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魔王のむす娘 転生したら絵描きになりました  作者: 友枝 日雲
村の男の娘
3/7

起きました

 目覚めて目に入ったのは知らない天井.....ではなくどこか既視感のある天井だった。

既視感はあるがそれがどこというのは思い出せない、それどころか今まで見たことのない天井のはずだ。

なぜなら木と木で組んであり開放感がある見た目なのだ。生まれてからずっとコンクリートで造られたいわゆるRC造と呼ばれる建物にしか住んでいなかった(それしか周りになかった)だから木造と思われる建物にいるのは疑問しか出てこない


  なぜ?


 そう考えながら瞼を閉じると足音とともに声が聞こえてきた


「なぜダラドがついてくるのじゃ!」


「失礼ながら村長の昨日のお見舞いの時の表情はとても3歳の子供に向けていいような顔ではありませんでした、はっきり言いますと二人きりにさせると何をするかわかりませんので、あと怪我人がいるところで騒いではいけませんよ」


「む...すまぬ」


 老人と思われる錆びた声だがどこか圧を感じる声と丁寧だがとげのある声が聞こえた。足音が近づいてくる。どうやらこちらに来ているようだ。


 先ほど老人ではないほうの男性と思われる声はお見舞いと言っていた...その言葉により先ほど見た光景とあの異様な寒さを思い出した。先程までぼんやりしていた思考や体が目覚めあの寒さに体を震わす。その時扉が開く音がした。


「おお!起きたのかイルミリア!心配したのだぞ!」


そんな声に反応して顔をそちらに向ければ、白髪の長い髪を後ろで一つにまとめており、筋骨隆々な老人がこちらを笑顔で見ていた


誰?そんなことを考えるより早く老人がこちらに来て、話しかけてきていた。


「大丈夫か?起きれるかの?」


誰だろうと思いながら体を起こすと不意に頭に痛みが走った

痛い.........頭が.......割れる.........何かが.....入って.....


俺じゃない何かが俺の中に入ってくるような感覚がすると頭痛は無くなり目の前の老人のことを思い出していた...




「....じいじ??」


「そうじゃよ、じいじじゃよー?」


老人は笑顔でかえしてくれる


わかる....目の前の老人のことが.....この老人は僕のじいちゃんだ、村長をしている。

....僕?....そうだ.....俺は【イルミリア】 ただの村の子供だ。


「どうしたのじゃ気分でも悪いのか?顔色が悪いのぞ?」


目の前の老人がおろおろしながら心配してくる。熊のように大きい老人がおろおろしている光景がおかしくてつい笑ってしまった


「なんでもないよ、じいじ、ありがとうね」


とりあえず状況整理は後にしよう、今はじいちゃんを安心させてあげよう。と思い声をかけようとしたが


「そ、そうか、そうじゃ!ちょっとまっておれ!」


 そういうと顔を真っ赤にしながら早々と部屋を出ていった。どうしたんだろう?

入れ替わりに線は細いが体はしっかりとした感じの色黒のイケメンが入ってきた。


「大丈夫なのですか?あなたは三日も寝ていたのですよ?」


この人は確か狩人のダラドさんだ、よく大きい獲物を狩ってきて村のみんなに分けてくれるいい人だ。しかもイケメン....神よ.....なぜだ...


イケメンでさらに性格もいいなんて...と神に嘆いていたが、突如横から衝撃が走りベットから落ちてしまった


「イルぅぅぅぅう!」


痛みを堪え目を開けるとそこには赤髪でショートカットの女の子が涙をぼろぼろ流しながら抱き着いていた顔はうつむいているので見えない


「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛...危な゛い゛っ゛て゛...言っ゛て゛た゛の゛に゛....」


そう言って泣きじゃくるこの子をどうしようかと思っていると成り行きを見ていたイケメン様はハンカチを渡してきた...え?俺がどうにかしなければいけない?いまだにこのこのことをおもい出せていないのに?


困惑しているとダラドさんが口パクで何か言っているのに気付いた


「あ・た・ま・な・で・ろ」


 どうやらそう言っているようだ言われたとおりにこの子の頭をなでながら大丈夫だよと言ってみた。

するとその子も落ち着いてきたのかハンカチを受け取って涙をふくと「ほんとう?」と聞いてきたのでうなずくと顔を上げてくれた、瞬間心臓が早鐘を打ち始め自分の中から熱い衝動が沸き上がる...そういわゆる情欲というやつだ


「魔力が制御できていませんよ」


そう言いながらダラドさんが抱き着いていた子を引きはがす。その瞬間するりと先ほどまで感じていた情欲はおさまっていった。


「ごめんなさい...イル、だいじょうぶ?」


そう言って謝るこの子の顔を見た時に何かが入り込んでくる感じがして、この子のことを分かっていた


「うん、大丈夫だよアリアちゃん」


そうこの子はアリアちゃん僕の隣の家の子で一番仲良しで淫魔族だ。


「よかった」と笑うアリアちゃんを見ていたが倦怠感を感じてベットに座り込んでしまった。立ち上がろうとするがうまく力が入らずに浮いた腰が沈んでしまう。

 それを見ていたダラドさんはアリアちゃんに何かを言うと言われたアリアちゃんは残念そうな顔をして「また来るね」と言って部屋を出ていく。ダラドさんはうまく力の入らない俺をベットに寝かせて「まだ体は治っていないようだから寝なさい」と言って出て行った、その際部屋に入れずにいたじいちゃんが「放せ!耳をつかむな!まだわしはイルたんと一緒にまだいるんじゃ!」と騒いでいた。病人のいるところでさわがないで欲しいです。






 

起きたらガチムチの爺さんと色黒のイケメンと赤髪のロリがお見舞いに来たんだとさ

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