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魔王のむす娘 転生したら絵描きになりました  作者: 友枝 日雲
村の男の娘
5/7

狼と脳筋とこれからについて?

状況整理の会はまた後で出します

それまで意味が分からないかもしれません


 わしはイルたんの回復祝いに以前から村の同志とともに作り続けていた服.....異界の勇者とやらが伝えたらしい ろりーた?じゃったかの?をプレゼントしようと持って行ったのじゃが、自分の服だと知った瞬間うれしさのあまり家を飛び出していったわい、ホントにかわいいのう。

 

 そんなわけで恒例の鬼ごっこが始まったのじゃが...以前ワンピースを渡したときと同様すぐに捕まえられると高をくくっていたんじゃけどな。

 それがもう速いのなんの、わしが全力出した時くらい出てるんじゃないかの?びっくりしたおかげで見失ってしまったわい。

 やはりダラドが言っていた通りなのかもしれぬな...じゃがいくら速いとはいえまだ三歳児じゃからの消耗も激しいじゃろうし、そろそろどこかに隠れたころじゃろ。


 鬼ごっこからかくれんぼに代わってしまったが、べつに問題はないの、わしには50キロさきでもイルたんのにおいはわかるからの、そうと決まったら探るとするか。


 魔力を開放する...わしの鼻と口が伸び体の体毛が伸びていき体を覆っていく、頭部には二つの獣の耳が生え尾てい骨のあたりから尻尾も生える。この格好を見たものはよく狼が二息歩行しているみたいだ。というがあんまりうれしくはない。だって狼って怖く見えるし前にイルたんに見せたら怖がっていたからの。


「む?まだ走っておるのか?」


 においを探るとまだ離れて行っているようじゃ。まだもっているのか...あの子の子供じゃしな。そしてその近くを探っているとべつのもののにおいに気づいた。

 気づくと同時にわしの足は動いていた、木と木のあいだをくぐりながら、ぶつかりながら進む...ええい鬱陶しいの!

こんな時に自分の愛剣を持ってきてないのが悔やまれる。あれがあればよけずとも最短距離を切り開いていけるのに....悔やむよりも今は足を動かすのじゃ!




 イルたんのいるところが見えたときわしが見たのはCランクの魔物フレイムベアがイルたんの頭めがけて右腕を振り下ろしているところじゃった。しかもかなり怒っているらしく確実に殺そうと爪に炎をまとっている。


「くそっ」


わしは足にありったけの魔力を込めて地を蹴った、その反動で地面がえぐれたが気にしている暇はない。



......届かない......あと一歩というところでフレイムベアの腕がイルたんの顔に当たってしまう寸前じゃった。じゃがわしは見てしまった....いま目の前には確実なる死が襲い掛かっているのにも関わらず、いつもの愛らしい顔を恐怖で歪ませるでもなくその表情は何の感情も感じさせない....まるで人形のように生気も感じない顔....そして、そのままイルミリアは右腕をフレイムベアに向かって振り下ろした。


 わしには何をしたのかわからなかった。ただ結果から言うとイルミリアの力でフレイムベアの右腕以外を消したのじゃ....まだ三歳のこの子が並みの冒険いわゆる中堅レベルの冒険2、3人でやっと倒せるくらいの魔物を倒してしまったのじゃ。そして一つこれからすぐ先の未来がわかる....わしこのままだと木にぶつかるな.....



ベキベキベキベキっ


 何本かの木を折ってようやく止まった....体に怪我はなさそうじゃの...ああっ

自分の手を見てみると皆と作った服がボロボロになっておった....せっかく作った服が...イルたんもあんなに喜んでいたんじゃがのう....


イルたんに怪我がなかったのは良かったがもし服がボロボロになってしまったと知ったら悲しむじゃろうな...どうしようかと思いイルたんのほうを見るとふらふらしており今にも倒れそうじゃった。


わしは急いでイルたんのもとに向かうじゃがわしが付くよりイルたんの倒れる速度のほうが早い...また間に合わないのか?


そう思ったとき一人の人物がイルたんを支えてくれた....よくやったぞ!そう思い駆け寄ったのじゃが....

その人物がだれか分かった時にちょっとイラっとしてしもうたわい。


「なぜここにいるのじゃ?ダラドよ」


 そうその人物とは数年前に村に来たもので今や村人からは村一番の狩人などと呼ばれておる...前までわしがそう呼ばれておったのに...何より許せんのは、イルたんが高確率でニコニコしながら話しかけておるのだ...ぐぬぅ悔しい。


「それはこの子とあなたが異常な速度で村から出て行ったから心配になって追ってきたんですよ...それに私は前に言いましたよね?目覚めたばかりだからきちんと見ていてください....と」


そう言って金色の瞳に怒りを燃やしながらこちらを睨みつけてくるダラド


「わかっておるわ!じゃがわしも魔力に目覚めたばかりでここまで扱えて、なおかつ莫大な魔蔵量があるとは思わなんだ...」


魔力の扱い方も知らぬ三歳という幼さで身体強化魔法を使い数キロ走りきることができる魔蔵量があり、なおかつCランクを倒す力をもっているなどだれがわかるだろうか。


「言い訳は聞きたくありません、それに一番の問題は彼の力です」


「見ておったのか」


「はい、あの力はきちんとしたところで学ばせるなければいけない力です。」


こやつ...まさかこの子をあそこに通わせるつもりか?


「まだこの子は三歳じゃぞ」


「年は関係ありませんあそこは実力主義の世界です。彼が通えば瞬く間に頂点に立つでしょう」


「そうじゃない!せめてもう少し大きくならねば変な輩に騙されてしまうじゃろが!」


いくら力があろうとあそこでは知恵も回らんと騙されてろくなことにならん。


「関係ありませんこの子の力ならそんな輩も纏めてつぶせます」


 そう、こいつのこういうところが嫌いなのじゃ、なんでも力で解決してきたから力で解決できないことはないと思うてしまっとる。何よりあそこはそんなところじゃからなおさらその思いも激しくなる。もしそんなところにこの子がいってみろなまじ力があるだけにこんな顔だけ脳筋になってしまう....それはあってはならないのじゃ!


「とにかく、どうするかはこの子がもう少し大きくなってからじゃ...いいな?これは村長命令じゃ」


より底にある魔力とともに殺気を含めながら言う、ついでに森から動物が逃げたが仕方ない


「........わかりました。」


「とにかく今はこの子をベットに寝かせてあげなければの」


「はい」


その日はそうやって村に帰った...あ、服どうしようかの


まあ、また作ればよいか、前のよりさらに力を籠めればイルたんも許してくれるじゃろ。















じいじは狼になった。ダラドはただの脳筋だった。

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