけど……なに?」
「ぁ……その、ごめん、なさい……新学期始まってすぐ、急に呼び出したり、して……」
「あ、いや。怒ってるわけじゃねぇんだけど」
「……ぁ、あの……私、村本……歩美と、ぃい、ます」
「あ、おう。いや、知ってるけど」
こっちの一挙一動に怯えるようにしながら話始める村本。辛うじて繋がれた言葉も緊張の余りお互いが知っている情報しか出て来ず、空回りしている印象を受ける。
「じ、実は……今日は、伝えたい事が……あって……その……」
「…………」
必死に声を搾り出しながら言葉を続ける彼女の口元に意識を集中する。声の小さい事もあるが、ここまで必死になってなにかを伝えようとする村本の気持ちを無下にしないために。つい先程の誠達との会話を思い出しながら、言葉を待つ。
「……っ………ぁ…………い」
「えっと、なんだ……悪い。今、なんて……?」
「ぁ……の、だ、から……その……」
だが、注意していてもその言葉ははっきりと聞こえなかった。もしかしたら彼女の気持ちに少し当てられたのかも知れない。それほどまで純粋な、自分の中からかき集めたなけなしの勇気を詰め込んだ消えそうで儚い、ありったけの言葉を。
「っす、好き……です。付き合って、くださぃ……」
胸元で祈るように組まれた手を震わせ、先程より一層赤くなった顔の目尻に浮かぶ涙は差す夕日によって煌めいている。懸命に伝えようと放たれた俺への感情。そんな、ありきたりでよくある告白を、俺は彼女から受け取った。
以上で今回の話は終了です。キリのいいところが一話だとここしかなかったので、こんなにダラダラと続いてしまいました。
過去に関係のあった各キャラクターの話なんかも今後かかせていただければ幸いです。また、今回あえて話のテンポにより出せなかったキャラクターもいます(担任の教師、主人公の母親等)。そちらも登場させられるように頑張ります。次回は今回登場したキャラクターの紹介になると思います。早くて今日、明日中に上がるとおもいます。それでは、また。感想もお待ちしております。